テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「北側はほぼ取り替え終わったぞ」
「土台が結構古くなっていたな……
このままじゃ危なかった」
「運び出せるものは全部運び出しておけ!
次、いつになるかわからんからな!」
ビルドさんを彼の故郷まで迎えに行った
翌日―――
例の獣人族の廟で、彼らの作業を私たちは
見守っていた。
いったん吹き出している高魔力を無効化し、
そしてすぐ元に戻したのだが、
『そんな簡単に魔力を抑える事が出来るのなら』
と、再度の無効化をお願いされ、
この機会に掃除やリニューアル、またどのような
歴史を刻んできたのか調査される事となり、
それに私や妻たちは付き合っていたのである。
「どーおー?」
「もうやりたい事は済んだかの?」
アジアンチックな童顔の妻と、ドラゴンの方の
抜群のプロポーションを持つ妻が声をかける。
「すいやせん、後1時間くらいはかかるかと」
「じゃあ、長老たちに挨拶してきた方が
いいかな?
帰る前に『抵抗魔法』は解くという
事で……」
「そうしてくださると助かります!」
そんなやり取りを獣人族の方々とした後、
私たちは村で一番大きな建物へと向かった。
「『神前戦闘』の件はもちろん、了承した。
若い者たちも乗り気のようだしな。
よろしくお願いする」
長老クラスの中でも一番偉いであろう老人―――
そして他の老人たちに交じって、ビルドさんも
頭を下げる。
「元はと言えばこちらからお願いした
事ですので……
あ、衣食住は帝都・グランドールできちんと
面倒を見る手配となっておりますから、
その点はご心配なく」
「シン様、何から何までありがとう
ございます」
獣人族の青年が重ねて頭を下げ、
「他に何かありますー?」
「そういえばシンからは何か無いのか?」
メルとアルテリーゼの指摘に私は少し悩み、
「う~ん……
そういえば私は各地で食材なども探して
回っているんですが。
こちらでは何か、珍しいものや特産品という
ものは無いのでしょうか」
すると長老のトップが少し考え、
「そちらからのお土産を頂いたが―――
種類も豊富で、とても美味だった。
匹敵するものがあるとは思えないのじゃが」
確かに、お酒を始めいろいろと持ち込んで
料理もしたからな……
この世界、もともと食事や料理に関心が
薄い事もあるし、望み薄かと思っていると、
「よく調味料に使う、アレはどうでしょうか」
ビルドさんの言葉に長老は眉間にシワを寄せ、
「アレか―――
しかしあれは辛みしか無いものだ。
どこにでも生えておるものだし、
そんなものを渡すのは却って失礼に
なるのでは」
「いえ、一応見せて頂けませんか?
それに調味料で使っているのなら、いろいろと
使い道があるかも知れません」
消極的な態度の長老を何とか促し、それを
見せてもらう事となった。
「こ、これは……!」
「醤油というものと合わせると、絶妙に
塩加減と辛さが合う!」
「このような食べ方があったとは」
小一時間ほどして―――
それと醤油を混ぜたものをソースとして、
肉や魚料理をみんなで食す。
「あの唐辛子とはまた違った辛さだねー」
「だがこっちは芯に来るというか、なかなか
強力よのう」
妻たちもその味を驚きながらも味わう。
「故郷で『わさび』と呼んでいた植物に
そっくりです。
醤油と合わせると辛みの効いたソースに
なるのも、同じですね」
そう、獣人族の言っていた調味料とはワサビの
事だった。
綺麗な水・川がある場所にしか生えないが、
もともと農耕技術が必要とされていない世界。
