自分の子供の頃のアルバムを見ると思う。
確かに私はしっかりと愛情を受けていたはずなんだと。
母に沐浴をされている赤子の頃の私。
初めての掴まり立ちに喜ぶ母とおばあちゃん。
某有名テーマパークで母に抱きしめられながら笑顔で写る写真。
美しいチューリップが咲き乱れる中で写る私と母。
2人目の父とお風呂に笑顔で入っている写真。
写真の中ならこんなにも幸せと愛情で溢れているのに。
なぜ心はこんなにも満たされず7歳の頃で止まってしまっているのか。
この動かない静止画であるアルバム達は私にリアルを与えない。
それはまるで他人の幸せな風景を傍観してるかのようだ。
静かに厚みのある私の歴史を閉じ、物置にしまう。
私のリアルは平凡で時々笑いのある普通の家庭のように見えるが、
私の心の中は7歳の自分にいつまでも囚われ、時の経過に戸惑いを隠せずにいる。
「もう26歳・・・」
ポツリと呟き、大きな溜息をついた。
そして今日も私は自分の年齢に納得しないまま生きる。
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