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◇Scene 1:セカイとの遭遇

◇Scene 2:ユユの帰宅

◇Scene 3:ムノの悪夢と出会い

◇Scene 4:翌朝・教室










📘音響市 第3話

「影と声、そしてはじまりの記憶」


◇Scene 1:セカイとの遭遇

静まり返った崩壊地区。ノイズが消えた後、冷たい風が吹き抜ける。

白髪に無表情の少女──セカイがユユの前に立っていた。

その背後から、一歩踏み出したクラネイスがぼそりと呟く。

クラネイス「お前………」

ユユ「ど、どういうこと!?」

クラネイス「こいつは……セカイ。俺と同じ“管理者”。No.139だ。」

セカイはちらりとクラネイスを見て、淡々と口を開く。

セカイ「No.140……また勝手に“お前”呼んでる……」

クラネイス「お前の名を呼ぶほど、馴れ合ってない。」

ユユ「ふ、二人って兄妹……とかじゃないんだよね……?」

クラネイス「違う。似ているだけだ。“性質”がな。」

セカイは目を細め、少しだけ微笑む。

セカイ「でも、ユユ。君の声が“届いた”ことは──本物。」

クラネイス「……今日はここまでにしておけ。」


◇Scene 2:ユユの帰宅

部屋の明かりだけが、外の音響塔を照らす。

ユユ(心の声)「やっぱり……わからないことばっかだ……

僕の歌、クラネイス、セカイ……ノイズって何なの……?」

ベッドに潜り込むと、瞼がゆっくり閉じられていく。

ユユ「……今日は寝よう……」


◇Scene 3:ムノの悪夢と出会い

一方その頃、道路を走っていたムノ

ムノ「はぁ…はぁ…はぁ……い、いやだああ!!」

ザァァッ──! 川の中から、影のようなノイズが現れる。

そのとき、空間が一瞬だけ光り──

シャルネ「よいしょ……危なかったね?」

ムノは倒れこんだまま、目を見開く。

ムノ「え、えぇっと……」

シャルネ(やさしく微笑んで)「私はシャルネ。普通にそう呼んでね?」

ムノ「シャルネ……助けてくれて、ありがとう!」

シャルネ「いいや……まだ終わりじゃないよ。最後に、歌える?」

ムノ「え……あぁ……うん……!」

ムノ(歌いながら)「世界の物語〜〜♪ 刹那に変わる心…その歌に乗せて…聞き続ける〜♪」

ノイズの影が静かに光となって消えていく。

ムノ「えっ!? 変なものが……消えた!?」

シャルネ「ムノの声で、書き換えたんだよ。」

ムノ「えぇ……? わ、私、そんなこと……」

時計を見てムノが慌てる。

ムノ「わわっ!やばい!もう寝ないとぉ〜〜っ!」

ムノが走り去るのを見送りながら、シャルネがぽつり。

シャルネ(小声で)「……この子で、あってるなら──ね。」


◇Scene 4:翌朝・教室

教室に入るなり、ムノが元気いっぱいに声をかける。

ムノ「おっはよ〜ユユちゃあん!」

ユユ「え……あぁ、おはよう……」

ムノの視線がユユの隣の二人に向かう。

ムノ「あれ? 隣にいるのは……ふたりとも、にてるね!」

クラネイス(眉をひそめ)「……俺達が見えるのか?」

ムノ「えぇ? 普通に見えるけど?」

セカイ(ぽつり)「多分……シャルネかと……」

クラネイスは小さくため息をつく。

クラネイス「……なるほどな。だから後ろにシャルネが──」

シャルネ(笑顔で手をふる)「いい子を見つけたからねっ!」

ムノ(驚いた様子で)「えぇ!前のシャチ!(←管理者の姿見て)」

ユユ(慌てて)「ちょ、ちょっと!その前に……みんなには見えてないんだから……!」

ムノ「もう何がなんだかわからない〜〜!」

ユユ「えぇっと……昨日、歌った?」

ムノ「あっ、そうそう! 歌ったらね……ノイズ?が消えて……」

ユユ「……おんなじだ。」

クラネイス(真剣な表情で)「シャルネ。昨日、何があったか──説明しろ。」

シャルネ「えぇっと、かくかくじかじかでね〜〜」

セカイ「で、今の状況……というわけね。」

キィィィン……チャイムが鳴る。

ユユ「あっ……もう授業始まっちゃう!」

シャルネ「じゃあね〜〜!」

クラネイス「俺達は少し……話をしておく。」







終わり!

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