それが却って繁殖を助けたのだろう。
今回、さすがにおろし金までは持って来て
いなかったが……
フォークで削り取るようにして細かくして
もらい、
さらにそれを袋に入れて棒で叩き、液体状に
なったものを醤油と一緒に使ってみた。
すると評判は上々で―――
獣人族たちはいわゆるワサビ醤油で味付けされた
肉や魚に舌鼓を打っていた。
「もし良ければ、これを特産品として
ランドルフ帝国に流通させてみたら
いかがでしょうか。
今、帝国も結構こちらの料理技術を
取り入れているので、新しい味覚は
商人が飛びつくと思いますよ」
「『神前戦闘』だけでなく、新たな商売の
種まで頂けるとは。
今後、我が獣人族は……
シン殿に惜しみない協力を約束しよう」
長老格の老人の言葉に、周囲の獣人たちも
頭を下げ、
「ではシン様。
クエリーのやつも心配しているでしょうし、
帝都に戻りましょう」
ビルドさんはそう言うと席を立ち、帰り支度の
ためか退室した。
そして私たちはいったん廟に戻ると、無効化を
解除し、
その後ビルドさん他、十人ほどの『神前戦闘』
候補生と共に、グランドールに戻る事になった。
「また美味いものを持ってきたッスね、師匠は」
「でもこれから暖かくなって来たら―――
これは流行りそうです」
長身で金の短髪の、いかにもオラオラ系のような
青年と、
対照的にまだ十代半ばの、シルバーヘアーの
美少年が食べながら話す。
シーガル様とニコル君だ。
そして食べているのは……
「冷たいソバがピリっと辛くなって、
こいつぁこたえられませんな!」
「大根おろしというものより強力な印象ですね。
僕はこちらの方が好みかな」
冷やしソバにワサビを薬味として入れたものを、
みんなで食べていた。
アラフィフの赤髪の男、カバーンさんと
アラフォーのブラウンのボサボサ髪の男性、
セオレムさんも一緒に。
「まだまだいろいろな事に使えますよ。
最近食べられるようになった、魚の生食とか」
「あー、合いそうッスね!」
「しかしボーロといいこのワサビといい、
獣人族は辛いのが好みな種族なのでしょうか」
侯爵家の次男と伯爵家の養子が、口々に
意見を語る。
ビルドさんの故郷から帰って来た私は……
まず冒険者ギルド本部へ彼を送り届け、
また『神前戦闘』候補生はエードラム君を
介して、モンド伯爵の下へ。
それが済んで、ようやく大使館へと帰還
していた。
「そういえば、お2人の奥方様は」
すると二人は顔を見合わせ、
「帝都内を買い物で回っているみたいッス」
「海外のファッションが気になるみたいで。
モルダン伯爵令嬢と一緒に、アリス様も
出かけています」
自分も女性のファッションには疎いが、
仮にもここは帝国だ。
その技術レベルが低いはずもなく。
「そういう師匠の奥さんたちは?」
「ワサビをもらったから、『ゲート』を使って
一足先に公都『ヤマト』へ届けに行って
もらっているよ」
同席しているカバーンさんとセオレムさんも、
『ゲート』については承知しており……
なるほど、という感じでうなずく。
「ところでお2人は、今日はどのような
ご用件で来られたのでしょうか」
ティエラ様の従者である二人に私が話を振ると、
「ちょっと困った事が起きましてな」
「それでご相談に乗って頂けたらと。
それも極秘裏に」
その言葉にシーガル様とニコル君は顔を
見合わせ、
「俺ら、ここにいても大丈夫ですか?」
「ダメなら席を外しますが」
するとカバーンさんは首を横に振り、
「今回は帝国の不祥事のようなものでして」
「すでにライオネル様にも連絡はいって
おりますから、ご心配なく」
「……聞きましょう」
