テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
12,790
1,091
3,612
1,003
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「恋人が彼女になった話」
👹➕
TS注意
地雷さんは閲覧を控えてください
通報❌
パクリ❌
nmmn注意
本人様には一切関係ありません
すたーてぃんぐ
ありさかside
半年前に付き合った恋人と致した夜。隣でスヤスヤと寝息を立ている恋人を眺める。俺と同じモノがついた男を好きになるのは初めてだった。自分がゲイなんじゃないかなんて思った事もない。ただ、こいつと話していると異常に楽しくて、眩しい笑顔が愛おしく感じてしまって、俺の前で時折見せる珍しい表情に優越感を感じ、他の人に見せる見た事のない顔に酷く独占欲と嫉妬心を抱いて。
『なぁ、みっくす。 』
ん?とスマホから目線をずらしみっくすの目が俺を捉える。
『お前と付き合いたい。』
ただハッキリと伝える。何か言おうとしたのか口を少し開いたみっくすを他所によく整理出来ていない頭で思った事をつらつらと並べた。
『お前の事取られたくない、誰にも。お前の事を1番理解しとるし1番ずっと傍におった。』
俺の顔をじっと見詰めて静かに話を聞く。
『男を好きになった事なんてない、こんなのガチに初めてやけど、みっくすだけは誰にも取られたくないんよ…やから、俺だけのみっくすになってくれ』
薄く開かれていた口を固く閉じ、俺から目線を外し開かれたままだったスマホを閉じてテーブルに置く。みっくすの一連の流れを見れば分かる、いい印象はないのだと。いい返事は貰えないと。そりゃそうだ、今の告白で快く承諾してくれる人なんて居ない。ただの独占欲で構成された告白文句なんて。
『ええよ、俺で良ければ』
『……え?』
マイナス思考に陥ってた為か、想像もしなかった肯定的なみっくすからの返事に反応が遅れる。
『ちょ、待って、俺から告っといてなんやけど…正気?』
『はーー!?!?なんやお前じゃあ付き合わん!』
『あっ!?それは無理!男に二言は無いだろ!』
・
・
・
懐かしい思い出に耽けながら恋人を眺める。
最近、みっくすへの気持ちが薄れてきている気がする。正直理由はなんとなく分かってた。性別だ。やはり男と男、しかも元々男が好きだったわけでもないのにいきなり男を好きになるなんて気持ちの勘違いとしか言いようがなかった。悪く言ってしまえばバグ、みたいな。そんなん長く続くとも思えない。
もしも、みっくすが女だったらなにか違ったのだろうか。
今と同じ様に好きになっていたのだろうか。今と同じ様に恋人になっていたのだろうか。
そうしたら、長続きしていたかな。ずっと好きで、いれたかな…。
もしも、みっくすが女だったら…。
「っ、あれ…いつの間に寝てた…」
窓が薄く開き早朝の冷たい風で目が覚めた。ぶるっと身を震わせながらもみっくすを起こす為 みっくすー、朝やー と声をかける。
「ん”ー、…ぁー、ありさか…?おはよ…」
なんだかいつもよりみっくすの声が高く感じた。朝だからか?
とりあえず時間をスマホで確認し、まだ予定までに余裕がある事を安堵する。視界の端でむく、と上半身を上げたみっくすに挨拶をする為に振り返った。
「…は?」
目に入ったみっくすは明らかに女性の身体をしている。まだ眠いんやけど…なんて説得力のありすぎる眠そうな顔で言っているみっくすの横で思考停止している俺に首を傾げ話しかける。
「ありさか?どうしたん?」
まるで、自分は最初から女だったと言いたげにしている。ぐるぐると脳内処理を行っているとずっと無言のまま見詰めている俺に痺れを切らしバツの悪そうな顔をしながら目を逸らした。
「え、っと…やっぱあれやね、シた翌日は慣れへんわ、体だっるい!ありさかの服デカくてさんむいし、ちょっと体痛いし…。…てかお腹空いたやろ?朝飯作って来るわ」
そう言い部屋を出て行く。
しばらく一人で考え込んだ後、何か覚悟を決めみっくすが居るであろうリビングへと足を進めた。
「あ、やっと来た。疲れてるんかなって思って呼ばへんかったけど…大丈夫?」
「あー、大丈夫。ちょっと疲れてたみたいやわ」
やっぱりこの世界ではみっくすは元から女性で、そのみっくすと付き合っている、みたいだ。ここは現実なのだろうか、夢だとしてあまりにも鮮明で現実的だ。一体何が起こっているのやら…。
外が暗くなってからも未だに整理がついていない。それでもみっくすに悟られない様にいつも通り…ぽく過ごした。
みっくすが作ってくれためっちゃ美味い夕飯を食い、いつも先に俺が風呂へ入っていたらしいのでお言葉に甘えて入らせてもらった。今はみっくすが入っている。あまり上手くない口笛を吹きながら。
しばらくソファで寛いでいると風呂から出たみっくすが俺の名前を呼びながらペタペタと歩いてくる。
「あーりさか、髪乾かしてや」
そう言いながら後ろから抱き着かれ、ふにっと頭に胸が当たった。
「はいはい、前おいで」
「んふ、はーい」
ルンルンで俺の前に現れたみっくすは、一枚も布を身に付けていない素っ裸の状態だった。
「はっ!?おいなんか着ろ!」
驚いた俺は急いで俺の横に置いていたオレンジ色の上着をみっくすにかける。
「なんや急に…いつもの事ですやん」
「……」
「あっ、おぉ…ちょっと水持ってくるわ、みっくすも飲む?」
少し拗ねたように頬を膨らませていたのに 飲む! なんて瞬く間に笑顔で元気になる。やっぱ変わったんは体だけっぽいな、コロコロ表情が変わるんは相変わらず可愛い。
でもやっぱり、違う。
女の子になったみっくすも確かに可愛い、でもやっぱり…。やっぱり違うんだ。
みっくすは可愛くて、いざと言う時はかっこよくて、お世辞でもふわふわした体つきとは言えないけど健康的で、俺と丁度いい身長差で、男なのに…なんて時々不安になるみっくすを宥めた後に見せる笑顔が愛おしくて、かと思えば他人にとやかく言われれば性別なんて関係ないだろなんて言い返してしまう、今のみっくすには感じられない愛おしさが拭いきれない。
戻りたい、いち早く俺が惚れたみっくすに会いたい。
早く、みっくすに…。
「おーい、ありさかー?」
目を覚ますとみっくすの顔が視界にいっぱいあった。髪は短く、ふんわりした頬は少しコケて、男らしい顔つきをしている。声も低い。
「あ…み、っくす…!」
「ちょ、え、なに!?」
かなりの安堵からか勢いよくみっくすに抱きついた。
これだ、俺が好きになったみっくすだ。やっぱり俺はみっくすが好きだ。
「みっくす…好き、愛してる」
「は、はぁ…?……俺も、やで…?」
「んは、照れてる」
「っ照れてねぇわ!はよ起きろ、朝飯食わんのか」
「食べますー」
「なぁ、ありさか」
「……すまん、やっぱなんもない!」
「なんやねんw」
「はは…良かった、女やなくてもええんや…」
「ん、なんか言った?」