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ハレ_不定期投稿
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彼が職場に戻ってきたのは、私が入社
してから2年後のことだった。
最初は、ほとんど話さなかった。
私は昔から人見知りで、特に男性と話すのが
苦手だった。
高校時代に付き合ってた男の子たち
とだって、素の自分を出せなかった。
何を話せばいいのか分からない。
どう笑えばいいのか分からない。
相手の顔色ばかり気にしてしまう。
そんな私だから、彼とも最初はどこか
気まずかった。
必要な仕事の話をするくらいで、特別な会話
はなかった。
だけど、一緒に働く時間が増えるにつれて、
少しずつ変わっていった。
「これって、どうしたらいいですか?」
仕事で分からないことがあると、私は彼に
相談するようになった。
彼は嫌な顔ひとつせず、丁寧に教えてくれた。
「大丈夫。最初は分からなくて当たり前だから」
そんな何気ない言葉に、何度も救われた。
仕事で失敗して落ち込んだ日も、彼と話すと
少し気持ちが軽くなった。
気づけば、仕事のことだけじゃなく、
いろいろなことを話すようになっていた。
彼の前では、無理に話題を探さなくても
よかった。
頑張って笑わなくても、自然に笑えた。
沈黙があっても、以前ほど気まずくなかった。
高校時代、誰かと付き合っていてもできなかったことが、彼とは少しずつできるようになっていた。
いつの間にか、彼は私にとって、お兄ちゃん
みたいに頼れる存在になっていた。
何かあったら相談したい人。
仕事で嫌なことがあったら、話を聞いて
ほしい人。
彼がいると思うだけで、少し安心できる人。
この頃の私は、まだ自分の気持ちに気づいて
いなかった。
ただ、彼と話せる時間が好きだった。
彼が笑ってくれると嬉しかった。
そして、彼がいない日は、いつもより少し
だけ寂しかった。
コメント
1件
お兄ちゃんみたいな存在……いいですね。人見知りでうまく話せないヒロインが、彼の前でだけ自然に笑えるようになる距離感、すごく丁寧に描かれててじーんとしました。まだ恋愛って気づいてないみたいだけど、いない日を寂しく思うあたりがもう……尊すぎる。続き、気になります🌙