※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File61:残影〉
「……千景さんは、見ちゃいけないものを見ちゃったのかもしれない」
その部屋は、脳を揺さぶるようなガソリンの臭いで満たされていた。
「ここは、多分――……」
ポリタンクの転がる部屋に釘付けになっていた私を、智世が肩を掴んで引き留めた。
ふと気が付くと、靴の先が部屋に入ってしまっている。
「とにかくここを離れよう。ガソリンは灯油よりも揮発性が高い。気温は低いが、それでも発火する可能性はある」
返事を聞く間が惜しいといわんばかりに、智世は私の手を引いたまま来た道を引き返していく。
危険を冒してまであの部屋を調べる気はないけど、胸に留めた疑惑が私を振り返らせた、
すると、丁度視界に割り込むようにケントがついて来ている。
「ほーら、ちゃんと前見ないと智世みた******
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