コメント
0件
とうとうこの日がやってきた。
あの人たちの記念日が来た。
私はこの日まで生き延びてきた。
あの人たちの元に私は行く。
再びにマネジャーとして。
そばにいたい。
私は今、車椅子で千衣沙さんが押してくれている。SixTONESの楽家に行くために。
(帰郷千衣沙)「なぁ、大丈夫ですか?」
(花郷千衣葉)「ええ、大丈夫よ」
(帰郷千衣沙)「……そうですか」
(花郷千衣葉)「……あなたには感謝してる」
(花郷千衣葉)「ありがとう。」
(帰郷千衣沙)「いえ」
(帰郷千衣沙)「ここがSixTONESの楽屋です。何かありましたら私に言ってくださいね。」
(花郷千衣葉)「ええ、ありがとう」
(松村北斗)「あ、千衣葉さん」
(花郷千衣葉)「皆さん、会いに来ました」
(田中樹)「……」
(田中樹)「ありがとうございます」
(田中樹)「俺たちの願いを聞いてくれて」
(花郷千衣葉)「田中さん」
(花郷千衣葉)「感謝したいのはこっち。」
(花郷千衣葉)「余命宣告で生きる希望を諦めかけた私を救ってくれたあの言葉。」
(花郷千衣葉)「生きていて欲しい。」
(花郷千衣葉)「その言葉が救われた。」
(花郷千衣葉)「だから、この日まで」
(花郷千衣葉)「頑張って生き延びた。」
(花郷千衣葉)「感謝する。」
(花郷千衣葉)「ありがとうございます」
(森本慎太郎)「……」
(京本大我)「今日、見てくれるんだよね」
(京本大我)「俺たちがデビューをする姿」
(京本大我)「あなたの目で」
(花郷千衣葉)「そうですよ。」
(花郷千衣葉)「あなたたちの歌」
(花郷千衣葉)「初めて聞くから」
(花郷千衣葉)「楽しみにしています。」
(ジェシー)「ああ、任せた。」
(髙地優吾)「うん」
(花郷千衣葉)「皆さん、ちょっと手を出して下さい。」
私は一人一人、思いを込めて手を繋いだ。
(花郷千衣葉)「あなたたちのこの先の」
(花郷千衣葉)「未来は何か起きるかは」
(花郷千衣葉)「分からないけれど」
(花郷千衣葉)「私はSixTONESのそばに」
(花郷千衣葉)「います。」
(花郷千衣葉)「いつまでも、いつまでも」
(花郷千衣葉)「……」
(花郷千衣葉)「皆さん、そろそろですよ」
(花郷千衣葉)「さぁ、行ってください。」
(田中樹)「……」
(ジェシー)「千衣葉さん」
(ジェシー)「俺たちは何度もあなたから」
(ジェシー)「助けられてきた。」
(ジェシー)「そして、今日」
(ジェシー)「俺たちからあなたへの」
(ジェシー)「恩返しとともに歌いたい。」
(田中樹)「……あなたは俺たちの仲間。」
(田中樹)「かけがえのない人。」
(松村北斗)「どうか見守っていて欲しい」
(松村北斗)「俺たちのパフォーマンスを」
(京本大我)「あなたとともにいた日々は」
(京本大我)「大切な思い出です。」
(京本大我)「ありがとう。」
(髙地優吾)「SixTONES結成時から」
(髙地優吾)「ずっとそばにいた。」
(髙地優吾)「その感謝を伝えたい。」
(森本慎太郎)「……」
(森本慎太郎)「あなたといた日々は」
(森本慎太郎)「兄弟のように親子のように」
(森本慎太郎)「笑って泣いて怒って」
(森本慎太郎)「どんなときもずっと」
(森本慎太郎)「誰よりもそばにいた。」
(森本慎太郎)「ありがとう……」
(花郷千衣葉)「……」
(花郷千衣葉)「こちらこそありがとう」
(花郷千衣葉)「ほら、呼んでいるよ」
(花郷千衣葉)「それじゃ、またね」