そこで私たちはイスに腰を掛け直し、話を
聞く事にした。
「アストル・ムラトの試作品の一部や、
設計図、図面が持ち出されてしまったと」
その内容に私は頭を抱える。
「持ち出したのは大ライラック国です。
しかも質が悪いのは―――
ほとんど合法的に持っていかれちまったって
事です」
カバーンさんが苦々しく語る。
何でも、軍の上層部の一部が接待を受け……
気を良くした者が許可を出してしまったとの事。
流出したのは限定的だが―――
それが大ライラック国に流れればどうなるか。
「そんなあっさり渡してしまう
ものなんですか?」
ニコル君が当然の疑問を口にするが、
「いや、結構盲点だと思います。
ガチガチに警備をしているところに
乗り込むよりも……
『我が国より進んだ技術をぜひお見せ
ください!』
って下手に出た方が、スムーズに行く場合も
ありますから」
私の話を聞いたセオレムさんがすかさず、
「まさにその通りなんですよ。
聞いたところ、かなりおだてられ褒められ
持ち上げられて―――
しかもそれが、軍事力なら帝国を上回る
大ライラック国の使者相手ですからね。
そりゃあ悪い気はしなかったと思われます」
実際、冷戦真っ只中の共産圏の国で、
『ぜひ、貴国の世界一の軍事技術を見せて
頂きたい』
と言っただけで、軍需工場の隅々まで見せて
もらえたという逸話があるくらいだからな……
お偉いさんを篭絡して情報を得るというのは、
世界共通なのかも知れない。
「何を持っていかれたかはわかっているん
ですよね?」
「はい。リストもありますので」
「王宮から何らかの理由をつけて呼び出しが
あるでしょうから、それに従って頂きたい
との事」
そこで私は大使館で待機し続け―――
呼び出しを待つ事になった。
「申し訳ありません、シン殿」
「この度の不祥事、お詫びして済むものでは
ありませんが」
「どうかご協力頂きたい」
呼ばれた先は軍事施設で……
そこにはティエラ王女様と、
帝国武力省将軍、ロッソ・アルヘン様、
そして魔戦団総司令、メリッサ・ロンバート様の
三名が揃っていた。
まず前髪を揃えた、パープルの長髪を持つ
ティエラ王女様が私に書類を見せる。
そこには大ライラック国へ提供してしまった、
数々の新機軸の兵器が書かれており、
「大ライラック国の技術力は、どの程度の
ものなのでしょうか」
私の問いに、半開きの目をした黒の短髪の
将軍が、
「規模はともかく技術は―――
正直、詳しい事はわからない、というのが
現状だが、
あの合同軍事演習を見ての困惑ぶりや、
間者を送り込んで来たところを見るに……
少し前の我が帝国と大差は無かったと
思われる」
次いで、黄色に近いブロンドの長髪を持つ
魔戦団総司令の女性が、
「強力な魔力を持つ人間頼りだったって事
だろうねえ。
それがあの兵器群や亜人・人外戦力を見て
考えを変えたってところかね」
私がこの世界に来るまでは―――
魔力・魔法がどれだけ使えるかが人間としての
評価であって、
それが魔法以外の手段で補えるとなれば……
しかも脅威となるのであれば、
当然、魔法一辺倒の価値観はひっくり返り、
対抗策も考えなければならないだろう。
一通り話と書類を確認した私は、テーブルの上に
書面を置いて、
「基本的には、帝国以上の兵器を作る事は
難しいと思います」
「し、しかし」
ティエラ様が不安そうに聞き返してくるが、
「例えば水中戦力ですが、あれは亜人が
メインで構成されています。
本来、生身の生物が水中に潜るというのは、
かなりの制限が付きますから」
「だが、あの『レムちゃん28号』は?
