テラーノベル
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「·····冗談でしょ?」
彼女は病院内だというのに、はばからず、うわははっと笑った。
「どんだけ悪趣味なやつだって思われてんの、私。そんなのブラックジョークにもなんないよ? 書いてあるのは本当、私は膵臓が使えなくなって、あとちょっとで死にます、うん」
「·····ああ、そう」
「え! それだけ? なんかこう、ないの?」
彼女は心外だというように、声を荒らげた。
「·····いや、クラスメイトにもうすぐ死ぬって言われて、なんて言えばいいの?」
「うーん、私なら言葉失うなぁ」
「そうだよ。僕が沈黙しなかったのだけでも評価してほしい」
彼女は「そうだねぇ」と言いながらくすくすと笑った。
彼女が何を面白がっているのかは分からなかった。
それからすぐに彼女は本を受け取って立ちあがり、こちらに手を振り病院の奥に行ってしまった。
「皆には内緒にしてるから、クラスで言わないでね」と言い置いたから、僕はてっきり今後彼女と交流を持つことはないだろうと、どこかでほっとしていた。
だというのに、彼女は次の日の朝、廊下ですれ違った僕に声をかけてきた。
あまつさえ、人数の設定がクラス毎に自由で、結果僕一人だけ担当をしていた図書委員に名乗りをあげた。
彼女の行動の理由が分からなかったけど、元来物事の流れに流される性質の僕は、大人しく新人の図書委員に仕事を教えた。
考えてみればあの一冊の文庫本が原因で、日曜日の午前十一時、僕は駅前に立っているのだから、世の中何が引き金となるものか分からない。
草舟のごとく強い力には逆らわず流されることにしている僕は、結局彼女の誘いを断らず、正確には断るタイミングをもらえず、待ち合わせ場所に来てしまっていた。
すっぽかせばよかったのかもしれないけれど、こっちに非があるようなことをして、彼女に弱みを見せれば何を要求されるか分かったものじゃない。
約束の時間五分前に目印のモニュメントの前に着き、ぼうっと待っていると彼女は時間ちょうどに現れた。
あの病院での偶然以来、久しぶりに見た彼女の私服はTシャツにジーンズというシンプルなものだった。
笑顔で歩いてくる彼女に軽く手をあげて応える。
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マジアナ
#元カレ
まぁ
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7._.nalx
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コメント
1件
うわあ、この第11話、すごくいいですね。「冗談でしょ?」からのあの軽いノリ、でも内容はめちゃくちゃ重いっていうギャップが効いてる。僕だったら絶対に言葉を失うと思うけど、主人公が「評価してほしい」って返すところに彼なりの誠実さを感じました。 それにしても、あの文庫本がきっかけで図書委員の仕事を教えることになる流れ、自然だけど不思議な縁ですよね。彼女がなぜ積極的に関わろうとしてくるのか、まだ謎が多くて気になります。続きが楽しみです!