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『…はい、?』
「好きだわ、お前のこと。」
『…はいっ!?』
頭が追いつかない。
今までは私がずっと追いかけてて、先生は何をしても 教師と生徒だから って言ってきたのに
もう、むやみに突き放さないでよ。
期待、させないでよ。
・
『……』
「好きだから、今日迎えくるわ。」
「その時な、応え。」
『…わかりました』
それだけ言って、先生は片手を上げ、口角もあげ、車で去っていった。
今までもカッコよく見えていた先生が、一段とかっこよく見えてしまったのは、
なんの魔法のせいなの。
・
おかげで、今日の一日は何も手につかなかった。
おまけに、お皿も割っちゃったし。
午後6時。
ピロン。
先生から一通のLINEがきた。
「何時終わりなの?」
そーいえば教えてなかった。
『今、ちょうど終わりましたよ』
「え、マジか。」
「俺まだなんよ」
先生は、教師 で忙しいみたい。
そりゃあそうなの。先生は今、高校三年生の担任だもん。
受験生の担任だから。
ほんとは、今日会いたかった。
先生が、返事はあとで、って言ってくれたから考えて、やっと決まった。
なのに…
『大丈夫です。』
『日曜日にしますか』
「ほんとごめんな。」
また、ちょっとでも期待してしまった私が馬鹿みたい。
でも、前と少し違うことはあるんだ。
だから、大丈夫。
コメント
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すきだったの!?🤭🫶🏻