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貴 方 の 亡 骸 は 泣 い て い た
世界が嫌いになった理由
そんなの今となっては忘れてしまった
遠い記憶など
すぐに忘れてしまうものなのだ
だが何故だろう
忘れられないことが
1つあるとするのなら
いや
それは後悔というのだろうか
あの日
?「よっwこれからよろしくw」
あの時間
柳「…あぁ…よろしく、ニコ」
あの場所
?「なんか柳って変人よなぁ…」
柳「酷くない???」
彼女が失う事など
いつかは消えることも
わかってた癖に
?「凛夏ッ…凛夏ッ…カタガタッ…!」
柳「……ドロッ…」
夢の中で何度も見る
血の気が引いていくと感覚と同時に
彼女の温度は消えていく
夢なのに現実味がある
気持ち悪くて目が覚める
?「ゴクゴクッ…!」
水を殻になるまで飲み干しても
恐怖だけが抜けないまま残る
舌触りの悪い物を食べたかのように
居心地が悪くなる
?「……凛夏…ボソッ…」
もう数年は会っていない
それでも彼女の名前がまだ好きだ
世に言うこれを依存気質というのだろう
実際
彼女を含むあの仲良し3人組
俺もそこに入りたかったなと思うほど
その周りの2人を恨むほど
柳「サラッ~…」
“ただの友達”のまま
それを納得の出来ないまま
ただ年月がすぎていくうち
柳「……」
?「ぁ”あッ…ぁあぁ”ああぁ”ッ!」
久しぶりに彼女と顔を合わせたのは
ザーザー…
syp「……」
地面に落ちる雨の音だけが聞こえる
先生がいないと
世界がモノクロに見える
syp「~~~♪」
人がひとり居なくなっただけで
これほど世界が静かになるのは
どうしてなのかと考えたことがある
でも考えても
箱に詰められたように
苦しくなっていくだけで
過去の思い出に浸ろうとする
今にも”人間”って感じやろ?
syp「……先生ってどうしてそんな綺麗なんかなぁ…ボソッ…」
柳「……」
死んだ生き物の瞳
何回も見た
嫌でも見た
でも別にそこまで可哀想とは思わなかった
仕方の無いことだと思ったからだ
けれど
けれど彼女の死は違った
胸を何度も刺されたかのように
海の中で息ができないのと同じくらいに
syp「…ほんッッッとにッ……ギュッ…!」
他の誰かの指示で
意図的に自ら死んでいると知った時
彼女に対する哀れみと
その犯人に対する憎悪が込み上げた
でも
もっとも思ったのは
“先生を死なせない”
“先生を1番愛してる”
“先生は運命の人”
“先生を殺す奴は殺してやる”
“先生の”
“先生を”
“先生に”
“先生は”
そんなことを言いながら
何も出来ない
何一つ成し遂げられない
syp「……ぁあ”っ…ぅあぁああ”ッ…!ポタポタッ…」
柳「……ピチャ…」
syp「ごめんッ!ごめんなさいッ!ギュッ~…!」
syp「毎度毎度こんな痛い思いさせてしまってッ!」
彼女の白い髪
少しづつ濡れていく
syp「ごめんなさいッ!ごめんなさいッ!!ポタポタッ…」
syp「俺もっと強くなるからッ!」
syp「貴方の死を望む奴等全員殺すからぁッ!だからッ!」
syp「だからぁッ…」
syp「……だからもう少しだけ俺に時間をくださいッ…ポタポタッ…」
泣き叫ぶ声も
猫のように寂しいと言って泣いても
彼女は起きない
だから
起こしに行くよ
syp「…はぁ”ッ…ぅ”あッ…カチカチッ…ボッ!」
syp「待っててなぁ”ッ…ギュッ…」
ボワッ!!!
1人の死体と
淋しく鳴く猫
静かに
激しく
燃えていく
消えるまで
長く苦しい時間を
柳「……ボッー…」
mb「柳先生?どうかしましたか…?」
柳「あ…いやいやw少し寝不足でね…w」
mb「あら…体調には気をつけるのよ~?」
mb「最近はまたインフルとか流行ってるんだから…」
柳「すみません、以後気をつけますニコ」
ガララ…
mb「あら?今日はカウンセリングじゃないと思うけど…どうしたの、燋君」
柳「ん?ヒョコ…」
syp「……柳先生に数学の問題教えて貰いたくてニコ」
柳「おぉ、お前から質問来るなんて珍しいなwガタッ…」
柳「教室空いてるからそっちに行こうニコ」
syp「はい!ニコ」
今度こそは
慎重に
先生を殺そうとする奴ら
憎む奴ら
全員
全員ッ!!
syp「~~~w」
柳「~~?w」
「 彼 女 の 為 な ら ば .」
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