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白山小梅
12
#借金
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ベッドに寝かされ、昴が覆い被さってくる。心臓の音が大音量で耳に届き、徐々に緊張で息が苦しくなってきた。
これから昴くんとセックスをするーーそう考えるだけで恥ずかしくて、七香は両手で顔を覆う。
「七香、手をどかさないと何も見えないと思うけど」
「だって……! どうしていいのかわからないし……」
「じゃあわからない七香に代わって、全部俺にお任せコースで行くから。それでいい?」
「わ、わかった……」
右も左もわからない状態では、お任せする他なかった。だが以前の早紀の話ぶりではとても上手と言っていたし、されるがままになろうと思い、目をギュッと閉じた。
昴の指が浴衣の帯を解き、体を締め付けていたものが一つなくなった。浴衣の隙間から涼しい風が吹き抜け、七香は体をビクッと震わせる。
その時、昴の手が胸を包み込んで揉み始めた。そして七香の背中に手を差し込むと、器用にブラジャーを外した。やはり経験豊富だと動きもスムーズなんだーーそんなことを考えた瞬間、胸の頂に彼が吸い付き、舌を使って丹念に舐っていく。反対の頂は指で摘んだり転がされたりし、初めて味わう刺激に体が何度も震えた。
しつこいほど胸の尖端を彼の舌先に弄ばれると、今度は下半身がムズムズし始める。七香が腰をくねらせると、昴は両手で七香の足を開かせ、その間へ身を滑らせた。
ショーツの上から優しく指でなぞり、何度も行き来するうちに、その動きがもどかしくなっていく。そこを触って欲しいと思うのに、ショーツが邪魔をしていた。
だがそのことを口にするのは恥ずかしくて、両手の隙間から昴に視線を向ける。するとそれに気付いた昴はニッと笑うと、七香のショーツに手をかけスッと脱がせた。
昴は秘部にある一番敏感な部分に指を這わせると、七香の体がピクッと震える。こんな場所、自分だってさわったことがないのにーー昴の指が動くたびに緊張して、体が強張ってしまう。
「七香、もっと力抜いて」
「そ、そんなこと言ったって……抜き方なんかわからないもん……」
「いろいろ考え過ぎなんだよ。頭を空っぽにしてみな」
「こ、こんなこと初めてするのに、空っぽになんで出来ません!」
すると昴は舌舐めずりをし、七香の頬に手を触れたかと思うと、そっと唇を重ねた。七香は驚いた目で昴を見る。
「キス……してくれるの?」
「なんで? したくないの?」
「ううん、したい……」
そう口にした瞬間に唇を塞がれ、貪るような熱いキスを繰り返される。その間ずっと、七香の胸の内は言葉に出来ない悦びに満たされていた。
彼がキスをしてくれた。自分のことを求めるかのように唇を吸われて息も絶え絶えになり、空気を吸おうと口を開けた瞬間に、昴は七香の舌に自分の舌を絡めていく。
そんな熱いキスをしながら、七香の瞳からは一筋の涙が溢れた。きっとキスに夢中になっている昴は気がついていないに違いない。
七香の頭には、あの日拒絶されたキスの記憶が消えずに残っていた。彼の表情、ぶつかった歯の感触、涙のしょっぱさを思い出すたびに、胸が苦しくなった。
なのに今こうして昴から、熱いキスをされているなんてまるで夢のようだった。今だけはあの日の苦い記憶が薄れていく。
あぁ、わかった。わたしが恋愛に興味を持てない理由。あの日の記憶を思い出してしまうからだ。もう二度と好きな人に拒絶されたくなくて、恋愛に興味がないふりをして逃げていた。
それだけではなく、今も彼だけが好きなのだと自覚する。彼には早紀さんがいるのにーー早紀さん以外の女性の一人でもいいから、このまま彼のことを愛していたいと思ってしまう。
これじゃあ昴くんと同じ穴のムジナじゃないーー報われない恋心に堕ちていく。
