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みるのおくれすぎたぁああ!!!!!!! 桃さんがつけるピアスしっかり青色なの ほんとよすぎる🥹🥹 モブの方は後でしっかり警察に行ったのだろうか🫠
青いピアスはお守り
久しぶりに愛しの彼と出かける日。
…とは言ってもまろは仕事辞めてから本当にいつでも出かけられる状態だったのに俺が忙しすぎて一緒に出かけられるタイミングが見つけられなかっただけなんだけどね。
めちゃくちゃまろは待っててくれてたから本当に楽しみでしょうがない。
「……あ、りうらから貰ったピアス付けてこ、」
そう言って鏡で自分の姿を見て確認する。
青色のピアスは何よりも輝いていて、目立って見える。
りうらが「まろの色だし」って言ってくれたピアスだけど…うん、やっぱり俺には青が似合うみたいだ。
「…ふふっ、たーのしみ〜…♪」
なんてにこにこ満面な笑みを浮かべた自分の表情を鏡で見つめながらヘアセットなりなんなりした。
ガタンゴトン……ユラッ…!!
隣駅のところでイベントがあるみたいで人がとにかく多い…。
まろが隣に立ってくれてる。体感がなさすぎる俺にとって隣に恋人がいるのは本当に助かるし、普通に嬉しい。
少しだけ偶然を装ってまろに倒れかかると「こーら」なんて俺の意図に気がついて突き放されちゃった。
「…ないこがイチャイチャしたい気持ちも分からんわけではないけどな。」
「見せつけるのは好きちゃうねん、かわええないこは俺だけが見るの。」
「俺のかわええ、えらこなないこならわかるよな?」
目を細めてそう呟かれると俺の全部がきゅんきゅんしてしょうがなかったから目線をそらしてやると「ふは」って肩を揺らして笑ってるからもっと恥ずかしくなった。
そこからだ。
多分どちらもが油断をしたその一瞬の隙を狙われたのだろう。
尻あたりに違和感を感じる。
…なんて気がついた瞬間、ふにふにと揉まれるような感覚がしたから間違いない。現行犯。
そんなことをするのはまろしかいない。てかまろであってほしい。
って思って彼の方を見ると彼の右手はスマホでもう片方はつり革。
つまり彼はどちらの手も空いていなかったら彼ではないってこと。
…じゃあ誰、って思って小さく目だけを動かすとまろとは違う方の隣の人が俺の尻に手を伸ばしていた。
「…んはっ、♡」
「ひッ……」
もみもみ、もにゅもにゅ
そう揉まれ続ける尻に俺は少しだけ感じてしまう。
…離れようと。まろの方に近づこうと体を動かそうとすると電車がガタンッ!と大きく揺れて、その揉んでくる方に倒れかかってしまう。
すぐに離れなきゃって思い、離れようとするも、俺の耳元は奪われてしまい「Stop」のCommand。
「だめでしょ、いい子なんだから俺から離れないの」
「…ぁ…っ、」
さっきまで下の後ろにあった手が前に伸ばされる。
つり革にかけられていたもう片方の手は俺の上の前に、と伸ばされどちらも器用に弄られる。
それにすっかり愛しの彼に開発されてしまった胸やら性器を弄られてしまったらもうだめ。
声をがんばって抑えるも抑えきれないってのも事実。
「んッ…ふ、ぁ…♡♡」
「かわい、やっぱ俺好みだわ…♡」
やだ、きもい、だめ、やめて
なんて言いたいのに出る声は甘い声だけ。
そんな声も聞きたくない、全部やだ。俺の性器を触っていいのも全部まろだけなのに。
そういえば、Commandも出されたんだっけ。
…あれ、約束破っちゃってるじゃん。
………
ぷつんと外なのにもかかわらず暗闇に意識が堕ちていった。
「…、ないこ?…ないこッ…!!」
ないこが俺のもとに倒れかかってきたから「やめーや」なんて言ったのに反応がなかったから焦って顔を見たらこれ。
あああああ、もうあかん。またSub dropしとるしこれまた結構深く行ったな。
なんでSub dropしとるか全くもってわからへん…
焦る俺の思考をぐるぐるフル回転させて次の駅で降りることを考える。
彼が他の誰かに取られてしまったらだめだから抱き寄せておくと隣から「ちっ…」と舌打ちする音が聞こえる。
なにがあったかはわからんがこいつが原因なのはわかった。
…それでも怒るとか説教とかするよりもないこのほうが大事だ。
そう思い、ぷしゅーと開いた電車の扉から俺達は電車から降りた。
ホームのベンチに座らせて俺は目の前で屈む。
ないこ、ないこって声を掛けるもぼんやりどこかを見つめているみたいで返事もなにもない。
「…よしよし、なにされたか教えて。こっちに戻ってきて、ないこめちゃくちゃ楽しみにしとったデートやで?」
「せーっかくないこが頑張って仕事終わらせたのにSub dropしちゃないこが悲しんじゃうやろ?」
「俺はまた今度でもえぇけどないこが嫌やもんな。せやから早く戻っておいで。かわいいかわいいないこが沢山の人に見られてて俺耐えられないかも。」
「Sub dropしとるないこもかわええけどSub space入ってふわふわしとるないこの方がかわえぇよ、笑って、怒って泣いて…そんなないこがいっちゃんかわえぇから。」
「このピアスも似合っとるで、りうらから貰ったって言っとったよな。ないこが俺の色のピアスを付けてくれるってだけで嬉しい。だいすきやで」
瞼をぴくぴくさせる
意識が取り戻しはじめた。
よかった、ほんまによかった。なんて安心が溢れきれず思わず抱きしめてしまうと意識を取り戻し始めている彼はSub dropしている時の記憶は当然無いもので、急に抱きつかれてとても驚いている様子だった。
…が、すぐにSub dropしていたことを思い出したのかか細い声で「ごめん」って謝ると俺の頭を撫でてきた。
「…まろが助けてくれたんだね」
「当たり前やろ、てか遅すぎた。痴漢にもっと早く気づいてやれればそもそもSub dropせんかったやん。」
「……ふふっ、俺って愛されてるね」
「それも当たり前。ないこが世界でいちばん愛してるよ」
そう言って手で俺達の顔を覆い、口付けを交わすと彼は顔を真っ赤に染めてバッと離れて目線を外してしまう。
そんな彼を見つめながらデートを中止にしてラブホにでも誘い込んで抱き潰してしまおうか、なんて考えたが彼が楽しみにしていたデートを潰すわけには行かないから。と自分に言い聞かせてただひたすら愛しさを込めた笑みをこぼすだけだった。
end