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【れるさんの命はもう長くないです】
れる「わかりました…」
突然の余命宣言をれるは素直に受け入れた
れるは元々病弱で他の人達とは違うかった
運動しては喘息になり
季節の変わり目には必ずと言っていいほど風邪をひき
持病が悪化すれば入院
落ち着けば退院
通院は週に1回は絶対という生活を送っていた
まぁ、だから
そんな生活をしててここまで生きてこられたのが不思議だから
死ぬことは別に驚くことじゃない
ただ、心残りとしては…
れるの唯一の友達
病弱というだけで、移らないのに病弱が移るとか
親がれるに関わったらだめって言われたから…って避ける子が大半やった
仲良くなってもれるが入院し休んでる内にれるのことなんか忘れてしまう
だから、仲良くなってから数年関係が続いてるのはれるにとってはすごいことで
お見舞いにまで来てくれるのは
ありがたいこと
その友達にれるが余命宣告受けたなんて言ったらどうなるやろ
泣くかな…
それとも諦めてるれるに怒るかな…
もう、捨てられるんかな…
少しの期待と不安を持ちながら
1人風通しのいい病室で友達を待つ
5分ぐらい経った時
ガラガラガラと扉が開いた
れる「ぁ、」
扉の先には待っていた友達
制服を着て学校帰りとわかる格好だ
ええな、れるも…
学校行きたい
こったろ「体調どう?」
れる「んー、まぁまぁw」
こったろ「そっか、悪くなくてよかったよ」
そういいながら、こったんは
慣れた手つきで椅子を出してきて椅子に座る
言わないと…と思うのに
れるの口は重くて
言葉が出ない
こったろ「どうかした?」
れる「…なんもないでw」
あぁ、普通の言葉は出んのにな…
それから数分沈黙が流れる
気まずいなぁって思うけど
隣にいてくれるだけで少し安心できる
この沈黙はれるとこったんのいい意味での気まずい空気じゃないかと思っとるから
こったろ「ぁ、そういえば担任からこれ預かってて…」
れる「…なにこれ?」
こったろ「さぁ?れるさんに渡してって」
ノート?
勉強しろってことか?
こったろ「俺も見ていい?」
れる「ええよ」
ペラッ)
ノートを開ける
開けるとたくさんの文字が並んでいた
「早く学校きてね」
「待ってるね」
「お大事にね」
「元気になってね」
とクラスの人たちからのメッセージだった
でも、れるのことを避け忘れる人達のメッセージなんか気持ちは籠もってなくて
ただ、先生に書かされたんだなぁと文字から伝わってくるようだった
こったろ「…」
こったんにもそれが伝わったんだろう
少し心配そうな顔でれるを見ている
れる「……うれしい、な?」
1ミリも思ってないことを発する
疑問形にさえなってしまうほど思っていない
でも、言う言葉がなかったからこったんに遠回しにあんまり踏み込んでこやんといてと言う意味でれるはそういった
こったろ「…だね」
それが伝わったのかこったんは眉を下げながら苦笑いして返事をする
こういうところが本当に心地良い
優しすぎてズカズカと踏み込んでこられるのはれるはあまり好きやないから
あ、今なら言える気がする
れる「れる、余命宣言されたんよ」
こったろ「ぇ…?」
急な告白にこったんは困惑の声を上げる
今の病室には緊張感のある空気が漂っている
こったろ「ぁ、はは…にゅ、ういん中に、そ、よ冗談は、きついよ? 」
そんな空気が嫌だったのか
はたまた、信じたくなかったのか
こったんは乾いた声でそう発する
れる「ほんまやよ」
こったんとは反対の冷静な冷たい声で返事をする
こったろ「ごめんッ…」
そう言い残してこったんは帰った
表情は下を向いていて見えなかった
だから、その表情には
嬉しさが移っていたのか、悲しさが移っていたのかはれるにはわからなかった
少し寂しい気持ちになりながら
れるは布団に潜る
こったんなら大丈夫…なんて思えない
