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あれから────
俺は、阿部ちゃんと
うまく話せなくなっていた。
どうしても、
あの日の光景が思い出されてしまう。
あれは一体、
何だったんだろう。
考えれば考えるほど、
阿部ちゃんにどう接すればいいのか、
分からなくなっていた。
そんな俺の気まずさを、
ぶち破るように────
阿部ちゃんは、
唐突に話しかけてきた。
💚「佐久間、俺のこと避けてる?」
🩷「……えっ」
💚「俺……何かしたかな?」
🩷「いや!?なにも……」
💚「そっか」
阿部ちゃんは、
いつものように笑った。
そして────
💚「そういえばさ……」
💚「翔太、風邪ひいたらしいね」
🩷「…っ」
💚「大丈夫かな……」
💚「俺、“あの”時、ちょうどタオル持ってたのに」
🩷「……っ!」
心臓が、
ドクンッと跳ねた。
“あの時”────
💚「貸してあげればよかったなぁ」
そう言いながら、
阿部ちゃんがちらっと俺を見る。
その瞳は────
まるで、
何かを試すようだった。
🩷「……っ」
俺は視線を逸らす。
🩷「……そうだな」
🩷「早く治るといいけど……」
💚「うん」
阿部ちゃんは、
またいつもの笑顔に戻った。
でも────
なんだろう。
その笑顔が、
少しだけ怖く見えた。
💚「佐久間、今日の夜空いてる?」
🩷「えっ、あ……今日は予定が……」
💚「そっかぁ」
💚「じゃあ、また誘うね?」
🩷「……うん!」
笑って答えたけど────
胸の奥に、 小さな違和感が残った。
──────────────
居酒屋────
🩷「最近さ、阿部ちゃんの様子……どう?」
💜「どうって?」
🩷「変わった様子とかない!?」
💜「え、なになに?」
💜「ついにお二人、進展した感じ?」
🩷「あ、いや……それは、まだ……」
💜「なんだよーー」
💜「何が言いたいんだ?」
🩷「えっと……」
少し迷ってから、
俺は口を開いた。
🩷「……ごめん」
🩷「もう少し様子を見てみる」
🩷「また相談、乗ってほしい」
💜「あー、うん」
💜「よく分かんないけど、わかった」
💜「佐久間、明日も早いだろ?」
💜「そろそろお開きにするか」
🩷「うん!」
🩷「ありがと、ふっか!」
そして、俺達は店を出た。
🩷「じゃあ、また!」
💜「はいよー!」
───────
佐久間の姿が見えなくなるまで、
深澤はその場で見送っていた。
💜「……よし、帰るかー」
その時────
💚「ふっか」
💜「うわっ!?」
💜「びっくりした!」
💚「おつかれ」
💜「おつかれ!」
💚「楽しそうに話してたね」
💜「え、阿部ちゃんもいたの!?」
💚「うん」
💚「たまたま同じ店で飲んでてさ」
💚「……ここ最近、佐久間の様子どう?」
💜(阿部ちゃんまでそんなこと聞くのかよ……)
💜(早くくっつけよ、お前ら)
💜「うーん、そうだなぁ」
💜「相変わらず阿部ちゃんの話するときは、顔真っ赤だぞー」
💚「………」
💜「たぶん両思いだぞ?」
💜「早く手に入れろよなー」
軽い冗談のつもりだった。
けれど────
ふと、
阿部の顔を見る。
そこには────
いつもの優しい笑顔とは、
明らかに違う表情が浮かんでいた。
💚「……」
💜「……?」
阿部は、 小さく笑う。
💚「もちろん」
💚「そのつもりだよ」
💜「………っ」
なぜか背筋が、 ぞくりとした。
💚「じゃあ、また♪」
そう言って、
阿部は何事もなかったかのように
その場を去っていった。
💜(……なんなんだ……?)
──────────────
──────────
───────
ここ最近────
あるスタッフのスキンシップが、
やたらと激しい。
俺は、そのことで悩んでいた。
打ち合わせが終わっても────
🩷「あ~、はい!」
🩷「じゃあ……そろそろ行きますね」
少し身体を離そうとすると、
ぐいっ────
また距離を詰めてくる。
🩷(……なんか、気持ち悪いなぁ)
どうすればいいのか分からず、
困っていると────
💙「……おい」
渡辺が近づいてきた。
スタッフを、 鋭い目で睨みつける。
それに気づいたスタッフは、
慌てて身体を離した。
💙「あいつ、有名だよな」
💙「セクハラしまくってるって」
💙「気をつけろよ」
🩷「……助かった」
🩷「ありがとう、翔太……」
💙「何度もセクハラの件、 相談してんだけどな」
💙「徹底的な証拠がないみたいで、 大きく動けないってさ」
🩷「翔太も気をつけてね?」
💙「人の心配より、 自分の心配しろ」
こつん、と
俺の頭を軽く叩く。
🩷「……うん」
🩷「ありがと……」
───────
そして、収録終わり。
○○「佐久間さん……ちょっと」
例のスタッフだった。
🩷(……げっ)
人気のない部屋へと、
連れて行かれる。
🩷(あぁ……怖い……)
○○「聞いたよ……?」
○○「僕のこと、気に入ってるんだって?」
🩷「……え?」
🩷(……は?)
🩷(誰がそんなこと……)
○○「とりあえずさ」
○○「ライン交換しない?」
ここは、
はっきり断らないと。
あとが怖い。
🩷「……いえ」
🩷「交換しません」
○○「なんで?」
○○「どうして?」
○○「僕のこと、好きなんでしょ?」
ガシッ────
肩を掴まれる。
🩷「……やめて……っ」
🩷「誰がそんなこと……っ」
その瞬間────
カシャッ!!
カメラのフラッシュが、
部屋に響いた。
○○「……やばっ」
スタッフは慌てて、
裏口から逃げていった。
🩷「……誰?」
すると────
人影が、 ゆっくり近づいてくる。
💚「佐久間……っ!」
💚「大丈夫か!?」
慌てた様子で、
阿部が駆けつけてきた。
🩷「……阿部ちゃん……」
その姿を見た瞬間、
俺は無意識に、 阿部ちゃんへ抱きついていた。
🩷「うぅ……怖かった……」
💚「……」
阿部ちゃんは、
優しく俺の頭を撫でる。
💚「よしよし……」
🩷「……うぅ…っ…」
💚「様子がおかしかったから……」
💚「ずっと心配して見てたんだ」
🩷「…助かった……」
💚「ねぇ、佐久間……」
💚「こんな状況で言うのもなんだけど……」
💚「あの日さ」
💚「佐久間、見てたよね?」
🩷「……あの日って……?」
💚「控室の……」
🩷「……っ!!」
心臓が、 大きく跳ねた。
つづく。
コメント
3件

展開が読めないのよ!!ほんとワクワクする🫣✨
どっちも好きだなぁ、 好きだなぁぁあ!!!
おおっ、第2話めっちゃ気になる展開やん…!!😳✨ 阿部ちゃんの「あの日、佐久間見てたよね?」からの空気、ゾクゾクしたよ…! 普段の優しい笑顔と、ふっと見せる違う表情のギャップがエグい…🥶💔 あとスタッフのセクハラシーン、めっちゃリアルで胸が痛かったけど、阿部ちゃんがこっそり助けてくれてたのが王道ヒーローすぎて尊い…😭💕 でもその阿部ちゃんが何を企んでるのかまだまだ謎だし、続きめっちゃ早く読みたい!! 次話待ってます🔥📖