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――翌朝。
心地好い目覚めだった。目を開けた其処には、ユキちゃんのあどけない姿が。
昨夜の事は夢ではなかったみたい。
“可愛い”
乳首を咥えたまま眠るユキちゃんを見て、私は改めてそう思う。
天使が本当に存在するのなら、それは正にユキちゃんの事だ。
もう全てが愛しい。
そろそろ起きないと、二人揃って学校に遅刻しかねないが、私はもう少しこのままでいたかった。
何より、こんなに可愛い寝息を立てているユキちゃんを起こすのは気が引ける。
「ん……」
あっ、ユキちゃんが目を覚ましてしまった。
少し残念だったけど――
「おはようユキちゃん」
愛しい弟に“家族”として掛ける、何時もの朝の挨拶。
私は何があっても、何時も通り振る舞う事を心に誓っていた。
でもユキちゃんは起きたばかりなのか状況が掴めず、その綺麗で愛らしい瞳をキョロキョロとさせている。
勿論それは私の胸がはだけ、乳首を口に含んでいる事に対してだろう。
「――わぁぁっ!」
暫しの呆然の後、飛び退くようにユキちゃんが私の乳首から口を離していた。
そしてユキちゃんは、まるで土下座するように平伏し――
「ごめんなさい! お姉ちゃんごめんなさ~い!」
朝の挨拶も忘れて、ひたすらに謝っていた。
「ちょっ……ちょっとユキちゃん……」
やっぱりだ。やっぱりユキちゃんは呵責を感じていた。
「ごめんなさいごめんなさい――」
どうして謝る必要が有るの?
ユキちゃんは苦しかっただけなのに、また苦しんでいる。
「ユキちゃん……」
いたたまれなくなった私は、ユキちゃんをそっと抱き寄せた。
「うぅ……」
その瞳には、溢れんばかりの涙。
「お姉ちゃん……怒ってないよ? 私がユキちゃんを怒る訳無いじゃない……」
「でも……でもっ!」
なるべく優しく、穏やかに。ユキちゃんはとても傷付きやすいから。
「苦しかったら、何時でもお姉ちゃんに言う事。いい?」
ユキちゃんが望む事だったら、私は何でもしてあげたい。
ユキちゃんには笑顔が似合うから。悲しむ顔は見たくないから――
「あっ……」
だから私はユキちゃんを引き寄せ、その唇にそっと私の唇と合わせる。
今度は絶対に、私からするって決めていた。
きっとこれがお互い、本当の意味の――ファーストキス。
「ん……」
私はユキちゃんの舌に、自分の舌と絡める。ユキちゃんもそれに応えてくれた。
ユキちゃんの温かい舌の感触。その全てが愛しい。
名残惜しいけど、しばらく絡め合った後、私から口を離していた。
「お姉ちゃん……これって?」
ユキちゃんは私の突然の行為に、戸惑いながらも瞳を潤ませている。
それは驚いていると言うよりは、気恥ずかしさなのか――だから早く、ユキちゃんを安心させてあげなきゃいけない。
「これはね、お姉ちゃんがユキちゃんを大好きだって言う証だよ」
その気持ちに、ユキちゃんは気付いてくれるだろうか?
ユキちゃんは呆然としていた。
「ユキちゃんは、お姉ちゃんの事……嫌い?」
試すような物言いは、不安だったから。
ユキちゃんに拒絶されたら、きっと私は生きていけない。
「僕も……僕もお姉ちゃん大好き」
充分過ぎる程、嬉しい想いを応えてくれると、ユキちゃんはまた泣き出した。
好きだからこそ苦しい。愛してるからこそ呵責が蝕む。それは私も同じ。
「もう泣かないの。私はユキちゃんが世界で一番好きだから……ね?」
「うぅ……お姉ちゃ~ん!」
私はもう一度、愛しい弟をきつく抱き寄せ、深く長く口づけを交わす。
この絆は絶対に引き離せない――と。