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10分間の漫才。
私はいつの間にか、自分が大手代理店のリーダーだなんてことも、貯金が三桁しかないことも忘れて、お腹を抱えて笑っていた。
ステージの上の光は、アパートで見るよりずっと大きく見えた。
滑っても、野次を飛ばされても、あいつは止まらない。
自分の「ボロ」をさらけ出して、それを最高の笑いに変えていく。
(……かっこいいじゃん)
誰にも弱みを見せられない私にとって、自分のダメなところを武器に戦う光の姿は、あまりにも眩しかった。
「完璧」であることにしがみついていた自分の鎧が、笑い声と一緒にボロボロと崩れ落ちていく感覚がした。