鋼谷は、組織からの追放の知らせを受けてから数日間、心の整理がつかなかった。彼の手の中で温かさを失ったゴーストバスターのバッジは、かつての仲間たちとの絆を象徴するものであり、彼が一生懸命に守ってきた信念の証だった。しかし、今はその意味が薄れていくように感じられた。
だが、彼は自分を責め続けることはできなかった。追放された理由は、彼にあった。人を救うために、政治家を葬るという選択肢が正義なのか。疑念が渦巻く中、鋼谷は決意を固めた。彼は自らの道を歩むことにしたのだ。
そんな時、鋼谷の耳に入ったのは、彼の追放に関しての噂だった。彼の上司である高村が、組織内部で反発の動きを見せているという。高村は、鋼谷の行動を支持し、組織の方針に疑問を持っているメンバーを集め、密かに謀反を企てているというのだ。
「これはチャンスかもしれない…」鋼谷は自分の心の中で希望の光を見出した。彼は高村に会うことを決意した。ゴーストバスターの仲間を取り戻し、彼の信じる正義を貫くために。
数日後、鋼谷は密かに指定された場所へ向かった。薄暗い路地裏に立つ一軒の廃ビル。高村の目を引くには、この場所が適していると感じた。静寂を破るようにドアをノックする。
しばらくして、扉が開かれた。高村の顔が見えた。彼は驚きと安堵の表情を浮かべていた。「鋼谷、無事だったか。お前が来るとは思わなかった。」
「高村さん、あなたがここで何をしているのか知りたくて。」鋼谷は言った。
高村はため息をつき、内部に鋼谷を招き入れた。「ここでは秘密裏に集まっている。最近、組織の方針に対する不満が高まっている。特に、あなたの件を見ている者も少なくない。私たちは、組織の腐敗を正すために動こうとしている。」
「腐敗?」鋼谷は眉をひそめた。「それはどういう意味だ?」
「この組織は、もはや悪化の一途を辿っている。自らの利益のために無実の者を犠牲にする。私たちはその流れを止めなければならない。」高村の目は強い意志を宿していた。
「それなら、私も手伝う。もう一度、組織を正しい方向に導くために戦いたい。」鋼谷は心に火がついた。
「良い決断だ。これからは厳しいが、共に立ち向かおう。今こそ、始める時だ。」高村は鋼谷の肩を叩き、二人の絆を再確認した。
鋼谷は決意を新たにした。彼はもう一度、仲間たちと共に立ち上がり、真の正義を取り戻すために、運命を変える戦いに挑むのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!