もしあんなものが量産されたら」
(■213話
はじめての ごうどうぐんじえんしゅう参照)
今度はアルヘン様が最も危惧しているで
あろう疑問を呈する。
「……あれは例外中の例外かと。
パイロットが呼吸を必要としないゴーレムで
ある事が―――
あんな事を可能たらしめている理由ですから。
向こうの大陸でもあの1機しかおりませんし、
あのゴーレムを我が子のように可愛がっている
夫婦が、金に糸目をつけずに開発したもの
ですからね」
私はそこでいったん一息つき、
「それに、一通り目を通しましたが、
恐らく開発しようにも素材が無いのが
ほとんどです。
本当にその能力を引き出そうとした場合、
基礎研究を飛び越えて開発している状態
ですから、
現に我が国が一度、誘導飛翔体で攻撃を
受けた際は、有人ではありましたが
片道飛行の打ちっぱなしでしたし」
(■109話
はじめての きょうどうさくせん(そら)参照)
そしてそのコンセプトを理解出来る人間も
限られるだろう。
アストル・ムラトがたまたまそうだった
だけで、そういう人間がそうそういるとは
思えない。
「じゃあ、あんまり心配する必要は無いって
事かい」
ホッとした表情でロンバート様がソファに
背中をもたれさせるが、
「心配するべきは、これで他国が戦術の
見直しに入る事でしょう。
ただ亜人や人外を組み込むにしろ、
これまでの経緯もありますから……
一朝一夕にうまくいく事は無いかと」
人外戦力がどれだけ有効なのかは、あの
合同軍事演習で目の当たりにしたはずだ。
だが、亜人や人外はどこへ行っても多かれ
少なかれ被差別状態。
ドラセナ連邦は奴隷として扱っていただけに、
困難だろうし―――
モンステラ聖皇国もエルフであるベッセル
ギルドマスターの扱いを見るに微妙。
(■214話 はじめての ゆうかいそし参照)
大ライラック国は不明だが……
兵器の試作機や設計図に執着したあたり、
お察しという気もする。
「当面はすぐ状況が動く事は無い、か」
「不幸中の幸いだったのは、向こうの大陸から
技術供与された兵器に関しては渡さなかった
って事だねえ。
スクリュー技術に関してもそこは守り通した
ようだし―――
しかしほんとマジ何してくれているんだか」
帝国の事実上の軍事トップである二人が、
ようやく安堵した表情を見せ、
「ありがとうございました、シン殿。
ではさっそくこれらの報告を陛下に
上げますので」
ティエラ王女様が深々と頭を下げると、
将軍も魔戦団総司令も一礼し、私もつられて
頭を下げた。
「そういえばギルド本部から依頼されたと
聞きましたが、何があったのですか?」
「あ、はい。ランドルフ帝国で知り合った
獣人族の方に、故郷で『神前戦闘』候補生の
募集をお願いしたのですが。
ちょっとトラブルがあったみたいでして。
もう解決しましたけど」
ティエラ様の問いに答えると、
「まあ、シン殿であれば」
「たいていの事はどうにでもなるもんねえ」
と、軍人二名に微妙な表情で返され、
「あ、そうだ。
そこで新たな調味料を頂いたんですよ。
魚の生食にとても合うのですが、試食
してみますか?」
「おぉお!? そんなラッキーな事が!
いいですよーいくらでも食べちゃう!!」
と、乗り気なメリッサ・ロンバート様に
押され……
ワサビ醤油の海鮮丼を三人にご馳走する
事になった。
「トラブル?」
大使館に戻ると二人の妻がそんな事を
告げてきた。
「何でもねー。
アリスさんとエリアナさんが買い物していた
時に、どこぞのアホどもに絡まれたんだって」
「軍学校の若者と言っておったがの。
それでニコル殿とシーガル殿が向かって、
まあ解決したといえばしたのだが……」
「ピューイ」
歯切れの悪い言い方に私は首を傾げ、
「解決したのなら問題無いのでは?」
「それがねー、ちょっとややこしい事に
なっているっぽいんだよ。
何せ帝国が他国から招聘した軍人の身内に手を
出しちゃったわけだけど―――
相手さんもどこぞのお偉いさんの息子だった
みたいでね」
「で、シンが呼ばれているわけじゃ。
まあたいていの事は旦那様が行けば解決
するしのう」
「ピュルルゥ」
確かに魔法前提なら私がいけば解決するし……
なるべく八方丸く収まるように努める事はする
けれども。
とにかく状況を見ないと始まらないか。
私は家族と一緒に、現場へ向かう事にした。
「師匠!!」
到着した先は軍学校の訓練施設で―――
シーガル様が片手を大きく振って私を出迎える。
そこにはニコル君とアリス様、エリアナ様も
一緒にいて、
「何があったのかはだいたい聞いているけど……
解決したとも」
すると彼は頭をかきながら、
「いやー、ちょっと演習というか手合わせで、
根性叩き直してやろうと思ったんですが。
少しばかりやり過ぎたみたいで」
そこでブラウンのショートカットをした女性と、
同じくブラウンのウェービーヘアーをした二人の
奥さんが、
「私たちはもう気にはしていないのですけど」
「ちょっと夫が気合い入れ過ぎてしまいました
わね。
あちらもメンツがあるでしょうから」
見ると生徒らしい若者たちが数十人でこちらを
取り囲み、不穏なオーラを放っていた。
「僕もアリス様たちも途中で止めようとは
したんですけど」
「そんなにやり過ぎたの?
