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「だから、翔太が悪いんでしょ?」
「何で、そうなるんだよ…」
「だって、康二と一緒に座ってるから…」
「アイツが隣に座って来たの!俺の方が、先に居たって…何度説明したら分かるんだ?」
岩本と渡辺が、喧嘩をしている…
それも、楽屋の真ん中で
「おい2人共…何も、ここで急に始めなくても…」
「ほらほら翔太も、熱くなるなよ…」
深澤と宮舘が間に入って諌めるが
2人は全く聞く耳を持たない
「2人共、何やってるの?」
2人の関係を、全く知らない阿部が来て
気まずくなって別の場所へ…
渡辺は、目黒と一緒に飲み物を買いに
岩本は、向井に一言…言いに行った
「なぁ康二…。アソコは俺の席だから…」
岩本が言うと、向井が振り向く
「ごめん。照兄…場所取ってた?」
阿部と同じく、事情を知らない向井が素直に謝って…
「いや…あの…それは…」
岩本は、二の句が継げなくなってしまう
「ほらほら、康二も気にしない…」
【大丈夫だから】と、深澤が言い
向井を優しく慰めた
「翔太の隣に康二が座っただけだろ?」
宮舘が、呆れた顔で話し掛け
「だって…翔太の隣は、俺のだし…」
「あのなぁ照…。お前、独占欲強すぎだろ…」
深澤も、いつもの事だと…ため息を吐く
「それは、自分でも分かってる」
嫉妬深いのは百も承知で…
最初は我慢しようと努力するが
やっぱり最後は募り募って、暴発してしまう
『俺は、翔太が好きなだけ…』
なのに、当の本人が…それを絶対、良しとせず
目黒の一件もあり…嫉妬は程々にしないと、嫌われる
「はぁ…」
分かっているのに、それが出来ない…
気にしない様に、すればする程気になって…
ついつい余計な事をしてしまう
今日も、翔太の方が先に来て…
向井が後から隣に来たと、聞いていたのに
自分抜きで、楽しく笑う翔太の声に…我慢出来ずに言ってしまった
「はぁ…」
2度目のため息を吐き、岩本が落ち込んでいる間に
戻って来た渡辺は、荷物を持って次の現場に向かってしまった
この後は、個人仕事が続く為…
これで、この先しばらくは…仕事で、翔太に会えなくなった
『何やってんだ、俺…』
岩本は頭を抱えて座り込み
「あっ…やばい…」
明日に迫るクリスマスイブに、全く予定が無いと今更…気付いた