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コツコツコツコツと、ヒールの音がそこらじゅうに響く。


「よおるい。元気してるか?」

「あ、にこり。おはよう。全然元気じゃない。もう既に帰りたい。」

「あはは!いつも通りだな!」

ぼくたちには名前がないから、あだ名をつけあって呼ぶ。

ぼくはいつもだるいだるい言ってるからるいって呼ばれてる。

こいつはいつもにこにこしてるからにこりって呼ばれてる。


「にこり、あんまり顔色よくないね?この間の奴の自殺法、結構痛いやり方だった?」


ちなみに、にこりは自殺配属


「あぁ……結構、な」

「そう。あんまり無理しちゃダメだよ……と言いたいところだけど、ぼくたちの勝手で休むことなんて出来ないからね。がんばろう」

「そうだな……(白目)」


ぼくたちは、人の命を狩る戒めかわかんないけど、その人が死ぬ時、その人の痛みや苦しみがこちらへ来ることになる。

その人が楽に天へ迎えるように、ぼくたちに全て転換される。

その人が天へ昇るまでの辛抱なんだけど、これがまた辛くて。

ぼくは病担当だから、すっごい痛いのはあんまりないけど、自殺とか、交通事故担当のやつらは毎回顔を青くして帰ってくる。


「ぼくたちって、ほんっとかわいそう」

「そうだな……おっと、もうこんな時間だ。またな、るい。がんばれよ」

「うん。またね」


ぼくは病院へと向かう

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