ガチャ
ドアを開けた瞬間。北海道の涼しい風が頬を撫でる。
『今日でこことお別れなんやなぁ…』
正直言ってかなり寂しい。
ここの空気、風景…全てが理想の場所だ。
「またこようよ。二人で。」
キヨくんはそういうと俺の手を握りしめる。
『…せやな笑』
急に手を繋がれたから、少し戸惑ってしまった。
キヨくんはいつもどうり笑顔だ。
『ねぇ、飛行機出発までまだ時間あるよ。』
「んーそうだなぁ…公園いく?」
『公園?』
「そう!ブランコがあるんだけど、久しぶりに乗りたいなぁって。」
『いいけどさ、いつまでたってもガキだな笑』
「ガキなのはあたりめぇだろ!まだ高3だぞ?」
『それでガキはきちぃな』
「えー?そう?」
ガキみたいな話をして
何もない道を二人で歩く。
「俺ら、青春してるな笑」
『確かに笑』
キヨくんは鼻歌を歌いながら体を弾ませる。
「よし、ついた。」
田舎だからだろうか。
ブランコが一つだけポツンとおいてあり、その他は何もなかった。
『田舎ってすごいな』
「そうか?」
「とりあえず、レトさんも乗れよ!」
少し錆びているブランコ。少しこぐだけで涼しい風がふわっとくる。
「また来たとき、ここのブランコものりたいな。」
キヨくんが小さく呟いた。
『…そやね。』
風と共に流されていく一粒の涙。
悲しくて、寂しくて…。表現できないような涙だった。
「レトさん。大好き。」
『…俺も。』
返答した瞬間キヨくんは真っ先に俺のところに来た。
俺はストンと手を落とす。
そのまま俺らは、誰もいない静かな公園で、
キスを交わした。
コメント
4件
お塩ちゃん天才すぎるでしょ( ᐛ👐 )最近見れてなかったから嬉しい💪(^q^💪)
初コメ失礼します!!! なんか、もうずっっっと感動してました😭✨涙腺ボロボロ、、最高でした!!お疲れ様です!!(*´艸`*)
やっと最終回いけた。 新連載もうかいてるので、そっちもよろ。 確か、おとついあげました!!