だって、人間の友情なんて脆いんやから
次の日
れるがパソコンをいじっていたら扉が開いた
れる「…そんな急いでどうしたん? 」
扉の先にはこったんがいた
でも、息切れしてて
部活終わりにしては早すぎるお見舞いだった
れる「部活休んだん?キャプテンなんやろ?」
れるの質問には答えず
ただただ、静かに涙を我慢しながらベットに近づいてくる
こったろ「ごめんッ…」
れる「なにが?」
こったんの声はいつもでは想像のつかないぐらい掠れていた
こったろ「昨日は、ごめん… 」
れる「こっちこそ、急に打ち明けてごめんな」
こったろ「フルフルッ」
そういうとこったんは軽く頭を横に振る
れる「…でも、助かる方法はまだあるんよ?」
こったろ「ぇ…!」
光が差し込んできたかのようにこったんは顔をパッとあげる
れる「ドナーを見つけなあかんし、手術成功率も低いんやけどな…w 」
それを言うとこったんは先ほどの光をまた失った
そう、ドナーが見つかり手術が成功すれば生きれる
でも、それはよっぽど運が良くないと無理なのだ
当たり前にれるより前にドナーを求めてる人はおるし
れるに関しては、運良くドナーが見つかっても成功率低い手術も成功しなくてはいけない
そんなの、無理に等しいだろう
医者だってドナーが見つかる確率はほぼないだと思っててと言っていた
でも、それでいいと思ってる
れるは親や、クラスの人、こったん、担当医…
いろんな人に迷惑をかけた
これから先本当に運が良く生きれても
持病がなくなっても
迷惑をかけることにかわりはない
それに、趣味と言えど手を出した作曲も
ボカロPも人気がない
愛してくれる人は…ほぼいないのだから
この世から居なくなっても大丈夫だろう
なんなら、みんな喜ぶだろう
こったんだってすぐに忘れる
れる「…」
ただただ、沈黙が流れる
いつもと違い重い沈黙
安心する穏やかな空気はどこにもない
窓の外をみるとオレンジに染まっている
綺麗やなぁと思いながら外を見つめる
そんな現実逃避をしていた時
バンッと扉が空いた
れる「静かにあけ…」
親かと思って注意しようと扉の方を見ると担当医だった
れる「…どないしたん?」
もう、幼少期からの付き合いの先生
タメ口で友達感覚の先生
そんな付き合いなのにこんな先生ははじめて見た
担当医「れるくん!ドナーが見つかりました!」
れる「……は?」
困惑でしかなかった
だって、見つかる確率なんてほぼないって…
れる「な、んで?ほぼ、見つからんって」
担当医「れるさんの求めてる部分を求めてる人が少なかったんです」
れる「…」
諦めていた気持ちをすぐには切り替えられなかった
だって、もう決意もして死んだ時ように手紙だってかいとった
なのに、急にドナー見つかったっていわれてすぐ
【ほな、生きる!!】とか言えるわけ無いやん
こったろ「れるち…」
それに、ドナー見つかったけど手術が成功するとは限らんし
もし他に求めてる人がいるならその人に回した方がええんやないん?
そう、ぐるぐると頭を回転させる
こったろ「れるちっ!」
こったんの声で我に返る
顔を上げると不安そうにれるを見つめるこったんと、静かに待ってくれてる先生がいた
れる「れるは、いらないんで
手術しても成功するかわからんし他の人に…」
こったろ「えッ」
担当医「自分は嫌です
れるくんは幼いころから頑張ってきました
その体がそろそろ限界を迎えてきています
ですが、手術してもまぁ大丈夫かなっていうぐらいの成長をして大きくなったんです
チャンスが来たんですから手術受けてください」
れる「でもッ!」
担当医「そのまま死ぬなら、失敗して死んでください」
はっ、絶対病院の先生が言ったらあかん言葉やろ
こったろ「俺も、俺もそう思う!
お願いれるち!」
れる「…」
正直まだ納得がいかない
生きてたところで…れるなんか
こったろ「…ぉ、ねがいッ」
れる「え?」
さっきまで先生に同意して元気やったやん
なのに、なんで…泣きそうなん?
