※不愉快にさせてしまうような用語が
含まれています。苦手な方はお戻りください。
元貴side
元貴『ぇ、笑 何かの間違いです…よね、?』
医者『残念ながら…』
絶望した。
滉斗『余命、1年…?』
元貴『…ここに!おっきいできものがあって、!
後は…身体中に何個か…!
今は薬飲んでて…痛みはないんだけど…』
病気で僕の脇腹に大きなできものができて
しまっていた。見つかったのが遅くて、
治療も間に合わない、そんな状態だった。
死ぬほど嫌だった。毎日大量の薬を飲んで、
痛み出したら痛み止めの薬を飲んだ。
いっそ薬物乱用で死んでしまおうかと
思った時もあった。でもやらないと、
復讐しないと、一生のお願いってやつ…
絶対、死ぬ前にやらないと。
これが僕の最後の使命だから。
僕がこの病気を若井に話した時、
若井は僕を安心させるために、
必死に目に涙を溜めながら僕に笑顔を見せた。
涼ちゃんが亡くなってから、
若井は心の底から笑う事が出来なくなっていた。
若井の心の底からの笑顔を、
涼ちゃんが亡くなってから1回も見ていない。
もう、耐えられない。
僕の大切な人の命を奪って、
若井の笑顔を奪った彼奴は、
今でも、のうのうとこの世界を生きている。
その事実が、僕は醜くて醜くて仕方がなかった。
この事件は世界中に広まり、
僕にインタビューをしに、
家に凸られたこともよくあった。
ニュースを開くと、必ず1番上に、
“渋谷大型トラック事件 2人の男女死亡”
というニュースと共に、
“ミセス藤澤涼架死亡 通り魔事件”
といったニュースがあった。
容疑者は未だに捕まっておらず、
今も渋谷のどこかにはいる。
結局、ミセスは解散はせずに、
活動休止をしている。ファンの皆からの
メッセージを見る度、悔しくて胸がぎゅっと
締め付けられる。3人で笑い合っていた
あの日々が、大切で、痛くて、惨めに思える。
同じ目に遭わせてやる。
死ね…死ね死ね死ね…!!!
悔しくて、涙が止まらなかった。
元貴『っ…!はぁっ…あ”っ…泣』
体に力を入れすぎて、脇腹がとても痛くなった。
このくらい…どうってことない。
母さんと父さん、涼ちゃんが殺されたことに
比べたら、僕なんかどうでもいい。
3人が殺されるぐらいなら僕が死ねば良かった。
でも、現実はそんな甘くない。
窓から差し掛かる朝日が、眩しくて、痛くて、
醜くて仕方がなかった。
僕は机の上にあるカッターに手を伸ばし、
自分の腕を切り付けた。
僕の腕からたくさんの血が溢れ出てくる。
痛くないのに、涙が出てくる。
1年前、事故の前日に母さんからもらって、
机の上に飾ってあるブルーデイジーの
ドライフラワーが赤色に染まる。
母さんからもらって、
赤色に染まったブルーデイジーが
醜くて、醜くて、恋しい。
元貴『はぁ”っ…あ”っ…う”ぅ”っ…泣』
僕は棚の中にある乱暴に入れられた薬を
開けて口の中に入れる。ペットボトルに入った
水を思いっきり飲み込んだ。机の上に置かれて
いる音楽機材が赤色に染まっている。
もう、曲なんて作れない。
涼ちゃんもいないのに、
ミセスである必要はどこにあるのだろうか。
醜い、醜い醜い醜い、!!!
元貴『あ”ぁもう”…!!っ…はぁっ…泣』
どうすればいい、?どうしたらいい、?
僕の脇腹が醜悪な汚染に包まれていくのが
分かる。馬鹿だよねぇ…笑
こんな事して、何もいい事ないのに…
もう、長くない。
なら、どうすればいい、?
僕は、どうしたらいい、?
いっそ忘れちゃえばいい、?
無理だろ、、無理に決まってんだろ、!
忘れるなんて、死ぬほど嫌だ、!!!
どうすればいい?をどうすればいい、?
母さんや父さん、涼ちゃんが生きていた
あの頃に戻りたい。
復讐する事で頭がいっぱいな僕は、腐ってる。
死んだ方が良かったのは僕の方だと思う。
どう復讐すれば…
待てよ、?
母さんと父さんが殺されたのは夜の渋谷の
交差点。確か24時30分。
涼ちゃんが殺されたのは、15時頃。
どちらも、悪魔の時刻。
彼奴は必ず、
悪魔の時刻に、あの渋谷の交差点に向かう。
なら、××××して彼奴を殺せば良い。
希死念慮(きしねんりょ)
→自ら命を絶つことを考えること。
コメント
10件
うぅ……心が苦しくなっちゃうよ…頑張って頑張って作り上げたものがある日に壊れる感じと似てる…
悲しいお話ですね
やっぱり皆んな苦しいんだね。