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「やっぱり眠れない。」
ベッドがデカすぎで寝てしまったら転がり落ちそうだ。
その日は一睡もできなかった。
「黒原!ベッドをもっと小さくできないかな?」
私は使用人である黒原に願った。
「それは無理です春姫様。紅蘭様の許可がないと小さくできません。」
「そんな〜。」
私はがっかりした。
うちは代々名門一族で父は12代目当主である。
涼宮紅蘭(父)が経営している会社『botiva』が先月、悪徳会社だと発覚し涼宮家には多額の借金を抱えている。
次期当主である私は借金を返済すべく、バイトなどを掛け持ちしている。
私はため息を付きながら、カレンダーをみた。
明日は私の誕生日だ。
等々あの日が来たか。
涼宮家は17歳になると家柄がいい人と婚約しないといけない。
翌日、私の婚約者は来た。
「もっと家柄がいいやつはいねぇのかよ!」
「春姫様、この方は北條家の次期当主。北條浩介様ですよ。」
彼は苛ついた表情で私を鬼の形相で睨む。
「は、初めまして。」
「何普っ通ーに挨拶してんだ!俺をなんだと思ってる!」
怒られた……
私は項垂れてしまった。
「黒原、私と北條君が結婚するメリットは?」
「はい、あります。北條様と結婚すれば借金返済には免れます。」
何と!
私はソファから起き上がった。
「ふん!俺には何もなしかよ。」
「それは違います。「北條様も春姫様を助けた」と言う条件にすれば、御礼の品として大金を手に入れるでしょう。」
「「なるほど。」」
北條君と私の言葉が重なった。
2人にメリットがあると言うことか。
それでも北條君と結婚すれば奴隷のような日々が待っているかのように見える。
それは怖い。でも借金返済のために頑張らなくちゃ!
私は心の中である呪文を唱えた。