攻めだと思ってたのに受けになるっていうのが書きたかったんです。
それには、昔大英帝国と呼ばれる大国を築いていたけど、植民地を失って衰退したイギリスさんがすごく合ってる!
ということで、映えある受けはイギリス君です。
結構キモめな気がします。
「はぁ…最近、えっちしてないですね。」
そんな一言を、ため息と同時に密閉された空間に吐き捨てた。自分の家とはいえ息子たちと同棲しているのに、お手洗いでそんなことを呟くのは、周りから変態紳士と言われても仕方がない気がする。でも、本当に寂しいのだ。昔なんて、支配する国を増やすたびにそいつとやりまくってたのに、どんどん私の元から離れていってしまって。なのに仕事は増えていく一方だから、私の私が疼いて仕方がないんです!今だって、家にあの子達がいなければここでおっ始めていたかもしれない。その場合の相手は誰なんでしょう。ああ、想像もつかない。
「私も落ちぶれたものですね。」
再びため息をついた後、立ち上がってお手洗いを出た。疼いていたのにそのままにしたせいか、少し下半身が熱い。それでも、ぎゅっと堪えてなんとか歩き出した。
「わぷ」
「おわ、大丈夫か親父。」
前を見ていなかったせいで、向かってきていたアメリカに気づかずそのままぶつかってしまった。なるべく腹から下をつけないようにして、私はアメリカから離れた。それに気づいたのかはわからないが、彼がふっ、と笑った。
「…なんですか、急に笑い出して気持ち悪い。」
「毒舌だなぁ。んー、さっき言ってたことが聞こえてたって言ったらわかるか?」
無心になった。いくら息子だからと言って、あれが聞こえていたのは国際的にまずい。此奴は口が軽い。どこまで拡がるか知れたものじゃないのだ。そもそも、弱みを握られるのが嫌だと言うのもあるが。
「なんのことでしょうか。聞き間違えじゃないですかね。」
「粘るなぁw」
嘲笑を含んだ笑みを漏らしたアメリカを押し除けて、私はリビングに戻った。お手洗いに行っただけなのに無駄に疲れた。紅茶でも飲んで落ち着こう。そう考えてソファに視線をやる。一瞬驚いた。そこには、いる筈のない国がいたのだ。
「ウク…ライナ?なんで…」
彼女は、頭にハテナを浮かべて首を捻った。私がおかしいのだろうか。
「イギリスさんが、“今日はウチに来ていい”っておっしゃっていたと思うのですが。ご迷惑でしたら帰りますけど、」
「あっ」
そういえばそんな話をしていた。兄のロシアに虐められているから私の家に避難したいと。確か私はその時紅茶を飲んでハイになっていたから勢いで了解したのだっけ。酒を飲んでいたわけではないが記憶が薄まっている。真剣な話だったのに、ウクライナに申し訳ない。今だって、頬に痛々しい怪我を負って。血が滲み出ているが、どんな酷い殴り方をされたのだろう、それこそ犯すくらいの勢いで_____
「いやっ、違っ、」
「え、ご迷惑でしたか?」
「やっ、違います独り言ですよ。ちょっと私は行きますね。そこでゆっくりしていていいので!」
「はあ、ありがとうございます。」
息もつかずに自分の部屋まで走ってきて、勢いよくドアを閉めた。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい、私は彼女を見て一体何を考えていたのだろう。友好的な関係を築いてきて、自分を頼ってきてくれた国を相手に、一体何を考えたのだ。もしそのままあの場にいてしまったら、恐らく彼女を押し倒して…考えたくもない。いくら疼いているからといって、さすがにこれは自分でも気色が悪い。どこかで、どこかで発散しなければ。
「どこで?」
