テラーノベル
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「蓮くん、次いつ会える?」
夜中0時。
ベッドに寝転がったまま、蓮は適当にスマホを眺める。
『寂しい🥺』
LINEの通知。
付き合って一週間の女。
あれ、一週間だっけ。まあそんなことはどうでも良い。
蓮は少し考えてから、短く返した。
『俺も会いたい』
送信。
すぐ既読。
『え、ほんと!?』
『うれしい😭』
画面の向こうで喜んでるのがわかる。
蓮は別に嘘ついたつもりなかった。
その瞬間は、会いたいと思ったから。
でも、明日には変わる。
そんなのいつものことだった。
『蓮〜、電話したい!』
別の女。
『声聞きたい』
蓮は少し笑って通話ボタン押す。
「もしもし」
『やば、ほんとに出た』
「なんで」
『だって他の女といるかと思った』
「いねーよ」
『うそだ〜』
「ほんと。お前が一番かわいいし」
沈黙。
次の瞬間、向こうで小さい悲鳴みたいな声。
『むり、好き』
蓮は笑う。
こういう反応、慣れてた。
かわいい。
会いたい。
好き。
口に出すのに意味なんかなかった。
女が喜ぶ言葉知ってるだけ。
「ねぇ蓮くん」
ファミレスのソファ席。
向かいの女がストロー咥えながら言う。
「うちらって付き合ってる?」
「付き合いたいってこと?」
「どんな関係か気になって、」
「俺の事好きすぎね?かわいい笑」
「もー!」
結局、女は笑う。
蓮が少しでも優しくすると、みんな嬉しそうな顔する。
自分が“特別”になれたと思うから。
でも蓮の中では違った。
誰でもよかった。
隣にいて、かわいくて、
その場が楽しかったらそれでいい。
だから別れも軽い。
『なんで?』
『好きって言ったじゃん』
『会いたいって言ってたじゃん』
泣きながら電話越しに言われても、蓮はだるそうに髪かきあげるだけ。
「ごめん、なんか違った」
それで終わり。
最低だって自覚はある。
でも、本気になったことないからわからなかった。
何がそんなに苦しいのか。
「お前ほんと刺されるって」
隣で美咲が呆れた顔する。
コンビニ前。
蓮は煙草咥えながら笑った。
「大丈夫だろ」
「この前の子めっちゃ泣いてたじゃん」
「泣かせるつもりなかったし」
「それがタチ悪い」
美咲は知ってる。 蓮 本当に、その時だけは“好き”なのだ。
会いたいって思うし、かわいいとも思う。
でも熱が続かない。
だから平気で次に行ける。
「つーかお前、好きとか簡単に言いすぎ」
「減るもんじゃねーし」
「軽」
蓮はスマホを見る。
また通知。
『蓮くん会いたい』
別の女。
蓮は慣れた手つきで返す。
『俺も』
その文字を打ちながら、何も感じてなかった。
——あの日までは。
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