テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#み!るきーずと繋がりたい
れもん
4,460
#曽野舜太
み!
574
えっとー…ガチでお久しぶりです
テスト近いので勉強漬けでした😭
まだテスト終わってないのでもしかしたら更新🐢かもしれません🥲︎
それでは👋🏻゙
舜side
「……よしっ! できた……!」
水族館でのあの「心臓爆発イベント」から3日後。
俺は秘密基地の机で、ついに柔太朗のプロット第1話分のネームを全ページ描き上げた。
ペンを置き、大きく伸びをする。
窓の外ではミンミンと蝉が鳴き喚いていて、部屋の扇風機がぬるい風を運んでくる。
だけど、達成感で頭の中は信じられないくらいクリアだった。
あの水族館での、柔太朗の指の熱さ。
見つめてきた瞳の、吸い込まれそうな青い光。
思い出すだけで今も耳の裏が熱くなるけれど、その「リアルなドキドキ」を全てスケッチブックにぶつけた。
おかげで、自分で言うのもアレやけど、作画の説得力が爆上がりしている。
柔「舜太くん、お疲れ様。……見てもいい?」
いつの間にか冷たい麦茶を持って隣に立っていた柔太朗が、覗き込むように声をかけてきた。
舜「おう、見てや! あんたの神プロット、俺の魂で完全再現したったからな!」
柔太朗は麦茶のコップを置くと、真剣な目付きになってネームのページをめくり始めた。
いつもなら、どんな時でも「完璧な王子様」の余裕を崩さない男。
でも、自分の作った物語を前にすると、その瞳には純粋な少年の熱が灯る。
めくるたびに、柔太朗の目がどんどん丸くなっていく。
そして、水族館の経験をそのまま落とし込んだ、例の『巨大水槽の前でヒロインの手首を引くシーン』のページに差し掛かった時――柔太朗の手が、ピタッと止まった。
舜「……ど、どうや? 少女漫画の、恋する距離感……表現できとるか?」
反応が怖くて、思わずゴクリと唾を呑む。柔太朗はしばらくそのページを凝視していたけれど、やがてゆっくりと顔を上げた。
その綺麗な顔が、なぜかほんのりと赤く染まっている。
柔「……すごい。舜太くん、本当に天才だよ。水槽の光の当たり方も、男の子の表情も……あの時の空気が、そのまま紙の上に生きているみたいだ」
舜「ほんま!? よっしゃあああ!!」
柔「うん。特にこの、手を引かれた時のヒロインの、驚いて赤くなってる顔……。あの時の舜太くんに、そっくりで、すごく、可愛い……」
舜「ぶっ――!?」
サラッと何言っとんねん、この想像の天才は!俺が慌てて
「これはヒロインのルナちゃんや! 俺やない!」
と真っ赤になって抗議すると、柔太朗は「ふふ、冗談だよ」と悪戯っぽく、でもどこか愛おしそうにクシャッと笑った。
柔「でも本当に嬉しい。俺の頭の中にしか奢ってなかった世界が、舜太くんの手で、こんなにキラキラした形になるなんて。……俺、やっぱり舜太くんを相棒に選んでよかった」
真っ直ぐに向けられる、100%の信頼の眼差し。
あかん、こいつはこれを通算何回やってきとるんや。
男の俺でも胃のあたりがキュンとするわ。天下を獲る前に、俺の心臓が獲られてまう。
舜「あったり前よ! 俺たちの共同戦線はまだ始まったばかりやからな。夏休み中にこの1話を完成させて、速攻で編集部に持ち込むぞ!」
柔「うん。……あ、そうだ。頑張った舜太くんに、ご褒美があるんだ」
そう言って柔太朗がカバンから取り出したのは、少し高級な箱に入った、2つ繋がりのソーダ味のダブルバーアイスだった。
柔「途中で買ってきたんだ。半分こしよ?」
舜「お、アイス! 最高やん、ちょうど体温上がって暑かったところやねん」
柔太朗がパキッと綺麗にアイスを2つに割って、片方を俺に手渡してくれる。
冷たいアイスを口に含むと、爽やかな甘さが広がって、火照った身体に染み渡っていくようだった。
舜「ん〜! 生き返るわー! 柔太朗のほうも美味い?」
柔「うん、美味しい。……あ、舜太くん、動かないで」
舜「え? なに」
急に柔太朗が顔を近づけてきた。
お互いの息が触れそうな距離。
水族館のあの瞬間がフラッシュバックして、俺の身体がカチコチに固まる。
柔太朗の綺麗な指先が、俺の口元にそっと触れた。
柔「ふふ、口の端にアイスついてる。舜太くん、本当にルナちゃんみたいに目が離せないね」
そう言って、自分の指についたアイスをペロッと舐める柔太朗。
舜「……っっっ!!???」
それ、少女漫画で100回は見たことある『間接キス的なサムシング』のやつやんか!!!
当の本人は、それがどれだけ破壊力のある行動か分かっていないような、涼しい顔をして残りのアイスを齧っている。
無自覚。こいつは絶対に、無自覚の天才や。
舜「……っ、も、もう休憩おわり! 作画戻るから、あんたは第2話のプロット進めとき!!」
俺は真っ赤になった顔を誤魔化すように、ガタッと椅子を引いてスケッチブックに向き直った。
心臓のバクバク音が、蝉の鳴き声よりも大きく響いている。
柔「あはは、了解。よろしくね、俺の最高の作画家さん」
背後から聞こえる柔太朗の楽しそうな声。
振り回されてばかりで癪だけど、不思議とペンを持つ手には、さっきよりも何倍ものパワーが満ちていた。
この熱量があれば、絶対に天下が獲れる。俺たちの熱い夏休みは、まだ始まったばかりだった。
fin
コメント
5件
いやぁ…もう美しすぎて…青春のキラキラ感がたまりませんでした! ありがとうございました✨
お忙しい中更新感謝です、! 半分このシーン尊い、、!🫶🏻💕 このイケメンさが無自覚ならやばい😭無自覚じゃなくてもやばい😭
わあ、めっちゃ良かったです……! アイスを半分こするところから、口元ふいてくれる流れ、もう完全に少女漫画すぎて胸がきゅうってなりました。柔太朗くん、絶対無自覚で舜くんのこと狂わせてるやつですよね。あの「ルナちゃんみたいに可愛い」発言もズルすぎる。続きめっちゃ気になります!