一体どこにこの苛立ちをぶつけろと。昔なら、思いのままに走っておけば損することはなかった。だが今は時代が違う。欲望のままに暴れ回っていては、もうこの世界は私をお払い箱にするのだ。どうしようもないじゃないか。この激情の中、こんな気持ちに苦しんでいるのは多分私だけだ。無理やり発散することもできないとなると、本当にどうしようもない。
「…“脅す”?」
嘘でも良いから相手の悪い噂を餌にして、これが拡がって欲しくなかったら私の相手をしろ、と…。随分と横暴な方法だが、このままではいつか大切な場でボロを出す。それよりかは幾分マシなはずだ。そうと決まれば、だ。風評被害を餌にするなら、大国の方が効果がある。
「大国といえば、忌々しいけど彼奴ですね!」
この時の私は多分正常な判断ができていなかった。よっぽど疼いていたんだろうか。
「二人とも、夕飯ですよ〜」
今日は、同棲しているアメリカとカナダのうちカナダが出張、アメリカは面倒臭いということで、私がご飯を作った。ウクライナがいたので、作る分は変わらなかったためなんとなくカナダもいるような気がずっとしていた。なのでカナダの席に座っているウクライナとの身長差分、違和感が半端ない。そういえば、二人は付き合ってるっていう噂もあるくらい仲が良かったですね。二人の仲を引き裂いて私がウクライナを奪ったら、カナダはどういう反応をするんでしょう…いけないいけない、こんなことを考えては。まあ、もう明日にはそんな思考は消えているだろうが。
「親父、ずっとニヤニヤしててなんか嫌だ。」
「うるさいですね、ご飯が美味しいから微笑んでいるんですよ。」
「それはないだろ。」
アメリカが突っかかってくるのでうざったく思い、この後することを想像しながら嘲笑った。
「はい?美味しいですよね〜ウクライナ。」
「へっ、それは、無いかもです…ふふっ」
何笑ってるんですか〜?あの場の私の判断次第ではあなたをぶち犯すこともできたんですよ?大体なんなんですか人んちに上がり込んでおいて私の言うことに従わないとは何事です?今ここでぶん殴って傷開かせてそのまま朝までヤってやりましょうか?
思わず言ってしまいそうになったけれど、なんとか抑えて微笑んだ。
「そうですか。」
「血管ピキッてて怖いぞ。」
夜も深まってきた。ウクライナはもうぐっすり寝ていて、アメリカは起きているかどうかは半々なくらい。だが、これくらいが私の計画には丁度良かった。このくらいの時間が、私の私が1番活き活きする。ああ、何度これを耐え抜いてきたのだろうか。だけど、今日はもう惨めに耐え忍ぶ必要は無い!哀れな一匹の愛犬が、私の劣情を受け止めてくれるから。
小さく、愛犬の部屋のドアをノックする。
「アメリカ、起きてます?」
「ん、なんだ親父。こんな夜遅くに…ふぁ」
眠そうに返事をするアメリカ。申し訳ないが、貴方の安らかに眠る時間は私の欲望を受け止めて喘ぐ時間に変わってしまう。本当に申し訳ない…笑ってしまいそうだ。
「ちょっと大事な話があるんです。部屋に入りますよ。」
「ん、ん〜ど〜ぞ」
なるべく音を立てないようにして、部屋の隅にあった、飛ばされたであろうオフィスチェアに座り込む。そして、相変わってしっかりとした顔つきになってベッドに座ったアメリカを、厳しい目つきで睨みつける。一瞬アメリカがびくついた。
「あなた、ロシアから被害を受けているウクライナのことを“自業自得な餓鬼”だと中傷したんですって?」
「…は?何言って」
「ウクライナは酷く傷ついたそうですよ。彼女は受け止めて隠していますが、これが拡がったらどうなると思います?」
「待ってくれ、俺はそんなこと言ってないぞ!そんなの嘘に決まってる!」
「静かにしてください。ウクライナを起こしてしまうでしょう、これ以上騒ぎを大きくしたいんですか?」
「何が、言いたいんだよ。」
「拡めない代わりに、私のお願いを聞いてください。」
「何だよ、お願いって…」