まあ、妻をからかわれて怒るのはわかるけど」
ニコル君の後に私が問い質すと、シーガル様は
視線をそらしながら、
「まあ……何ていうか。
過去の自分を見ているようで、何か腹が
立ったっていうか、その」
あー……
そういえば彼との出会いも、決して友好的な
ものでは無かったものなあ。
(■33話 はじめての おんおふ参照)
私は取り囲む青年たちに向かって頭を下げると、
「師匠!?」
シーガル様は驚いて声を上げるが、私は構わず、
「私は今回の合同軍事演習特別顧問、
シンといいます。
この度は大変失礼しました。
ただ、原因はそちらにあったとも聞いて
おります。
合同軍事演習を終えた今、騒ぎを起こすのは
こちら側に取っても望むものではありません」
ザワザワと若者たちの間に動揺が広がるのが
わかるが、
そこでリーダー格らしき青年が一歩前に出て、
「いえ、謝罪も頂けましたし―――
それに元はと言えばこちらが無礼を働いたと
認識しています。
ただ……」
彼は横目で集まった連中をチラチラを見る。
何ていうか、『このままじゃ収まらない』
という態度を彼らは隠しもせず、
「まあ、納得できない、という考えの方も
いるでしょう。
であれば、1つ提案があるのですが」
「提案?」
目の前の青年は少し困惑した表情になる。
「納得出来ない方は―――
私に魔法で攻撃してみてみてください。
私はここから一歩も動きません。
反撃もしません。
それで今回の件は手打ちにしませんか?」
すると周囲を取り囲んでいた連中は顔を
見合わせ、
「何でもいいのですか?」
「はい。
火球でも石弾でも風刃でも
何でも―――
それが終わったら今回の件は水に流す事。
条件はそれだけです」
「し、しかし……」
それを聞いたリーダー格の青年はなおも
戸惑うが、
「いいじゃないですか」
「それでケジメって事で。
さっさと終わらせましょうぜ」
「オッサンも大変だよなあ。
出来の悪い部下を持つとよお」
と、周囲の学生たちが口々に悪態をつく。
だがそれを聞いているこちらのメンバーは、
涼し気な表情で、
「あ、じゃあ私たちもいい?」
「的は多い方がいいであろう?」
と、メルとアルテリーゼも私と同じく的に
なる事を希望し、
「お、いいねぇ。
美人さんが的になってくれるたぁな」
「これはこれで―――
『やりがい』がありそうだぜぇ」
と、嗜虐的な発言が彼らから続き……
そして、それが実行に移される事となった。
「おらぁ!! 火球を喰らいな!!」
「まだまだぁ!! 俺の石弾も味わえ!!」
「生きた的は最高だぜぇ!!」
と、円陣を組むようにして―――
四方八方から彼らは私に魔法攻撃を加えて
いたが、
自分の半径1メートルほどの範囲を魔力・魔法
無効化させ……
その内側にメルとアルテリーゼもいる状態。
さらに身体強化だけはアリとして、
石弾などの物理的な速度が落ちないものだけは、
妻たちに任せていた。
当初は鼻息が荒かった彼らも、こちらがずっと
ノーダメージである事に焦っていき、
「くそっ!!
何なんだよ、効いてねぇぞ!?」
「届いている魔法もあるみたいだが……
全部弾かれていやがる!」
「ぐうぅう……っ!
も、もう魔力が……!」
と、彼らの方が体力をみるみる削られていき、
やがて一人、また一人と力尽きて跪き―――
最終的には全員が地面に這いつくばっていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!