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ガタガタと人体模型が揺れだして、僕達が少し離れると人体模型が話し出した。

『随分と遅かったな?』

no「……かくれんぼが上手なんですね」

『約束通り許してやろう……ただし!心臓を持ってこい』

no「はっ……今から?」

ur「お前さ、自分の身体の一部なのに場所わかんねぇの?」

『あぁ”?』

ur「もうはめてあるだろ」

no「……!!本当だ」

『……どうやって手に入れた?』

ur「女の人に渡せって言われた。顔は分かんないけど多分子供」

『そ、うか』

人体模型は自分から言い出したくせに戸惑いを隠せない様子だった。

no「これでもう終わりですね」

『あぁ……認めるよ……君の言った通り俺は好きだったんだ』

俺が花子さんと出会ったのは、普通に彼女が生きていた時。

女子からの虐めを受けていた彼女はいつも俺に愚痴っていた。

はじめは何だコイツと思っていたけど、段々と会っていくうちに好きになってしまった。

おかしいのは分かってる……人間に恋するなんて……でも花子さんが死んで幽霊として初めて会った日、運命だと思ったよ!

でも花子さんは全く覚えてないらしい。

いつの間にか犬猿の仲になってしまった。

『恋なんかしなきゃ良かったよ』

ur「それは違うね……花子さんは覚えてるよ」

『……?』

ur「じゃなきゃ自分から俺に渡せって命令しないだろ……」

『俺が嫌いだからだろ?』

ur「好きだから照れ隠しに喧嘩してたんじゃねぇの?」

ur「それに嫌いな奴なら無関心か、返そうなんて思わない。」

『……なるほどな、君もツンデレだから分かるんだね』

ur「誰がツンデレだよ……てかいつ覚えたんだよ、その言葉」

『謝りに行かないとな……またな』

ur「いや、もう会わねぇわ」

人体模型はいつもより嬉しそうな声で、消えていった。

多分花子さんと仲直りでもするんだろう。

no「何か……すごい疲れました……」

ur「んな?……とりあえず花子さんと人体模型は解決だな」

no「ですね……残ったのは……」

ur「……ここじゃん」

no「正確には此処と大鏡ですね」

ur「んでも……」

体育館はガラッとしていて、危険には見えない。

何かあるんだろうけど気配もしないし、ボールの音も消えない。

ur「とりあえず一旦戻る?」

no「……ですね」

すると突然勢いよくボールがぶつかって、目線が低くなった。



怖くてビクビクしていると、急に人体模型が現れてびっくりして叫び声をあげた。

rn「きゃぁぁ!!」

「……なにしに来たの?」

人体模型は花子さんに近づくと、大きな声で言った。

『ごめんなさい!!』

「……は?」

『ずっと好きだったんだ……だから意地悪した』

「……いや、あんたが怒ったのは私が心臓を取ったからでしょ?」

『いや、それは普通に興奮した』

「きも」

『君が生きていた時から好きだったんだ!これを受け取ってくれ!』

「……はぁ」

花子さんは人体模型に近づくと、軽くキスをした。

「はっ、弱気になってないで……これくらいしたらどうなの?」

花子さんはびっくりしてポカーンとしている人体模型からピンク色のポピーを取って勝ち誇ったように言った。

「フフッ私の勝ちね!」

花子さんがポピーを持つとすっかり黒くなっていたポピーのピンク色が、段々明るく……濃くなっていきピンクと赤を混ぜたような鮮やかなピンクへと変わった。

「……あなた達はもう良いわよ……仲間のところに飛ばしてあげる」

『わぁぁっ~~!?』



低くなった身体のまま振り返ると、後ろに男がいて状況から察するにソイツが投げたらしい。

no「うりさん……子供になってる?」

ur「んぇ、?ほんとだ」

『これからドッチボールを行います!』

男はニッコリ笑って大きな声で言った。

すると女子達……のあさん達と暗い顔をした生徒にみえる子供達が上から落ちてきて、ドッチボールが開始した。


jp「んー、やっぱり三階は無いみたいだし……体育館に行ってみない?」

tt「そうやな……」

sv「えとさん達はトイレの花子さんに連れ去られて……はぁ」

hr「何でシヴァさんがため息吐いてるの?」

dn「シヴァさんのせいじゃないよ」

