千嘉「それで華を咲かせて世界を変えようと?」
おじさん「あぁ!そうさ!だから千嘉ちゃん!君からその子にも言ってくれ」
千嘉「……歌葉は?」
おじさんの気持ちもわかるし…歌葉にも消えてほしくない
けれど願いは片方しか叶えられない。
歌葉「華とは別に私が願いを聞くなら千嘉のお願いを叶えてあげたいな」
千嘉「私の願いはこれからも歌葉の側にいることだよ!だからお願い!おじさんを一緒に説得しようよ!」
すると歌葉は首を横に振り笑顔で口を開く。
歌葉「私…千嘉の本当の願い知ってる…双子の妹に会いたいんだよね…その願い叶えてあげたい」
千嘉「そんなのどうでもいいの!私は歌葉がいたら何でもいいの!歌葉がいないと私……」
あなたがいない世界なんてーー
おじさん「…………」
千嘉「本当はいないの!双子の妹なんて!私にはお父さんとお母さんと兄しかいないの!だから歌葉と一緒にいたいっていうのが私の願いだよ!」
歌葉「どうしてそんな嘘を?」
それはーー
千嘉「ずっと1人だと思ってたから…だからもし双子の妹がいたら私のこと理解してくれるそう思ったの」
1人でいるなんて耐えられない。
人が生きる上で一番辛いのはーー
千嘉「孤独なのが嫌でそんな風に現実から逃げていたの…でもね…歌葉が来てくれたから」
あなたが友達になってくれたからーー
だから私は決めたんだ。
千嘉「おじさん……あなたのしたことは決して許されないと思います…でも見逃してあげます!」
男「な、何故ですか?許されない過ちをしたのですよ?」
千嘉「でも…私たちを騙しただけですよね?それは過去のことだってしてこれから全うに生きてくれるならそれでいいよ!」
はっきりとした善と悪はわからないし。
千嘉「それにおじさんの星の話楽しくて大好きだし!またたくさん聞かせてよ!約束だからね!」
そう言っておじさんの手を強く握る。
おじさんが声をかけてくれたお陰で本当の自分に気づけた。
千嘉「おじさん!来年の流星祭一緒に行こうよ!私と歌葉とおじさんで!」
おじさん「え?」
千嘉「それで願うの!おじさんのような思いをする人を1人でも減らしてくださいって!ね?それなら願うことできるでしょ?」
華が咲かなくても方法を試すだけならいくらでもある。
それにそんなものに願うより言葉よりもまずは行動してみる方が絶対にいい。
その場で立ち止まってるわけにはいかないから。
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千嘉「……これでよかったんだよね?」
その華は研究の対象として観測部隊流星の人たちが持って帰り私たちも帰路を辿っていた。
千嘉「歌葉…嘘ついてごめんね?でも本当に双子の妹がいるのなら歌葉に会ってほしかったのもあるしやっぱり願いはあなたの側にいることだよ!」
歌葉「それにしても…盗賊の人たちを見逃すなんて…千嘉らしいけど…何かあったら責任とれるの?」
千嘉「あー!それはすっかり忘れてた!もう無我夢中で説得しちゃってたから!どうしよう~!歌葉~」
歌葉「大袈裟だし冗談よ?でも叔父と叔母がいないときでよかった…」
彼女の話によると2人は温泉のペアチケットが当たり温泉旅行に行ったらしい。
千嘉「だねー……いたら捜索願い出されてるところだよね…ニュースになっちゃってたかもだし」
歌葉「そう考えるとゾッとするわよね…なんか本当に怖くなってきた…」
千嘉「ねぇ!この後新しくできたカフェ行かない?誕生日もうすぐだったよね?どうせなら2人でお祝いしたいし!もちろんおごるから!」
歌葉「私、カフェ行くの初めて!一度行ってみたかった場所なの!」
千嘉「私もほぼ初めて!その後さ本屋さん行こうよ!私たちが話した原点の小説あるか見てみない?」
歌葉「いいね!ワクワクしてきた!」
千嘉「よし!まずは新オープンのカフェにレッツゴー! 」
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『1000年に一度特別な流れ星が流れるんだって』
この町に伝わる少し不思議な昔話の存在。
星のような黄色い髪に夜空のような青い瞳。
けれど何の特別でもない私たちと変わらない人間である。
特別なんて言葉で一括りしてはもったいないと思う。
使い勝手のいい言葉で表すなんてもったいないよ!
もっと色々と考えてみよう?
そうすれば素敵な言葉がキラキラしてきていつか一番星みたいになるから!
流れ星が産み落とした命は私にとってはかけがえのない親友だーー。
~完~
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