コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それでは…
開始…!
目の前の門が開き、中くらいの怪物がこっちに向かってくる
「あ〜…もう!」
「こんなつもりじゃなかったのに!!!」
「…ついに今年もこの時期が来たかぁ〜…」
「才能検査…」
学校の休み時間、らっだあはそう愚痴をこぼした
「やだな〜…ぺんちゃんは?」
「そりゃやだよ、怪物と戦いたくないし、」
「……検査痛いし…」
「分かる、もっと簡単にできないのかって思うわ」
この国は、この時期、空から怪物が落ちてくる
人型、異獣、異型、時には悪魔なんかも降りてくる、
それらを全部ひっくるめて異形生物と言う
そんな奴らを駆除するために生まれたのが、
異形生物駆除組織…略してisk
近頃は異形生物が多くなり、人手が足りないらしく
15〜28歳の間、1年に1回、iskによる、選抜検査を行う
この学校では、去年5人ほどの生徒が選ばれた
「しにがみ…」
その一人がしにがみだった、
あいつは元気にやっているだろうか…
「あっ!ほら、そろそろぺいんとの番だよ〜」
「あ〜、ありがと、行ってくるわ」
「ん、いってら〜」
らっだあに手を振って教室から出た、
「検査は〜…保健室か、」
ガラガラ…
「失礼します」
「はい、そこに座ってね」
言われたとおり、示された椅子に座る
検査はisk社員と、対象者で行う、至極簡単な検査だ、
「ちょっと痛いかも、頑張ってね」
「…はい」
鋭い爪楊枝のようなもので手首を刺す
「…ッ」
血が手首から垂れている、何回やってもこの感覚は慣れない、手首から垂れた血をすくさま回収する、
そして正方形の紙の上に一滴垂らす
「ありがとうございました、検査は終了です」
「結果はまた放課後に報告します」
「…はい」
保健室を出る、教室に戻って、らっだあと喋っていた
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
授業終わりのチャイムが鳴る、帰りの支度をしていた
「ねぇぺいんと〜」
「なに?」
「今日一緒に帰ろ〜」
「いいよ!」
らっだあと、そんな他愛もない会話をしていた
ガラガラ
教室のドアが開き、先生が俺を呼んでいた
「ごめんらっだあ、ちょっと待ってて」
「あ〜、うん」
俺はらっだあにそう言って教室を出た
先生は人気のない空き教室に俺を案内した
「検査のことなんだけど…」
「えっ…」
「おめでとう、試験紙が反応していた」
「…あの…それって」
「明日からiskの一員ってことだね」
「はっ…?」
今俺は弾が入ったピストル一丁を持って異形生物と戦っている
バン!
発砲音が響く、かなりうるさい
「うわっ!」
異形生物の攻撃を避ける、が…頬に痛みの感覚がある
「はあっ…はぁ…」
息が切れてきた、体力の限界が近い気がする
「…ッもう!」
一気に3発ぐらい弾を撃つ、やっと1体異形が倒れた
「ギギッ…」
「…!」
異形は意識を持っていない、ゾンビのようなものと聞かされていた
「ギュグキュ…」
鳴いているように聞こえる、痛みに苦しんでいるように見える
「…はっ」
気づけば俺は異形に囲まれていた、
「くそッ…」
銃を撃つ、異形は少し倒れ込むが、すぐ起き上がってくる
バン!バン!……
「…?」
カチッカチッ…
カチッカチッカチッカチッカチッ
「弾切れ…?」
…嘘だと思いたかった、夢だと思いたかった
もうすぐ目の前に異形がいて、こっちに攻撃を仕掛けてくる、
「痛い…」
こっちに爪のようなもので引っ掻いてくるものもいれば、触手のようなもので足を掴んでくるものもいる
「やめろよッ…!」
触手を振りほどこうとするが、力が強くて逃げられない
涙が出てきそうだった、慰めてくれる人もいなければ、
手を引いてくれる人もいないのに
「このッ…!離れろッ!」
弾が切れた銃で触手を殴る
「ァキュ…ギュ」
触手が引く、その隙にダッシュで走る、
「はぁっ…ゲホッはぁっ…」
中型の異形の輪の隙間から逃げる、
「…ハアッ…ハアッ」
気づけば肩からも血が出ている、痛い、痛い、痛い…
「走れッ…俺!」
「…あっ」
そこには…
視界がブラックアウトする、暗い、痛い、冷たい、
「ガキュ…キャウ」
うめきごえがきこえる……
「……こんなんで…しにたくなかったなぁ…」