テラーノベル
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リハーサルを終え、みんなが控室に戻った夜。
電気が急に消え、部屋は真っ暗になった。
「…いや…!怖い…!」
最年少のラウールの声が震え、胸が苦しくなる。暗闇恐怖症の彼にとって、光のない空間はまるで出口のない迷路のようだった。
手足をばたつかせ、小さな声でパニックを起こす。
「落ち着いて、ラウ!」
周りのメンバーが声をかけても、暗闇に包まれた瞬間、言葉は届かない。
その時、目黒がすっと膝をつき、ラウールを抱きしめた。
「大丈夫だよ、俺がいるから。絶対一人じゃない」
ラウールは小さく声をあげて震える。
「暗い…出られない…怖い…!」
目黒は顔を近づけ、優しく囁く。
「俺の腕の中にいるって思えばいい。怖くても、泣いてもいい。離さないから」
ゆっくりと抱きしめられるうち、少しずつ呼吸が落ち着き、震えが弱まる。
「…めめ…離さないで…」
「もちろんだ。ずっとそばにいる」
電気が復旧するまで、目黒はただ抱きしめ続けた。暗闇の恐怖から守るのはもちろん、心まで温めるように。
電気が戻り、控室が明るくなると、ラウールはまだ小さな手を目黒の腕に絡めて離さなかった。
「めめがいてくれてよかった…」
目黒は微笑みながら、頭を撫でる。
「これからも、暗い場所でも閉じ込められても、俺が守るから。約束だ」
その夜、ラウールは初めて心から安心できる気持ちを感じ、目黒の腕の中で静かに眠った。
暗闇はもう、怖いものじゃなく、目黒と一緒なら少しだけ優しいものになった。
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