mf「そうだよ……とにかく今は問題を解決しよう?」

sv「うん、ありがとう皆」

俺達は何故か全員同じところにいて、何かの攻撃かと思ったが違うようなので、三階に繋がる階段を確認した後に、体育館に向かうことにした。

何もないと思っていた体育館にはドンドンと、ボールの跳ねる音が聞こえてくる。

まさかと思いながら体育館に入ると……

jp「……えぇ!?」

mf「ドッチボール、?」

hr「子供!?」

ドッチボールで逃げるのあさん達と何とかボールを取るうり達が見えた。

何人か子供になっていて、ボールに当たると低学年位の子供になるらしい。

na「じゃぱぱさんたち……たすけてくらさい!!」

jp「可愛い~www」

dn「ちっちゃくなってる!」

na「もぉ!!ふざけないでください!!」

et「ヤバイ当たる!!」

ur「いっそげー……にっげろー!」

jp「うりなんか余裕そうじゃね?w」

hr「かわいっ」

mf「とにかく参加しないと助けらんないよね?」

するとステージの上に立っている男が俺達をを見つけると、 こちらに近づいて……肩を掴んで目をじっと見つめられた。

『ふはっ……楽しくなりそうだ』

男は高みの見物でもするつもりなのか、俺達から離れるとステージの上で、俺達を操作してチームに入れた後、ドッチボールが再開した。

ドッチボールをする理由は分からないけど、とにかく俺達は敵を倒すことに専念した。

速い球を投げるには助走をつけて、体重移動しながら真っ直ぐに投げるというのがコツ。

ボールを取るには両足を肩幅まで広げて腰を落とし、体全体を前屈みになるように調整して両手とお腹でキャッチすると取りやすくなるし、心理戦でもあるのでフェイントを加えながら、相手を狙って投げる。

逃げるなら相手に背中を向けないようにして、もし後ろの人間が取ったならすぐに横にずれつつ、ボールを見る。

前の相手なら見えにくい端によって、そのまま前に走ると人は奥の人間を倒そうとするので、自分にボールが行きにくい。

なるべく視界から外れるようにすると、当たりにくい。

しゃがんだりジャンプしたりと常にボールの行く場所を避けて動く必要があるので、体力を奪われやすい。

俺達は攻撃を避けながら反撃をしまくった。


jp「はぁはぁ……やっと終わった」

最後はうりがおもいっきり高みの見物してる男に投げつけて、終了した。

終了した瞬間に子供になっていた人達は元に戻った後消えていった。

のあさん達も元通りになっていて、ステージを見ると 男は完全に消えて、最後にボールをぶつけた場所に教師の名札が置いてあったので、多分教師何だろうなと思いつつ、ようやく終わった安堵から皆で座り込んだ。

一応状況確認をするとほぼ全部解決したことが分かった。

jp「あぁ~しんど」

mf「夜にする運動じゃないよ~」

no「っていうかゆあんくんは何処に?」

jp「……そうだ、ゆあん!!」

皆ゆあんがいないことに気付いて、焦りながら走り出した。 残るは大鏡だけだから……そこにいるんだろうと、焦りつつも考える。

jp「とりあえず……えと、多分……三階!!三階に居ると思うけど……」

三階はやっぱり見えないというか無い。

na「えぇ~ゆあんくん大丈夫かな」

mf「……待ってることしか出来なさそうだね」

tt「クソッ……何でや、はぁ」

俺達は皆集まってゆあんくんが出てくるのを、ひたすら待ち続けた。俺は 多分朝になったら帰ってくると半分唱えながら待っていた。

ゆあんくんを待ってる間にもふくんが隣にいて、俺はつい眠くて倒れ込んでしまった。

もふくんはそっと支えてくれた後、ぎゅぅと抱きしめた。きっと……もふくんも不安なんだなと思いながら、もふくんの匂いに包まれて安心した。

もふくんはいい匂いがする。

そう感じるのは俺だけかもしれないけど、それならそれで余計に嬉しい。

だって良い匂いって感じる人は遺伝子レベルで相性が良いって聞いたことがあるから。

そんなことを考えながら、こんな時に何考えてんだろと少し自分が恥ずかしくなった。

mf「大丈夫、?」

dn「ぇ?」

mf「すごい考え事してるみたいだったから」

dn「あぇ、ううん!大丈夫」

mf「……そっか」

dn「うん」

俺は声をかけられただけなのに……いつも通りなのにドキドキして仕方がなかった。

dn「……///」(何これ、心臓壊れそう)


