テラーノベル
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閻魔神の右手には私の首を、左手にはロジオにかかってるロープを掴んで、床に引き摺らせながら歩く。
不気味な花や食中植物の生えた中庭に出た。
「さて、外の様子はどうかしら……」
兇手牢の周辺に大量の人が集まっている。
中庭から見える範囲でも、500人以上はいそうだ。
「閻魔神!阿鼻界なんて消せ!」
「こんなひどいことをして何が楽しいのよ!」
「そーだ、そーだ!」
兇手牢の硬い壁を蹴ってる者も少なくなかった。
「……随分と煩わしいですわ。」
(葉造さんと蛇手さんが、協力してくれる人達をこんなに集めてくれたのか……)
「そこの人達〜!この白髪が閻魔神だぜ。」
ロジオの声が聞こえた人達の視線がこちらを向く。
「ええ、そうですわよ。朕がこの阿鼻界を作ってしまった、閻魔神ですの。」
大衆から非難轟々の声が閻魔神に飛び交う。
「私は普通に生きていただけなのに、何でこんな目に遭わないといけないんだ!」
「早く何とかしろよ、閻魔神!」
「朕も本当は、阿鼻界を作ったことを後悔してますの……」
閻魔神はその場に座り込む。
奥の方からデェ模んが中庭へ飛んできた。
「閻魔神、ワレがこの人達ヲここに転送させたワ。ワレは別に閻魔神のコトハ嫌いじゃないノ。ただ、こんな日々二飽きてきテ……人々ガ言ってた現生界の景色ヲ見たいノヨ。」
「でも、朕はもう死者の運命を変えられませんわ。一体どうすればいいのか、わからないんですの。」
「閻魔神は生前どうやってマタールナの能力を自分のものにしたんですか?」
「死者の運命を司るであろう部分を液体状にして、朕の脳に入れましたわ。」
「ということは、閻魔神の脳からマタールナの液体を取り出して私の脳に入れれば、私にその力が使えるかもしれません。」
「その液体がまだ閻魔神の脳に残っていたらだけどな。つーか、來雨さんの四肢を治してくれよ。」
デェ模んが私の断面に触れると、四肢が生えてきた。
(……生え方気持ち悪いな。)
閻魔神は、ロジオの首を吊ってるロープを外す。
「じゃア、閻魔神の頭ヲ解剖してマタールナの液体ヲ取り出してもイイ?」
「……覚悟は決まりましたわ。」
「そんなことはさせぬぞ!」
その声とともに、どこからともなくガルムが現れる。
「こいつも獄使かよ……」
「妾は人間共が苦しんでるところを見るのが好きじゃ。阿鼻界を壊させはせん。」
ガルムは閻魔神を守るためのバリアを張るが、デェ模んによって打ち砕かれる。
「來雨とロジオ、ワレがガルムと戦ってる間二、これを使って閻魔神ノ頭からマタールナを抽出シナサイ!」
デェ模んはナイフと小さなバケツを渡し、私達を兇手牢のどこかの部屋へ瞬間移動させた。
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