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猫さん蟹さん。

5 - #2 花信風

♥

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2022年03月06日

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⚠学パロ

ーーー
















そんなに優しくするなよ。






俺がお前に振り向いちゃいけないんだから。








何度も桃色の壁を壊そうとしないでよ。
















────────────


525




日差しが眩しい今日。俺は勢いに任せて叫んだ。












「レートさん。」





「何」






「好きです!」







「ありがと。無理。」







「クッッッソ」










俺達は友達としてだけど、あの後からとても仲良くしていた。


結構相性いいみたいなんだけどなぁ。










────────




74














「ご飯食べんの?」



「……悪い?」





凄く不快そうな顔をして睨んでくる。






「一緒に食べた方が旨いよ?」





「…………………で?」





「なので俺と一緒に食べましょう。ありがたく思えよ。」





「感謝するか、馬鹿だろお前。」




レトさんは、顔こそはあまり笑っていないが、ふっと鼻で微かに笑って眉尻を緩く下げていた。




「好き」




「うん、ありがと。無理。」






今回はにっこりと笑いながら答えられた。



だが、にっこりと言っても好意が滲み出ているものではなく「諦めろ」とでも言いたげな笑顔だった。






「はぁ…」




予想通りといったらそうだが、もしかしたらという思いは何処かに残っていた。


















──────────




1118







肌寒くなり、俺はぶるっと身震いする。


レトさんも寒いのかもこもこと着込んでいる。


まるで人形のようで思わず吹き出してしまった。








「熊かよ」





ギリギリ笑わない様に堪えながら聞く。








「は?」




「完全防備なだけですけどー?」







俺を一回睨む。その後、前へと視線を戻して口を尖らせながらぼそぼそと喋っていた。







うーん…。


ずるい。









「やっぱ、好きだわ。」





声が自然と出てしまう。







「あっそ。」








レトさんは何も気にしていないかのように応えた。







その時のレトさんの目が伏し目がちになっていた。


それと同時に、彼の耳が少し赤くなった様な気がした。








気のせい…なのかな。











──────────






129









俺は何度も何度も告白した。


だけど彼は一度も振り向いてはくれなかった。







「…どうしよ。」





ふわりと積もった雪に話しかける。


話しかけられた瞬間にその雪は「そんなことどうでもいい。」と言いたげに溶けていった。









「………けどなぁ…。」






ひたすらに飽きなかった。




彼に告白するとき、彼はいつも違う顔を見せてくれる。


言葉は同じでも表情によく出ている。









その毎回違った反応に俺のこの気持ちは、更に花が開いていったんだ。


胸が高鳴るんだ。














でも、でも……












彼は受け入れてはくれない。


同性だから?最初に変に告白したから?
























レトさん、教えてよ。

























けれど、その事をもし聞いたら君はゆるりと質問を濁して話をすり替えるだろう。

















なんで、なんでなの。こんなに俺は本気なのに。


























………てか…全部冗談だと思われている?


















考えてみれば………うん…それなら辻褄があう。









気がついてないんだ。

























そう思いながら、一人静かな放課後の廊下を歩く。

























「キヨ君」




































俺はその聞き覚えのある声に振り返る。


鼻声が酷い声だ。











「え、なんで…レトさんが?」





「こっちこそ聞きたい。俺は部活。」






「あ、そっか。」
















せめて、帰る前に顔でも見ておこう。






そう思い、顔を見る。









タイミングが良いか悪いかは分からんが目が合ってしまった。















相手は何も考えていない。いつも通りのばか面だ。















その顔に俺の好意をハッキリと信じている様子など、一切感じられなかった。




















学校が、閉まる5分前のチャイムが鳴る。






























俺は小さく口を開いて無意識に呟いていた。























































「…俺は結構本気で、レトさんのこと好きなんだけどなぁ。」

















































ちょうど鳴り終わったチャイムが


その音に掻き消された俺の言葉を嘲笑うかの様に


廊下に反響した。




























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