時間が経って朝日が昇り始めると、みんな限界なのか立っていた人も座りはじめて、中には眠そうな目を一生懸命開けて待ってる人もいた。

早く帰って来てよ……ゆあんくん



大鏡の中はふわふわしていて、何だかよく分からなかった。

『全て解決したんだな』

ya「んんっ……あっ……あぇ?」

何者かが体に触れると、耳元で声が聞こえてきた。

『俺達は生きる価値もない人間を殺さないといけない。協力してくれ……頼む』

ya「んぇ……あぅぅ……?」

悲しそうな声が聞こえて、まるで友達になったかのような気分になってつい頷いてしまった。

『他の人間残り三人を仲間にして殺し屋となって欲しい。……出来るね?』

ya「んぅ……はぇ、?」

まるで酔ってるみたいに体が上手く機能しなくて、不思議に思う。

『これを渡しておこう……これを使えば俺と話すことが出来る。仲間三人にも渡せ』

『仲間にする人は君と一緒にきた人間の中から選べば良い。』

ya「??……クラクラ」

『この学校にはもう怪異はいない。調査は終了した。』

ドサッ……

俺は気を失った。


no「ゆあんくん!」

ドサッという音がして、ゆあんくんが倒れていた。

すぐさま皆で駆けつけたけど、ゆあんくんは気絶していて、何処から来たのかは分からない。

no「ゆあんくん!!」

ya「……みん、な 」

no「ゆあんくん、!良かった」

ya「解決したよ……終わった」

jp「えぇ!?本当に!?」

tt「ゆあん……よく頑張ったなぁ!」

na「やっと終わりましたね……」

jp「とりあえず……」

話し始めようかと思ったけど、体が限界を迎えていたのか、そこで俺達は意識は途切れてしまった。

ya「……は?」

三人以外の皆が倒れたことで理解した俺は、最初から選ばす気なかったんじゃんと思いながら、起きている三人に話を持ち出した。

tt「えぇ!?何や?どないした!?」

ur「何で俺達だけ?」

dn「??え?」

ya「みん、な……聞いて欲しい」

ゆあんは起き上がって座り、真剣に覚えてるところを話し出した。


tt「……でもそれって……俺らには向いてないやろ」

dn「犯罪だよ?それ」

ya「でも……ふぅ、はぁ殺されるかも、しれないっ 」

tt「誰に殺されるんや!」

ビクッ……

ya「分かんない……けど、声がして……それで……ぐすっ」

tt「……イライラ」

急に殺されるとか意味分からん……ホンマに何があったんや……

俺はイライラを中々抑えれないまま話をしていた。

ur「分かった」

tt「はぁ”!?お前意味分かっとんのか??」

ur「とりあえず命令が来たら殺せば良いんだろ?」

dn「でも……犯罪だし」

ur「あ”ぁ?ゆあんが殺されるかもしれないんだぞ?助けたくないのか?それでも仲間かよ」

tt「………チッ…あ”ぁ~もぉ!!しゃあないなぁ!」

ya「んへぇ、?」

tt「一緒にやったる!」

dn「俺も!友達だからね!」

ya「……っ……ぐすっ……ありがと”ぉ」

俺達はゆあんがポケットから出した、ソイツに渡されたというものをしっかりと握って、条件として約束を交わした。

決して無理はしないこと。

これ以上の隠し事もしないこと。

そして他の奴らを巻き込まないこと。

こうして俺達四人はじゃぱぱたちに内緒で、探偵兼殺し屋になった。

「俺達の世界の裏は普通じゃない」

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