れるは、れるは…ッ
生きれてもッ迷惑かけるし
退院しても、いま中3やん
あんな出席日数じゃ公立行けへんし
どうせ、中学と同じ扱いされるしッ
こったろ「ッ…」
何も言わずに手を握ってるこったん…
…友達のお願いってことやんな
れる「はぁ、わかったて…w
うけます」
担当医「ありがとうございます
では、日程は、ーーーーーーー」
話が進んでいく
まぁ、どっちに転んでもそれが人生ってことやろ
手術日
手術受けると決めてから今日まで
ずっとこったんに説得された
「れるちが生きようと思わないと成功率もっと下がっちゃうッ…」
「だからね、れるちが元気になったら放課後遊びに行こ?」
「れるちに会わせたい友達がいるの」
そんなふうにれるに夢を見させてくれた
それが叶うかはれる次第
…でも、こったんのおかげで少し楽しみができた
だから、死ぬ気なんかもうない
れる「…いってくるな」
こったろ「…うん!いってらっしゃい!
まってるから!!」
できる限りの元気で返事をしてくれる
れる「おん!」
…まっとってな
こったろside〈2年後〉
こったろ「あ、いたいた!」
こえ「遅いよ〜」
くに「なんかあった?」
こったろ「ごめんごめん、ちょっと忘れ物して家に取りに帰ってたの」
ゆう「無事でよかったよw 」
こったろ「ありがと」
こえ「今日は文化祭なんだから楽しも〜」
くに「だね、部活の出し物もあるし!」
こったろ「くにおやらかすに一票w」
くに「ばかか!」
こえ「ぼくも、やらかすに一票」
ゆう「ゆうさんは、やらかさないかな〜」
くに「ゆさーん!」
そんな話をしながら高校に向かう
こえ「そーいえばさ!ずっと好きなボカロPさんが新曲あげてたの!」
くに「あー、よく言ってる人?
いい曲だよね」
ゆう「なんて名前の人だっけ?」
こえ「Reluって人!」
こったろ「へー…」
プルルルルルルル🎶
ゆう「こったん?」
こったろ「あ、そうみたい」
電話にうつる名前を見る
あ…久しぶりだな
と電話をとる
こったろ「もしもし?」
れる「ぁ、もしもし〜?
れるそっちに帰るんやけどさー
よかったら駅まで迎えに来てくれへん?w
絶対道に迷うw」
こったろ「何時に行けばいい?」
れる「あー、14時やねんけど
無理そうならええで」
こったろ「ううん、いける! 」
れる「まじで!?
お願いしてもええ?」
こったろ「うん!」
れる「ありがとな!じゃあ、また!」
こったろ「はーい、またね」
ブチッ
あの日れるちの手術は成功した
でも、成功した後れるちの親の事情で数年東京に行くことになった
れるちの親は無理するなら…ってれるちの心配をしてたけどれるちは大丈夫って言って親について行った
俺が言った、元気なった後にしたいことは必ず帰ってくるからその時の楽しみにすると言って元気に話して行った
それから、お互い忙しくあまり連絡を取らなかったけど関係は続いていた
会えるの楽しみだな
ぁ、みんな連れてっていいか聞こうかな
こったろ『れるちー、前言ってた会わせたいって言ってた友達もつれてっていい?』
れる『おぉ、ええでw』
こったろ「みんなー、14時あいてる?」
こえ「こったんから珍しいね?
空いてるよー!」
くに「俺も!」
ゆう「ゆうさんも空いてるよ〜」
こったろ「よかったら俺の昔からの友達と会わない?」
こえ「え、なんで急に? 」
説明は許可取ってないし…
こったろ「いいからw
会ってみてよ、みんなと仲良くなれると思うから」
くに「こたがいうなら…」
こえ「そうだねw」
ゆう「うんうん」
こったろ「ありがと!」
れるside(14時)
確か、ここの改札くぐったらええんよな
うわ、懐かしー!
こったん元気にしとるやろか?
