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🖤「阿部ちゃん」


過呼吸になりそうなほど泣きじゃくっている阿部ちゃんに手を伸ばし、そっと腕に収める。


🖤「勇気出して話してくれてありがとう。俺、阿部ちゃんが辛いのなら尚更力になりたいよ。だから、一緒に行こう?俺と桜見よう」


阿部ちゃんはしばらく嗚咽して、それから


💚「…わかった」


と一言、返してくれた。


🖤「ありがとう」






ちょうど満開のタイミングで、お互い時間ができた。

桜と星が一緒に見たいから、ライトアップされてない、名所でもない夜桜に行こうと提案すると『めめらしいね』と阿部ちゃんは笑ってくれた。



少し山の方まで車を走らせた。

知る人ぞ知る大きな桜の木が静かに佇み、最低限の街灯と、その上に瞬く星。


車を降りて、桜の木の近くまで歩く。

何度か阿部ちゃんが躊躇したけど


🖤「俺を信じて、大丈夫」


と手を差し伸べると、おずおずと握ってまた歩き出してくれた。



星明かりの下の桜の木は、少し青白い。

それでも満開という言葉がぴったりで、本当に美しく開花していた。


たまに少しの風で揺れ、花の間からちらちら光る星が覗く。

背の低い枝が目の前に来るほど近づいて2人で見上げていると


💚「やっぱり綺麗だ」


阿部ちゃんが呟いて、またはらはらと泣いた。



帰りの車内。


🖤「阿部ちゃん。桜、綺麗だったね」

💚「うん、ありがとう。めめのおかげでちゃんとまた見られたし、綺麗だって思えた」


花のまま落ちていた桜を1輪大切に手に乗せて、阿部ちゃんはずっと眺めている。


🖤「また、違うのも見に行こう?」

💚「うん。行けそう」


長い信号に引っかかって、会話がふと途切れる。



🖤「…阿部ちゃん」

💚「うん?」

🖤「もうわかってるかも知れないけど。俺、阿部ちゃんが好きだよ。辛いことも、悲しいことも、俺が全部包んで塗り替えたい。だから、これからも傍に居させてくれないかな」


言い終わって、急に恥ずかしくなってコーヒーに逃げたけど


💚「ありがとう、嬉しい」


少し腫れた目で、阿部ちゃんは笑った。

🩷が好きだった💚を好きになった🖤のはなし

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めめが守ってくれるって!あべちゃんっっ🥹🥹🥹🥹よかったね🖤💚

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