テラーノベル
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「おかあさん!!これってクマのぬいぐるみだよね!?」
「欲しい欲しい!!」
「分かったわ、ふふ、買ってあげる。」
「善はほんとうに純粋で可愛いわね〜!」
「えへへっ…」
「おかあさん!!ありがとう!!」
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父親は楽しそうな顔をして二人に言った。
「今日は休みが取れたから…三人でお出かけだ!」
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(…幸せだった頃に比べたら、あまりにも煤けた日々だよ。)
まるで走馬灯みたいに、楽しかった記憶が風となって通っていく。
だが走馬灯はドロリと染まり、実験台として使われた悲しみや、今にもタヒん出しまいそうなほど強い痛みが覆い尽くす。
(…それでも…やらなきゃいけない、やらないと…ぽれは……)
爪が、鋭さを増した。
「…ぽれは…!!そんな簡単にタヒなない!!」
メテヲは驚いた。
_そして、ヤバいと確信した。
(…両腕が…)
メテヲは辺りを見渡す。
_割れたシャンデリア、切り裂かれた机と椅子、血で汚れたソファ_
「…こっちを見ろ!!!」
ぜんこぱすは叫んだ。
そして鋭い爪が_思い切りメテヲに向けて振り下ろされた
「ぎゃぁあっ!!」
間一髪、壊れた椅子をあちらに投げることでメテヲは攻撃を回避する。
だが館には大きく穴が開き、2人の間で飛ぶ椅子も4つに分かれていた。
正面で爆発が起きたかのような光景に、メテヲの額には冷や汗が滲む。
メテヲの瞳孔が震える。
メテヲは1m後方へスライドするようにして壁に背中をつけ、爪からなされる斬撃を頭を下にして回避する。
その姿勢のまま、詠唱を開始する。
「ぜんこぱす!!!危ない!!避け…!」
「…散々やってくれたね…こっちのターンだよ!!」
メテヲを中心に、振動が発生する。
ゴゴゴゴゴ_!!!
衝撃で天井が崩れ、棚が次々倒れていく。
メテヲは倒れた棚を能力で持ち上げ、ぜんこぱすに向けて思いっきり投げた。
「_っ!!クソ、コイツ_強すぎる…」
「…っぐぁああ…!!」
ぜんこぱすも、それで脇腹に微かに穴が空いたような感覚を覚え、猛烈な痛みが襲いかかる。
「…っふざ、けんなぁ…!!」
両手を覆う熊のような毛が腕まで広がり、俊敏性が余計に上がる。
気が付けばもはや、2人の戦闘はだれも着いていけぬものに変わっていた。
互いが、互いの方だけを向き、広間はぐちゃぐちゃに散乱して、もうあの綺麗だった場所など跡形もない。
(…よわってる、手をきったからだ)
思考力が落ちる、落ちる、おちる。
(…クソ…だ、めだ……)
ぜんこぱすは憎しみに覆われ、メテヲに爪を向けながら、強く睨みつけた。
(早く…こいつだけは…!)
(こいつだけは…ころさない、と……)
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「…っ!!この子だけは、この子だけは…!!」
「お願い、お願いします、私だけ連れて行ってください…」
「いや、無理だね。」
「愚民どもは連れて行け。」
「…っぐす、うぅ…」
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「これを埋めろ、さもなくばお前は殺す。」
「…オレンジ…?これって…」
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#イラスト
るめ
1,922
スイレン🩵🪽 不定期浮上
109
#アモアス役職
シノーペ🪐🌠💜
1,031
「遺物だよ。」
「…ほら、早く埋めろ。」
「了解です…。」
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「ぁあぁああぁぁあぁ!!!!タヒね!!しね!!タヒねタヒね!!!」
ぜんこぱすは突然過呼吸を起こし、涙を溢れさせる。
「…」
メテヲは攻撃の手を思わず止めてしまう。
ぜんこぱすは俯き、涙ながらに叫んだ。
何度も、何度も何度も、喉が潰れようと叫んだ。
「二度とこっちに来んなぁああぁああ!!もう消えろ!!出てくるなぁあ!!クソ…クソクソクソ…!!」
「はぁっ…はぁっ…!!」
憎悪はこちらに向けられていたはずだ、それなのに今叫ぶ彼からの憎悪が_どこに向けられているか分からない。
どこかに飛んでは消え、飛んでは消える。
_まるで撒き散らすようであった。
_取り巻きは動こうとした、だがメテヲの光輪に圧倒され、その上叩きつけられたことによる尋常ではない痛みが_その身体を止めてしまった。
「…ぜん、こぱす!!動け…!!」
取り巻きはそう言って必死に、必死に手を伸ばした。
だがメテヲは、そんな取り巻きから壁を作るように、シャンデリアの破片を投げつけ、伸ばされた手に突き刺さった。
「…っ!?てめぇは邪魔すんなよ!!」
男は叫ぶ、だがメテヲは聞く耳を持たなかった。
しばらく、途方もないほどの静寂が流れた。
メテヲは光輪をたずさえたまま、1分ほど動かず、ぜんこぱすに殺意を向けようとはしなかった。
ぜんこぱすの手を取ろうとする取り巻きだけを破壊された館の壁や家具で妨害する。
_叫ぶぜんこぱす以外は、誰も言葉を発しない。
「…」
「…よし、いいか。」
メテヲはそう呟く。
メテヲはゆっくりと能力を解除し、静かに地面へ降下する。
そしてゆっくりと、倒れ伏すぜんこぱすの方へと歩いた。
「…大丈夫?」
先程まで戦って、本気の殺し合いをして痛くせして、メテヲはぜんこぱすの手を静かに取った。
「…………」
ぜんこぱすは黙りこくった。
_そして、無警戒なメテヲを見る。
_ああそうだ、自分の使命を忘れそうになっていた。
何をやっていたんだっけ。
「…あぁそうか。」
ぜんこぱすは1トーンは低く、冷たい声でそう呟く。
すると、変異した腕から、赤い炎が出始めた。
_それは揺らめいた。
メテヲは驚き、慌ててぜんこぱすから離れると、詠唱体制に入った。
だが_遅かった。
まるでそれがトラップとでもいわんばかりに、ぜんこぱすは爪をメテヲの腹に即座に向けて、
___切り裂いた。
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