煌めく君へ

システム入れ替えの為連日の残業流石にやばい‥

凪　🩷『年齢を感じる⤵︎疲れてるな🥱』

鏡越しの私は疲れきって顔色も悪い。昨日はオフィスで気付いたら寝ていた。翔太さんが来たらしくデスクには〝お疲れ様〟のメッセージが添えられた冷めてしまったコーヒーが寂しそうに置かれていた。栄養ドリンクを一気に胃袋に流し込み頬にバチンと気合を注入した。

凪　🩷『おっさんかよ笑』

まだ笑う余裕があるから今日くらいまでなら何とか大丈夫そうだ！なんて自分に言い聞かせてふらつく足にエールを送る。流石にこの顔面じゃまずいのでマスクで隠すことにした‥

〝まぁ誰も私の顔色なんて気にしないんだけど〟

今日を乗り切れば10日ぶりの休日が待っている。明日からの三連休は家に篭りゴロゴロ呑んで過ごすのだ！

凪　🩷『陸‥間違ってるココ！ちゃんと最終確認してからこっちに回してよ💢』

陸 『すいません💦先輩ここなんですけど‥何やってもエラー消えなくて..おっ流石先輩あざっす😆』

陸め！何年この仕事してるんだ？全く成長しない奴も居たもんだ。陸は根っからのお調子物。適当な事を言ってその場を逃れてきた結果がこれだ。スポーツ選手なら早々に戦力外通告を喰らってる（笑）愛嬌の良さだけがこいつに残された唯一の武器。その愛嬌で許してしまう私が1番成長してないのかもしれない

陸 『先輩‥あのぉ今日何ですけど‥』

凪　🩷『どうせデートなんでしょ？せめて自分のは処理して行ってね？流石に私もキツイ』

デートっていつから仕事を切り上げる言い訳に使われるようになったんだ？はぁお願いだから自分の仕事くらいやってくれよ

陸 『すいません！申し訳ないです💦お土産買って来ますんで…お先に失礼します』

凪　🩷『👋はいはい』

彼女と温泉に行くんだと⁈何で陸の分までしなきゃならないんだ‥また残業じゃないか。ふらつく体に鞭打ってコンビニまで夜食を買いに向かった。コンビニの帰り撮影を終えたスタッフの人とすれ違った。今日は早めに終わったようだった。途中トイレに寄ると退社前の女子集団に遭遇した。

女子社員A『今夜の合コン楽しみ✨』

女子社員B『ずっと狙ってたもんね♡情シスの陸くん』

ん？待てよ情シスの陸？今日は彼女とデートって言ってたよな？

女子社員A『最近彼女と別れたらしくってめちゃくちゃ合コン乗り気だったから絶対今日はgetするんだ♡』

足が鉛のように重くなった‥やっとのことで自分のデスクに着いた。情けない‥好きな仕事とはいえ後輩のフォローもお互いの信頼関係あっての事だろう？あ〜やばい泣きそうだ💦心も体も限界まできてるって言うのに奮い立たせる為のポジティブ要素を持ち合わせていない。デスクに突っ伏し必死で涙を堪える‥ここで泣いたら負けだ！‥？何と戦ってるんだろう私は😭

翔太💙　『お疲れ様♡大丈夫ですか？』

凪　🩷　『えっあっ』

慌てて涙を拭うが遅かった

翔太💙　『どうしたの？大丈夫？』

凪　🩷　『どうだろう？止められないかも😭』

堰を切ったように涙が溢れて止められなかった。大人になって人前でこんなにも泣いてしまうなんて‥

翔太💙　『大丈夫もう誰もいないから一杯泣きな？』

子供みたいに泣いた。彼が背中に回した腕が温かくて、撫でる手が優しくて、かけてくれる言葉が心に染みた。〝凪ちゃん大丈夫大丈夫〟そう言って泣き止むまで寄り添ってくれた。

凪　🩷　『ごめんなさいもう大丈夫です。みっともないところ見せてしまって恥ずかしいですね。はぁもうこんな時間だ**』**

時計を見るともう午前0時を回ってしまっていた。慌てて勢いよく立ち上がるとそれが最後のエネルギーだったようで力なく膝から崩れ落ち意識を手放した。翔太さんが何か言ってたようだけど暗闇の中に静かに沈んでいった。