テラーノベル
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夜桜を見に行ったら咄嗟に思いついた話です!
夜。
仕事終わり。
スタジオの外に出た瞬間、
少し冷たい空気。
「……寒」
柔太朗が肩をすくめる。
「薄着すぎだろ」
隣で勇斗が笑う。
「そっちもでしょ」
「俺は大丈夫」
「強がり」
「強がりじゃない」
「はいはい」
少し笑い合う。
—
「……なあ」
柔太朗がぽつり。
「ん」
「……夜桜、見に行かない?」
「……今から?」
「うん」
少しだけ期待した目。
「……」
勇斗、一瞬だけ考えて。
「……いいよ」
すぐ答える。
「……ほんと?」
「うん」
「やった」
ぱっと笑う。
—
車で少し走る。
街の明かりが減って、
だんだん暗くなる。
山の方。
「……こんなとこあったんだ」
「知り合いに教えてもらった」
「へぇ」
—
着いた先は、
小さな公園。
人もほとんどいない。
静か。
「……わ」
柔太朗が小さく声を漏らす。
夜の中に浮かぶ桜。
ライトに照らされて、
ふわっとした淡いピンク色。
「……綺麗」
ぽつり。
「……だな」
勇斗も少しだけ見上げる。
—
並んで歩く。
砂利の音が小さく響く。
「……」
風、少し冷たい。
「……さむ」
柔太朗が小さく呟く。
「ほら」
勇斗が手を差し出す。
「……」
少しだけ迷って。
「……ありがと」
そっと握る。
「……」
そのまま、
勇斗のコートのポケットに
手ごと引き込まれる。
「っ」
一気に距離近くなる。
「……あったか」
「だろ」
「……ずるい」
「なにが」
「こういうの」
「何がだよ」
「……好き」
小さく言う。
「……」
勇斗、少しだけ笑う。
—
しばらく歩く。
桜の下。
静かな時間。
「……」
柔太朗が少しだけ、
勇斗の肩に寄る。
「……」
そのまま、
ぽつり。
「……これからもさ」
「ん」
「……ずっと一緒にいれるかな」
小さな声。
風に消えそうなくらい。
でも。
「……」
勇斗はちゃんと聞いてる。
「……」
少しだけ足を止める。
「……」
繋いだ手、
ぎゅっと強く握る。
「……一生一緒にいる約束だからな」
はっきり言う。
「……」
柔太朗、一瞬だけ目を丸くする。
そのあと。
「……ふふっ」
小さく笑う。
「……そうだね」
そのまま、
手、握り返す。
「……」
お互い、
少し照れてる。
でも。
「……」
ちゃんと嬉しい。
—
「……ねえ」
柔太朗がまた言う。
「ん」
「……夏はさ、花火見に行こうよ」
「……いいな」
「で、秋は紅葉」
「うん」
「冬は雪」
「寒そう」
「いいじゃん」
「……まあな」
少し笑う。
「……」
そのまま。
「……全部一緒に行こ」
ぽつり。
「……」
勇斗、
少しだけ目細める。
「……行くに決まってるだろ」
「……」
柔太朗、
嬉しそうに笑う。
「……」
そのまま、
ぎゅっと抱きつく。
「っ」
「……柔」
「……ん」
「外」
「……いいの」
小さく言う。
「……」
少しだけ沈黙。
でも。
「……」
勇斗の手が、
背中に回る。
「……」
軽く抱き返す。
—
夜桜の下。
人もいない。
静かな空間。
「……」
ゆっくり顔上げる。
「……」
目、合う。
「……」
言葉いらない。
「……」
そのまま、
キス。
やわらかくて、
ゆっくり。
「……」
でも、
すぐに少し深くなる。
「……っ」
息、少しだけ混ざる。
「……」
離れる。
でも、
すぐまた。
「……っ」
お互い、
我慢できてない。
「……」
何回も、
軽く重ねる。
「……」
やっと離れて。
「……」
額、軽く当てる。
「……」
柔太朗、
少しだけ笑う。
「……なに」
「……幸せだなって」
ぽつり。
「……」
勇斗、
一瞬だけ止まる。
そのあと。
「……俺も」
小さく言う。
—
夜桜の下。
—
ただの“今”なのに。
—
ちゃんと、
未来の話して。
—
ちゃんと、
一緒にいるって思えてる。
—
それが、
何より幸せだった。
コメント
1件
お互いのことをすごく思い合ってる感じがして 仲がいいを少し通り越してるような雰囲気なのが素敵です、✨