テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
──銀さんと赤ちゃんが目を覚ました。
そう帰ってきたあと、待っていたXから聞かされ、すまない先生はいても経ってもいられず、保健室へと駆け出し、勢いよくドアを開けた。
「あ、すまない先生!また壊して!!」
「すまない先生!」
元気に笑顔を向けて、笑っていた。あの時のように軽蔑するような瞳ではなく。
「・・・ッ・・・ふぇ・・・」
じわりと目元が熱くなる。ボロボロと頬を水が伝う。それで気がついた。
“泣いている”ことに
「っ!?す、すまない先生!?」
思わず銀さんと赤ちゃんは立ち上がり、すまない先生の元に駆け寄った。
ポロリ ポロリ
と目から透明な飴玉が転がっていると錯覚するほど、目から大粒の涙が零れた。
「・・・よ・・・よかっ・・・良かったッ・・・」
ボロボロと涙をこぼすすまない先生に、銀さんと赤ちゃんは頭を撫でた。
「実を言うと、あんま覚えてないんだよな⤴」
「えーっと、俺もあんま覚えてないんですよね。目ぇ覚めたら保健室にいて・・・でも」
と、2人はそこで言葉を区切り、口を開く。
「「ただいま!」」
「・・・うん、おかえり」
そうすまない先生は嬉しそうに泣き、笑っていた。
✵✵✵✵✵
「え?覚えてること・・・?そうですね・・・なんか、暗闇にいた・・・ような気がします」
「あ、俺もだぜ!」
「そう、なんだ」
すまない先生は、少しホッとした。
「すまない先生、ホットミルクです」
と、ホワイトがマグカップを手渡した。
「あ、ありがッ!?」
突然腕に痛みが走り、マグカップを掴むことが出来ず、マグカップは重力に身を任せ、バリンッと床に割れる。
「ご、ごめん!!」
「いえ、大丈夫であります。あ、触らないようにしてください。いま、箒持ってきます。」
と、ホワイトはロッカーから箒を取り出しに行った。
「どうした、すまない」
「えっと、あ、て、手が滑ったみたいなんだよね・・・あはは・・・」
と、すまない先生は笑顔で答える。
「あっ!ぼ、ぼく、もう寝るね!明日も戦うだろうし!おやすみ!!」
と、すまない先生は慌てて保健室を飛び出して行った。
「・・・どうしたんだろう、すまない先生」
「なんか様子がおかしかったな!」
と、銀さんと赤ちゃんはそう話していた。Xは気難しそうな表情を浮かべていた。
✵✵✵✵✵
すまない先生は、仮眠室へと駆け込む。そして、必死で息を整えながら、痛みが走った腕に触れ、グッと強く押す。すると、暗がりの中でも分かるほど、黒く、濃い液体が着いていた。そして、電気を付けると、黒く濃い液体は“赤色”だった。
「いっ・・・た・・・」
すまない先生はズルズルドアに背を向け、座り込む。
どうやら、連日不死のトーテムを使ったことで、傷口が開きやすくなっているようだ。しかも、頭痛い。恐らく熱が本格的に出てきたのだろう。
「・・・ッ・・・確か、ここら辺に・・・あった・・・」
と、すまない先生は、隠し持っていた痛み止めと解熱剤を明らかに多すぎる量を飲み込む。
(大丈夫、明日になれば痛みも引く、大丈夫、大丈夫・・・)
すまない先生は目をつぶる。今、倒れる訳には行かない。そう思いながら、すまない先生は目をつぶった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!