元貴side
滉斗『おはよ…目の下のクマ、すごいよ、』
元貴『ぅん…あのさ、若井、』
僕はスタジオの椅子に座っている若井に
問いかけた。若井の目の下には濃いクマがあり、
とても疲れているような表情をしていた。
周りを和ませようと無理に笑顔を作ってる
若井を見ているだけで、
僕の胸をぎゅっと締める。
きっと裏ではたくさん泣いたんだろう。
目が赤くなってる。やっぱり、
僕と一緒にいる人はみんな不幸になるんだ。
僕は深呼吸をしてから、若井に打ち明けた。
元貴『…ミセス解散しない、、?』
滉斗『は、?お前何言って…泣』
若井の目から涙が溢れる。
フェーズ1の時の皆のように、
たくさん涙を流していた。
若井は僕を止めようとして、
僕の腕をぎゅっと掴んだ。
若井の腕は細くて、冷たくて、今にも
死んでしまうのではないかと思ってしまう。
滉斗『…泣いてる、元貴、泣』
元貴『…え、、?泣』
若井に言われて気が付いた。僕の目から涙が
溢れ、地面に落ちるくらい泣いていることを。
あ〜あ…
やっぱ僕もミセス解散したくないんだよなぁ…
でも…でも、、、
僕と一緒にいたらいつか若井も同じ被害に
遭うに違いない。大切な人が亡くなるのは、
もう、ごめんだ。
滉斗『解散なんてやだよ、元貴…泣』
元貴『…僕だってやだよ、
でも、僕と一緒にいたらみんな不幸になる!
母さんと父さんだって…涼ちゃんだって!
…僕と一緒にいたら、
みんなに辛い思いさせる…もう嫌なんだよ、泣』
僕が目から涙を溢しながら言うと、
若井はぎゅっと僕を抱きしめて言った。
滉斗『俺は…元貴と一緒にいたい、
ずっと…解散なんて嫌だ、、泣』
元貴『っ…もう、無理なんだよ、どこのニュース
も全部涼ちゃんの事しか出てない!
SNS見る度に思い知らされんだよ…
目の前で大事な人が殺されて、!
しかも僕を庇って…!泣』
僕がそう言うと若井は僕を強く壁に押し付けた。
若井は涙を流しながら怒った表情をしていた。
いつもの優しい若井とは違って、
獲物を捕らえるかのような、
怖い雰囲気を醸し出していた。
滉斗『…やめてよ、もう、、1人で悩まないでよ、
こういう時ぐらい頼ってよ、!泣』
そう言って若井は僕を強く抱きしめながら、
声を殺して泣いた。
どうして…僕はみんなを辛い思いにさせるの…?
どうしたらいい、?どうすればいい、?
辛いよ、若井…
助けて、、、
僕は助けを求めるかのように、
若井を抱きしめ返した。
その時、僕の脇腹に強い痛みが走った。
元貴『あ”っ…う”っ…くっ…泣』
滉斗『…元貴、?元貴…元貴!!!泣』
若井の声が段々小さくなっていく。
意識が朦朧としていく中、見えたのは、
僕の両親と、涼ちゃんの笑顔だった。
僕を其方に誘い込むような、そんな笑顔だった。
でも、まだ、行けないや…
若井を置いて、先に行くなんて出来ない。
あと、まだ、やるべき事が残ってる。
悪循環(あくじゅんかん)
→悪い事が次々に起こること。
コメント
7件
うわぉうわぉ…もしもっくんが御入院されてもわたくしが……!
絶対犯人を許さない死んでも許さんで
うわぁぁぁ深いなぁ