絶対イケメンになっとるよな(
で、こったんはどこにおるんやろ…
「〜〜〜〜!!」
…おっきい声やなぁw
でも、なんて言ってるかはわからんわ
まぁ、盗み聞きするもんでもないやろし
こったんを…
「Reluさん」
れる「え?」
れるの、なまえ?
前の言葉も後ろの言葉も聞こえなかった
ただただ聞こえたのはれるの名前
でも、れるのことさん付けで呼ぶ人なんて…
そう思うと無意識にたくさんの人がいる大きな駅からその声を探して近くに向かった
こえ「そうそう!Reluさんの新曲のこの作詞のここの表現がー!!」
近くに行くと、そんな声が聞こえる
あぁ、れるの音楽届いてたんや
そんなことを思って泣きそうになっていた時
こったろ「久しぶり!」
れる「こったん!」
くに「ぁ、えっと、はじめまして!
くにっていいます」
ゆう「如月ゆうです」
こえ「こえです!」
れる「はじめまして!
れるって言います!! 」
少し人見知りなくにくん
しっかりとしてそうなゆうくん
そして、Reluの曲を聴いてくれてるこえくん
なんの根拠もないけど
この人たちなら仲良くなれる気がするわw
こえ「ねぇねぇ、れるくんはボカロとか好き?」
れる「ボカロ?好きやけど」
こえ「ならさ、この人知ってる?
有名ではないけど本当にすごい人で…」
そう言ってスマホを近づけてくるこえくん
その画面には先ほども話していた「Relu」と書かれたアカウント
こったんは後ろでくすくすと笑いながられるとこえくんを見ている
こったんには教えたもんなw
れる「…知っとるよ」
こえ「ほんと!?」
れる「おんw」
こえ「え、じゃあ…一番好きな曲なに?」
れる「えー、ホシクズ戦争と世界征服かなw」
その曲は余命宣告される少し前から手術するまでの間に作り上げた曲だから少し思い出深い
こえ「え、僕も!!」
あぁ、れるの最後と思って作った曲はこえくんにも刺さってたんやね
こったろ「ん?」
バラそうかな…とこったんの方を見ると不思議そうに首を傾げている
こったろ「あぁ…w
大丈夫だよ、この3人なら」
れる「そっか!」
あのこったんが信頼してる3人やしな
れる「こえくんは他に好きな曲あるん?」
こえ「それなら、ワールドサイダーとか!」
れる「あれなw
あの曲は東京に行って慣れてない環境で作ったから好きで居てくれて嬉しいわ!」
こえ「ぇ?どういう…」
ゆう「れる…ぇ、れるくんがこえくんの好きなボカロPのReluさん!?」
れる「そうやでw」
くに「えぇ、すご!!」
れる「こったんは知ってたやろ?w」
こったろ「もちろんw
だから、こえくんがいつも楽しそうに話してるの聞くの俺まで嬉しかったよw 」
こえ「Relu、さん…あのRelu,さん?!
うぇぇぇぇ!?」
れる「www 」
こったろ「一旦れるち行こっかw
駅で騒ぎすぎるのもね…」
れる「そうやなw」
くに「こえ氏も!」
こえ「ぅ、うん!」
それからの駅の帰り道
れるとこったん
他3人と別々になっていた
こったろ「にしても、元気になって安心したよ」
れる「さすがになw
もう2年もたったし!
こったんが説得の時に言ってくれたこと忘れとらんやろな?」
こったろ「忘れるわけないでしょ! 」
れる「やんなw
じゃあ、改めてよろしくな?
こったん、」
こったろ「もちろん! 」
れる「あと、れるに説得してくれてありがとう
れるは今生きててよかったって思っとるよ」
こったろ「!ふふwよかった」
昔では想像できなかったような生活が今後始まりそうで
れるはめっちゃ楽しみやよ
それにさ、ボカロPだって辞めなかったのは
誰かにれるの曲が届いてほしいと願っていたから
れるの曲も愛してくれる人に出会わせてくれてありがとう
こったんには一生返せないぐらいもらったな
こったろ「ん?なんか言った?」
れる「何もないで!」
れるの人生に希望を持たせてくれて本当にありがとう________。