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1 - 戦闘シーン練習(四神編)

2025年02月23日

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時は平安・京………

夜中・おおよそ丑の刻に夜風をついて、紅い髪と紅い眼、そして紅色の翼を生やした少年が1人、自身の背丈を悠に超えている紅色の「大鎌」を手に走っていた。

少年は京を護る安倍晴明の式神・「十二天将」および「四神」の1人、名は「朱雀」。炎と風を自在に操り、本来の姿は鳥型の神獣である。

朱「ちぇっ!ちょっと待ってよぉっ!」

朱雀は家々の屋根を飛び継ぎ、一つ目の大きな鬼の首を追う。霧散した百鬼夜行の1つであり、放っておくと人の魂や肉を喰らいかねない。

?「朱雀!気をつけて!彼処の隙間から百鬼夜行の気配がします!!」

朱雀と並んで走っていた、青色の髪をした朱雀よりも少し背丈の高い少女が、翠色の太刀を片手に高らかに叫んだ。

朱「?!うそ?!うぁっ!!」

家の影からぬらりと現れたソレは「ぬらりひょん」という妖怪であった。朱雀は反射的に後ろに飛び退き、大鎌…【焔月】を構えた。

朱「やぁっ!」

と叫んで、朱雀が焔月を横一文字に振り回すと、ぬらりひょんは嗚咽に近い声を出し、腹あたりから真っ二つにされ、燃えて消えていった。

朱「ありがと!青姉様!」

青「いえ!」

少女は朱雀が無事だったことを確認し、嬉しそうな顔をした。彼女の名は「青龍」。朱雀の姉であり、四神の1人である。そして彼女は手に持つ【翡翠剣】を地面に突き刺した。

直後、地面からツタのようなモノが生え、一つ目の鬼を拘束した。

青「朱雀!」

朱「うんっ!」

青龍は朱雀に合図し、朱雀は翼を羽ばたかせて空高く舞った。

朱「やっ!」

朱雀は十字型に焔月を振るわせ、炎の斬撃が鬼を穿った。

朱「ありがと青姉様!助けてくれて」

青「いいのよ朱雀!………というか」

犬か虎かの叫び声がしたかと思うと、ひときわ大きい三つ目の鬼が姿を現した。

青「まだ、終わってないみたいですしね」

朱「だね…!」

朱雀と青龍が各々の神器を構えた…その時

?「2人とも!頭を下げなさいッ!!」

大きな、女性の声が響き渡る。咄嗟に2人は頭を下げ、その瞬間、岩の欠片のようなものが、斬撃によって飛ばされてきた。その欠片は鬼に刺さり、更には爆発した。

?「2人とも大丈夫?」

朱&青「玄姉様!/姉様!」

2人は、茶髪で背丈が2人よりも高い女性にそう叫んだ。彼女の名は「玄武」。言わずもがな彼女も四神の1人であり、朱雀と青龍の姉である。彼女が扱う神器は【亀甲鉞】という自身と同じ位の大きさの鉞である。

玄「ま、ともかくこれでお開きかしらね」

?「そうみたいだね!」

隣の家の屋根に居た、白髪で背丈が1番高い青年が、【雷轟弩】という弩を片手に言った。彼の名は「白虎」。彼も四神であり、3人の一番上の兄である。

…と、その時

青「ッ待って!まだ気配が…!」

青龍のその言葉と共に、尻尾が3本ある犬が、鋭い牙を玄武の心の臓に立てようと迫ってきた。玄武は亀甲鉞を振る余裕がなかった

玄「ッ!!」

朱「ッ玄姉様ッ!!」

朱雀はそう叫んだが、間に合いそうもない…その時だった

白虎が屋根から飛び移り、玄武を抱えた。そのまま犬は、白虎の腕に噛みついた。

白「ッッ!!」

白虎は嗚咽を噛み殺し、雷轟弩を犬に向け、矢を放つ。矢は犬に刺さり、其処には雷が落ち、気付けば犬は跡形もなく消えていた。

玄「ッ!兄さん…!その傷……!」

白「う…大、丈夫…だよ…僕は」

玄武を離し、傷口を手で押さえて言った。

青「…兄様、傷がかなり深いです。おはやく屋敷に戻り、六合殿に治癒を」

白「…うん、分かっ、てるよ……」

玄「……ごめん兄さん……私の所為で……」

玄武が哀しそうな顔をして、白虎に言った。白虎は苦しそうな顔で笑い

白「大丈夫、玄武の所為じゃ、無いよ」

朱「はやく行こうよ!」

朱雀は3人を急かすように言った。

青「そうね」

青龍は手を上に上げ、直後、青龍の姿が青色の龍の姿に変化した。

青「乗ってください!晴明様のお屋敷まで参りますよ!」

青龍が言うと、3人は龍に乗り、都を後にした。

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