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僕は今屋上にいる
屋上から見える景色はとても綺麗だ
今日は天気がいい
「やけに暑いな…」
顔からにじみ出た汗が首筋を通る
ぬぐってもぬぐってもこの暑さのしたにいる限り
永遠に終わらないだろう……
「雪斗君?」
聞きなれた声が僕を現実に引き戻してくれる
「リリィ?」
彼女は僕の幼馴染みでいつも一緒にいてくれる唯一の心を許せる人だ。
「またここに来てたんだね」
「ここが一番落ち着くからさ」
彼女は少し黙ったあと
「またされたの?」と
いつものごとく聞いてきた
僕はいじめられている
とある陽キャ軍団から陰湿ないじめをされている。
彼女はそのことをしっている。
しっているからこそ
僕のそばにいつもいてくれる
何かあったら彼女が僕より先に前に出て
いじめから守ってくれる。
僕は守られてばっかだ
そんな僕を見ていると惨めでとことん弱いということが実感できる。
僕は……僕はいつも守ってくれている、そんなリリィのことが好きなのかもしれない……
「蝉が五月蝿いね」
リリィは景色を見ながら呟いた。
彼女を見ると少し涙目になっていた…
僕はそんな彼女を見ていられなかった
だから手を引いて購買に向かった。
「(いつも守ってくれているんだからお礼の一つはしないといけないんだ…)」
「えっ?」
リリィはぽかんとした表情を見せる。
僕は二人分のアイスを買い、片方を彼女に渡した。
「いつもあいつらから守ってくれてありがと。」
僕はリリィへお礼の言葉を言った
リリィは少し照れくさそうに
「これからも守ったげるからね」
と返した。
残りの授業を終わらし、課題を図書室でしているところ
「あー!ボッチ隠キャ君じゃぁん」
本当に最悪だ
いつもいじめてくる陽キャ軍団は雑談をするためだけに図書室に来るという…
僕は知っておきながらそのことを忘れていた。
「なぁにぃ?課題してんのぉ?ばっかみたいぃw」
僕の今やっている課題を無理矢理取り上げ
課題を破り捨てゴミ箱に捨てた。
「せっかく頑張ってやってたのにねぇw」
「それにしてもさぁ、あのリリィとかいう邪魔女本当に消えてほしいわぁw」
「ッッッッ」
僕は言葉にできないほどの怒りと悲しみを覚えた。
自分の好いている人を侮辱されたときには、今まで受けたどのいじめよりも僕の心に深い傷を付けた。
「……れ」
「はぁ?聞こえないんだけど」
「はっはぁ?何でキレてんの?」
「ねぇねぇこの隠キャちょっと校舎裏に連れていかないw?」
「いいよぉw」
僕は強引に校舎裏へと連れていかれた。
壁に頭を打ち付けられた
「あんたほんっとウザイ!」
「正直あんたいじめてもこっちには何の需要もないのよ!」
何回も何回も何回も頭をガンガンと打ち付けられた挙げ句何回も蹴られて砂を頭からかけられ
滅茶苦茶だった。
そのうち飽きたのかそいつらは何処かへいった。
身体中がずきずきと痛む。
すぐには動けそうにないほど散々な目に遭った
「課題……もらいにいかないと……」
だが流石に今の状態でいったら、もっと大変な目に遭うだろう。
めんどくさいことはなるべく避けたい。
なのですぐそこにあった水道で身体中を濡らした
流石女子……靴の踵が何回も体に食い込んでたくさんの傷ができている。
「いっっってぇ」
傷ができているところに水がかかる
すごく染みる。
手加減くらいしてほしいものだ。
濡れた服を絞り、再度その服を着る。
体にしっとりと服が貼り付いてきて少し気持ち悪い
そう思いながら僕は図書室へ置いてきた荷物を取りに行きそのまま職員室へ向かった。