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201X年8月7日、 夏。蝉が五月蝿く鳴る頃、『山下綾』はとある田舎に来ていた。
元軍人の山下の祖父の『居を構えるなら見つかりにくい山にしよう』と言われ造った家に宿泊していた。多少、山の下は人が居るのだが…。
まぁ、毎年夏は、祖母と山下の二人で過ごしている。
今日も、爺ちゃんの仏壇に手を合わせる。
正直、死者を敬えとかの文化もメイワク。
そう感じながら数日、山の中で過ごした。
_そうだ。明日、山の頂の山菜を取ってと言われたんだ。
それと、祖父の墓に供え物をしといてとも言
われた気がする。
寝坊せぬ様、綾はアラームをかけて
眠りについた。
8月8日。綾は、険しい山道を進みながら山菜採りに来ていた。
運動不足の綾からしたら1年分の体力を使った気分だった。
いざ頂に来てみると、ぽつんと墓石が置いてあり、土が少し盛り上がっている。
「なんて質素な墓なんだ…。」
少し祖父に哀れみを感じ、呟く。
「__気になるな。」
こんな墓も少ない。
欠点と言うべきか、若さながらの好奇心が知らぬ間に墓を掘り起こしていた。
「…うわ。」
1時間ほどかけて掘り起こした墓には、白骨死体がぽつんと残っていた。
罪悪感の中に好奇心を感じ。綾はその骨に触れてみる。
触れた瞬間、辺りの風景が代わり、触れた自分の手が枯れたようになっていた。
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