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注意
この小説は、主のOCがいろいろするものになっています。
苦手な方は読むのをご遠慮ください。
それから、聞き飽きたプロローグは終わり。初めての方は第1話から。
1章 体編変成
11話「緋キツネ」
「だめだ」
「にゃんでぇ」
おはよう諸君、昨日の猫化が未だ続いている海魔碧だ。
いまは、鬼魔に「おねだり」とやらをしてみている。
何がほしいかというと…お小遣いだ。
「いいじゃあん…」
「ダメなものはダメ。うちらだって無限にお金あるわけ
じゃないんだから…」
「でも軽く400億はあるでしょ」
なぜこんなにお金があるのか…
それは、鬼魔が本気で仕事したからである。
その中の金払いのいい所がその力を認め、400億という大金を出してきたのである。
「…金が欲しいなら働けよニート姉貴」
「あ?」
「うわぁーお姉ちゃんがこわぁーい」
「ざけんにゃ」
「…ひどい」
へ?
なんで泣いてんの?
嘘泣きじゃないよねこれ?
…そんな怖かったか…
「なんでそういうこと言うの…?」
「ごめんって…許してよ…。」
「…じゃあ働け…丁度五月雨の社会復帰トレがあるんだ
から…せっかく面接受かったんだからさ」
「…分かったよ…ファ◯マだっけ?」
そうして唐突に、私のバイト生活が始まった。
「にゃ〜♪」
「…もう猫に慣れてきてますよね…」
「うっ」
バイト先へ向かう途中、ついに五月雨の一言で気付いてしまったのだ。
私、海魔碧は、完全に猫の姿に慣れてきてしまった。
「…最悪だ…五月雨にもわかるくらいになったか…」
確かに、そう考える時もあった。
無意識のうちに手で毛繕いなることをしてしまったり、猫がおやつを食べているときに食欲がそそられたり…。
「どうしよう…そもそもこの姿で面接受かったのも奇跡
でしょ」
「まあ…面接官相当引いてましたけど…」
「あの時の私酷かったなぁ…丁度猫化受けたてで人語使
えなかったから…」
『次。海魔碧さん』
『にゃ…』
『得意なことなど交えて自己紹介をお願いします』
『にゃーにゃー…にゃにゃにゃー!にゃにゃにゃーにゃ
ーにゃにゃあ!』
『…わかりました』
『いや分かったのかよ!?』
「あの時は思わずツッコミ入れちゃいました…」
「は…恥ずかしい…」
本当に恥ずかしい限りだ。
あの場にいたのは面接官と私たちだけの対面だったからよかったものの、他のとこの面接だったら完全に終わってた…な。
「でも猫化にも利点はある」
「え?何ですか?」
「毎日鬼魔に撫でてもらえる」
「…いいなぁ…猫にはならないけどいいなぁ…」
そう、撫でられる時だけは至福の時を過ごせるのだ。
思わずにゃぁ〜ってなって…最高だ。
特に鬼魔は、なんか撫で方が上手い。だから毎日猫化してるんだが…
「ただ…猫化すると風呂が大変でね…」
「あぁ…」
「尻尾の周り洗うの大変なのよ…触れると風呂場でああなっちゃうから」
そう…この前も…
『…ふにゃぁ!?』
『どした〜?』
『たすけて…』
『…なるほどね』
「五月雨も気を付けなよ…まじで溶けるから」
「はい…っと、なんでこんなに嬉しそうにしてるのかな…?」
…そっか…猫化の不便さもうひとつあったわ…
感情が分かりやすいんだこれ…。
「…しっぽは見ないで…」
「じゃあ耳」
「…はずかしいからさ、
…もうバイト先行こ?」
「あ、遅刻する」
「やっべ…走るよ!!」
「はい!」
「おはようございますー」
「遅れましたー!」
結局、開店のの10分後に来ることになった私達。
しかしそこで会ったのは、まさかの人だった。
「おはよー」
「…緋…?」
「え?緋って?」
「私の次に神になった子だ。名前は九緋」
「ここの…あか…」
そう…九緋。二人目の神。当時の肉体年齢は14歳、実年齢は私と同い年。
「何でここに…?あんた上にいなかった?」
「それが追い出されてねー。なんでも狐の神は足りてる
ってさ」
「お前が一番先輩の狐なのに、か…」
「まあしょうがないよ…僕自身大した力持ってないし」
そう…確かに緋は神の中では力は弱い方だった。
「でも一人で国くらいなら消せてたでしょ」
「もうそんな力残ってないよ…僕だってだいぶ衰えた…
碧とは違うんだよ」
「そういやだいぶ育ったなぁ」
「あぁ…今は20代後半くらいじゃない?」
…あっまって?
「普通に話しちゃってるけど…なんで私が碧って分かっ
た?」
「…あの頃僕が何百年間一緒にいたと思ってんのさ…
何もかも失って気絶しているお前を助けたのは僕だ
ぜ?」
あぁ…そんなこともあったな…
五月雨と先輩を失った後の話か…。
「あの…バイト…」
「あ」
「…じゃあ後でお前ん家行くから」
「わかった」
終