「 Desculpe…! 」 (すみません…!)
オレンジの跳ねた髪。
がっちりとした体。
……どこかで見た気がする。
その人はバレーボールを持って俺に「obrigado」と言った。
そして俺はその人がバレーボールを持った瞬間わかった。
「 日向翔陽…!! 」
俺はとっさに声が出てしまった。
「 に、日本語?! 」
するとその人も驚いていた。
この日向翔陽って人はこの前SNSで見た人だった。
凄いジャンプ力があるらしい。
「 あ、あの…ちょっとだけ見学しても良いですか…? 」
「 も、もちろん…!!俺なんかの練習で良ければ…! 」
そしてその人は近くにあったバレーボールコートに戻る。
「 ん、チビちゃん。その子どうしたの?迷子? 」
コートに戻ると一緒に居た癖っぽい茶髪の人が尋ねる。
「 あのちょっと見学したいらしくって…及川さんが良ければ見学させてあげても良いですか? 」
「 え、全然いいよ 」
茶髪の人がそういうと日向翔陽さんは俺を日陰に案内してくれた。
それから二人は練習を再開した。
丁度この前学校の体験学習でバレーボールをしたところだった。
だから少しルールはわかった。
それからじっと彼らを見ていた。
力強いサーブにレシーブにスパイク。
茶髪の人のしなやくなトスも俺を魅了した。
そして何より日向翔陽の圧倒的なジャンプ能力。
「 やりたいな… 」
俺はそう思い家に帰ると直ぐに「日向翔陽」と調べた。
すると日本の春の高校バレーの大会の映像が出てきた。
その動画を見るとやはり圧倒的なジャンプ力から生まれるスパイク。
俺は日向翔陽のバレーボールに魅了された。
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