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そんなある日、教室に小さな崩壊が訪れた。このクラスを支配している女王、瑠璃。
彼女の「裏の顔」がネットに流出したのだ。
夜の街で笑っている写真。知らない大人と肩を並べ、指先で紙幣を受け取っている。
メッセージのスクリーンショットには、見慣れた彼女の名前が並んでいた。
「またね」「次はもっとくれる?」
それは現実と切り離したくても切り離せない生々しさを放っていた。
最初はざわめきだった。それが、あっという間に嘲笑と罵声へ変わった。
「うわ、やばくない?」「あいつ最低」
支配者は一瞬で獲物に変わり、教室全体が血の匂いに群がる獣のようになった。
みんなの視線の先に居たのはきっと
瑠璃の取り巻きの椿。
彼女はいつも瑠璃の隣で笑い、命令に従っていたはずだった。
それが一転裏切り者と呼ばれる存在に変わってしまった。
机を蹴られ消しゴムを投げつけられ身体全身に浴びせられる罵倒の言葉。
その光景には既視感があった。
そうだった。あれは私が浴びてきたものだ。