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「……ねぇ、三日月、もうひとつだけ聞かせてもらってもいい?」


「ええ、どのようなことでも」


メガネ越しにじっと見つめられ、気恥ずかしさに顔をうつむける。


「……もしもキス以上のことになったとしたら、三日月はまたあんな風にもなるの?」


私の問いかけに、


「なってもよろしければ……」


と、三日月が意味有りげに答える。


短い返事に、否が応にも妄想が掻き立てられて、彼のベッドの上での妖艶にも感じられるような姿が、頭にありありと浮かんでしまった……。


想像した彼の姿に、耳までが真っ赤になる。


「何を、想像しているんです?」


赤く染まった耳にわざとらしく唇が寄せられたのを感じて、真近にある彼の顔をちらりと横目に盗み見た。


口の端で微かに笑う艶めいたその表情の陰には、わずかにサディスティックな片鱗が覗いているようにも窺えて、さらに赤面してしまいそうになる。



渡されたカードキーで、このホストクラブの扉だけではなく、


もしも、彼の心の奥底にある扉も開けられたら、秘められたその顔を、もっと知ることもできるのにと……手の中に、カードキーを握り締めて思う。



三日月の内に潜む、禁断の扉に手をかけてしまった私は、


魔性のように妖しい彼の魅力からは、もう逃れることは叶わないのかもしれなかった……。





END

次は、4人全員のエスコート


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