テラーノベル
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美咲は、蓮のそういうところをずっと見てきた。
恋人に言うくらい甘い言葉
そんな言葉、蓮にとっては挨拶みたいなものだった。
でも女の子たちは違う。
“神崎蓮が自分だけを見てくれてる”
そう勘違いして、本気になる。
そして最後には泣く。
毎回同じ。
「蓮くんって、ほんとずるいよね」
ファミレス帰り。
女が蓮の腕に抱きつきながら言った。
「なにが」
「優しいのに冷たい」
「意味わかんね」
「だって、急に既読遅くなるし」
「寝てた」
「うそ。絶対他の女」
図星でも、蓮は否定しない。
女は少し拗ねたあと、小さく笑った。
「でも会いに来てくれるからいっか」
蓮は適当に「ん」って返す。
その瞬間は、別に嫌いじゃない。
かわいいとも思う。
抱きしめたいとも思う。
でも、その熱は長く続かない。
「蓮くん、好き」
帰り際、女がそう言った。
蓮は髪くしゃって撫でる。
「俺も」
その返事だけで、女の顔が一気に明るくなる。
——でも。
次の日にはもう、蓮は別の女といた。
「え、昨日の子は?」
コンビニ前。
美咲が呆れた顔すると、蓮は缶コーヒー開けながら言う。
「なんか飽きた」
「最低」
「だって重くなったし」
蓮にとって“好き”は、その瞬間の感情でしかない。
だから簡単に言える。
甘い言葉も全部、本当ではある。
でも永遠じゃない。
「この前なんてさ」
蓮が笑いながらスマホ見せてきた。
『蓮くんしか無理』
女からのLINE。
美咲は眉ひそめる。
「うわ重」
「だろ?」
「お前がそうしたんでしょ」
「なんか知らんけどハマられてた」
“知らんけど”じゃない。
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🫧想美🎐🍏
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#イケメン
蒼乃 月
31
毎日電話して、
かわいいって言って、
会いたいって言って。
そのくせ急に冷める。
女からしたら地獄だ。
でも美咲は、その話を聞くたび少し安心した。
また今回も本気じゃなかった。
蓮は変わらない。
誰か一人に夢中になる男じゃない。
だから自分も、まだ隣にいられる。
「俺、女にハマるとか無理笑」
その言い方が、昔からずっと変わらない。
だから美咲も信じてた。
蓮はずっとこのまま。
軽くて、最低で、適当。
自分だけが昔から知ってる神崎蓮のまま。
——なのに
やめて。
そんな顔、しないで。
だって蓮は、誰にも本気にならない男だったのに。
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