※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File62:二階に目あり〉
「もしケントが止めてくれなかったら、私達死んでたかもしれない」
智世はハッとなにかを言いかけ、でも思案するように視線を建物の方へと流した。
窓辺に人影はない。
でも智世は本当に誰かを見たんだと思う。
「……まさか俺が見た人影は」
「例の放火魔かもしれない」
建物の中にまで私たちの声は届かないとわかってたけど、智世も私も自然と声を潜めていた。
「確かに、あの部屋のガソリンは放火魔ってやつの仕業かもしれないけど……でも、あれから何日も経ってるよ。まだここにいる可能性は低いんじゃ?教えて、カグヤ。どうしてそう思ったのか」
「建物を燃やさなかったことが気になったのよ。燃やさなかったんじゃなくて、まだ燃やせなかったんだと思う」
緊張の糸を引き締めるよ******************
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