「私とえっちしてください。」
苦悶の表情から一転、アメリカは思考を停止させて顔を歪めている。聞き間違いではないのかと、己の耳を疑っているのだろう。だが、いくら思考を整理しても言ったことはそれだけだ。
「ほら、早くやりますよ。バラされたいんですか。」
「え?いやごめん、もう一回」
「うるさいですよ、早く始めましょう」
そう言って私がズボンを脱ごうとすると、彼もようやく分かったようでファスナーを下ろした。急に、背筋がゾクッとした。何せ何百年ぶりの行為なのだから。溜め込んできたものを、今ここで全て吐き出そう。ずっと疼いていたものが、ズボンを脱いだせいで露出され、余計うずうずしている。何度がヤッた相手とはいえ、さすがにそれを見せるのは恥ずかしくて、くるりと後ろを向く。少しだけ自分の手で鎮めようとした時。
ズぷっ
「ひあぁっ!?」
急に尻の辺りに違和感が走り、鎮めるのはそっちのけでアメリカの方を見た。
「なっ、何してるんですか!!」
すると、アメリカはきょとんとして答える。
「何って…ヤるんだろ?解さなくて良いのか?」
何と、私とアメリカの間では大きな解釈違いが起きていた。私は尻で感じるほど雌ではない。だから申し訳ないがアメリカに下になってもらわなければならないのだ。
「あなたがヤられる側ですよ!馬鹿なんですか!」
顔を真っ赤にして罵る私に、アメリカはふっと笑って言った。
「“貴方、行為をするだけのためにアメリカに全くの嘘を持ちかけて脅したんですって?”」
「…なっ、貴方っ、何言って」
「俺はすごく傷ついたぞ。まだ他の誰も知らないが、これが拡まったらどうなると思う?」
「嘘なんかじゃっ!!」
「おいおい、ウクライナが起きちまうぞ。これ以上騒ぎを大きくしたいのか?」
「っ…」
アメリカはしてやったり、という風に満足げに微笑んで悦に浸っている。しまった、その言葉だけが私の心を支配していた。失敗した時特有の、脳を冷や汗が流れる感覚。これは、息子たちが行ってしまっときと同じだ。どうしよう、どうしようと思うけど何もできない。ただ黙ることしか。
「何が、したいんですか。」
「“俺とえっちしてくれ。”」
「はっ…」
「俺、ずっと親父とヤりてえなって思ってたんだぜ。けど、親父プライド高いだろ?絶対下になってくれねーじゃん。弱みを握ろうと付け回してたら、自分から飛び込んできてくれたってわけ。まあ、あのときに持ちかけても良かったけどな。」
「ぅぐ…」
大失敗だった。何もうまくなど行っていなかった。それどころか、全てアメリカの思惑通り。哀れな犬は私の方だったのかもしれない。こうなってしまった以上、どうすることもできないけれど。アメリカのことを気持ち悪いと思わないのは、私も同じことを考えていたからだろうか。勿論嫌だ、嫌だけれど、国際的に死ぬかよりは100倍マシだ。下も、ヤってみれば案外良いかも知れない。いや、良いことに賭けよう。
「何も言わねえってことは良いってことだよな?」
「…」
「はいはい、始めるぞ〜」
ムードもへったくれもない始め方に、私は少々苛ついた。どうせするなら、もっと良さげなスパダリ感を出してくれないか。いや、脅してやっている時点で出来っこないか。それはお互い様だけれど。
「ひぃぐッッ!?」
「はは、sorry」
急に指で突かれたせいで、解しが意味を為さず私を苦しめた。やはり、これで感じることなどできない。ただ腹が圧迫されるだけではないか。けど、少しだけ気持ちが良かったような…いや、私にそんな変態性は無い…筈だ。
ここで書く気が失せました。供養としてちょっとだけ載せておきます。
書きたくなったらしれっと追加します。
コメント
8件
う腐腐…こう言うのも良いですね
癖が…増えちまったよ 嬉しいぜ(◜¬◝ )
ぐへへ…ごちになります。アメイギ大好き