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目を覚ますと、起きていたはずの青は眠っていた。
何時だろう、とスマホを取り出し時間を確認する。
俺は目を疑った。
“午前”六時。
“午後”の間違いではないかと何度も確認したが、明らかに“午前”だった。
今日から学校に行かないといけないので、慌てて帰る支度をする。
とりあえず家に帰ろう。俺は自分の荷物だけ持ち、足早に病室を出た。
看護師さんの声で僕は目覚めると、寝たときまでは隣にいたはずの桃くんはもういなかった。
そういえば今日から学校か、などと思いつつ、ベッドに座り直す。
背中と腹部に痛みを感じ、思わず「痛て」と声に出てしまった。
実は昨日から傷口が痛むことが結構あるのだが、桃くんには言えていない。
桃くんは起きたときに「ごめん」と言っていた。
自分を責めてるのではないかと思うし、それよりも、今は自分のことでいっぱいなのではないかと思うから。
「俺の何がわかるんだよ!」
あのとき、桃くんはそう言った。
きっと、誰にも相談できず、溜め込んでいる何かがあったんだと思う。自分の気持ちも抑えられないほどの何かが。
ねえ、お母さん。もしかして、僕の大切なモノって“_”なのかな。
「ころんさん」
と看護師に呼ばれ、僕はリハビリへと向かった。