キスが心地良いせいか、体の力が少しずつ抜けたところに、昴の指が再び動き始める。
「キス、好きなんだ。蜜が溢れてきた」
キスがじゃなくて、あなたとするから好きなんだと思うーーそんなことは言えず、彼にされるがまま身を委ねていると、
「痛かったら言って」
と耳元で囁かれた。
その瞬間、体の中に何かが入ってくる違和感を覚え、再び体に力が入ってしまう。
「えっ、今の何……?」
「初めてだから、慣らすためにまずは指からね」
初めての感覚は気持ちの良いものではなかったし、これがどう快楽に変化していくのか見当もつかない。好きな人でこれなら、好きじゃない人なんて絶対に受け入れるのは無理だと思った。
体から昴の指が抜け、同時に体の力も抜けていく。ふと目を開けると、昴は上気した顔で、先ほどまで七香の中に入っていた指を口に含んだ。
「やだっ……そんなの汚いからーー」
昴を止めようとした瞬間、彼は顔を七香の足の間に埋めた。
「あっ……ダメっ……はぁっ……!」
敏感な部分を口に含まれ、舌で舐られると自然と体が弓形になっていく。先ほど指で攻められた場所に舌が侵入し、中に刺激を与えると、七香の体がビクンと大きく跳ね上がった。
「今のって……んっ……」
それでも昴は舌の動きを止めようとせず、さらに敏感な部分を指で弄りながら七香をさらに深い快楽の底へと導いていく。
「お願いだから……! ちょっとだけ待って……あっ!」
ぐったりとベッドに沈んだ七香に蕩けた視線を向けた昴は、自分の浴衣と下着を脱いで放り投げた。露わになった彼の体は汗を滲ませ、胸は大きく上下している。
七香はドキッとした。昴のモノは大きく屹立し、今にも弾けてしまいそうだった。これが自分のなかに挿入されると思うと、ゴクリと唾を飲む。
「心配しなくて大丈夫。まだ挿れないから」
キスをしながら彼の指が七香の中で動くたびに、それが少しずつ気持ち良さに変わっていく。甘い吐息が漏れ、体が小刻みに震え始める頃には、七香の体はすっかり昴による快楽に酔わされていた。
「んっ……気持ちいいっ……こんなの知らない……は
あっ……」
徐々に動きが激しくなり、意識が飛びそうなほどの絶頂を迎え、途端に体が大きく跳ね上がる。ベッドに沈んだ七香が荒くなった呼吸を整えていると、昴がサイドテーブルに手を伸ばした。
ぼんやりと視線を動かすと、小さな箱が置いてあるのが見える。そこに書かれた数字を見て、それがコンドームであることは七香にもわかった。
「用意周到……やっぱりあの人たちとする気だったんだ……」
「これ? いつ何があってもいいように持ち歩いているだけ」
普通ならクズ男と思うが、彼に対しては少し違った。あんなに早紀一筋だった人が、相手は誰でもいいと思うようになってしまったことに哀れみを感じる。
少年のように一途に早紀を愛し、その愛に溺れていた。それだけで良かったはずなのに、早紀が彼の一途な想いを否定してしまった。だから彼は非行に走ってしまったのだろう。
拗ねた子どもと一緒ねーー彼がコンドームを装着する様子を眺めながら、そんな彼を守ってあげたくなる。
七香に覆い被さった昴が
「挿れるよ。痛かったら言って」
と囁く。
頷くのと同時に、ゆっくりと挿入される感覚に身を委ねる。
本当は痛かったけど、言いたくなかった。言えば彼がやめてしまうと思ったから。少しでも長く深く繋がりたかった。
だが昴の指が七香の敏感な部分を指で刺激しながら、胸の尖端を舌で舐るたびに痛みが鈍感になり、昴に与えられること全てが甘い痺れとなって押し寄せる。
「七香、痛い?」
「最初は痛かったけど……今は気持ちいい……」
「そっか……良かった。じゃあそろそろ動くよ」
昴は何故か安心したように笑った。そして突然腰の動きを早め、七香の中を激しく突き上げていく。あんなに不安に思っていたのに、あっという間に絶頂に達した七香は、大きく胸を上下させながら果てた。