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◇Scene 1:セカイとの遭遇
◇Scene 2:ユユの帰宅
◇Scene 3:ムノの悪夢と出会い
◇Scene 4:翌朝・教室
静まり返った崩壊地区。ノイズが消えた後、冷たい風が吹き抜ける。
白髪に無表情の少女──セカイがユユの前に立っていた。
その背後から、一歩踏み出したクラネイスがぼそりと呟く。
クラネイス「お前………」
ユユ「ど、どういうこと!?」
クラネイス「こいつは……セカイ。俺と同じ“管理者”。No.139だ。」
セカイはちらりとクラネイスを見て、淡々と口を開く。
セカイ「No.140……また勝手に“お前”呼んでる……」
クラネイス「お前の名を呼ぶほど、馴れ合ってない。」
ユユ「ふ、二人って兄妹……とかじゃないんだよね……?」
クラネイス「違う。似ているだけだ。“性質”がな。」
セカイは目を細め、少しだけ微笑む。
セカイ「でも、ユユ。君の声が“届いた”ことは──本物。」
クラネイス「……今日はここまでにしておけ。」
部屋の明かりだけが、外の音響塔を照らす。
ユユ(心の声)「やっぱり……わからないことばっかだ……
僕の歌、クラネイス、セカイ……ノイズって何なの……?」
ベッドに潜り込むと、瞼がゆっくり閉じられていく。
ユユ「……今日は寝よう……」
一方その頃、道路を走っていたムノ
ムノ「はぁ…はぁ…はぁ……い、いやだああ!!」
ザァァッ──! 川の中から、影のようなノイズが現れる。
そのとき、空間が一瞬だけ光り──
シャルネ「よいしょ……危なかったね?」
ムノは倒れこんだまま、目を見開く。
ムノ「え、えぇっと……」
シャルネ(やさしく微笑んで)「私はシャルネ。普通にそう呼んでね?」
ムノ「シャルネ……助けてくれて、ありがとう!」
シャルネ「いいや……まだ終わりじゃないよ。最後に、歌える?」
ムノ「え……あぁ……うん……!」
ムノ(歌いながら)「世界の物語〜〜♪ 刹那に変わる心…その歌に乗せて…聞き続ける〜♪」
ノイズの影が静かに光となって消えていく。
ムノ「えっ!? 変なものが……消えた!?」
シャルネ「ムノの声で、書き換えたんだよ。」
ムノ「えぇ……? わ、私、そんなこと……」
時計を見てムノが慌てる。
ムノ「わわっ!やばい!もう寝ないとぉ〜〜っ!」
ムノが走り去るのを見送りながら、シャルネがぽつり。
シャルネ(小声で)「……この子で、あってるなら──ね。」
教室に入るなり、ムノが元気いっぱいに声をかける。
ムノ「おっはよ〜ユユちゃあん!」
ユユ「え……あぁ、おはよう……」
ムノの視線がユユの隣の二人に向かう。
ムノ「あれ? 隣にいるのは……ふたりとも、にてるね!」
クラネイス(眉をひそめ)「……俺達が見えるのか?」
ムノ「えぇ? 普通に見えるけど?」
セカイ(ぽつり)「多分……シャルネかと……」
クラネイスは小さくため息をつく。
クラネイス「……なるほどな。だから後ろにシャルネが──」
シャルネ(笑顔で手をふる)「いい子を見つけたからねっ!」
ムノ(驚いた様子で)「えぇ!前のシャチ!(←管理者の姿見て)」
ユユ(慌てて)「ちょ、ちょっと!その前に……みんなには見えてないんだから……!」
ムノ「もう何がなんだかわからない〜〜!」
ユユ「えぇっと……昨日、歌った?」
ムノ「あっ、そうそう! 歌ったらね……ノイズ?が消えて……」
ユユ「……おんなじだ。」
クラネイス(真剣な表情で)「シャルネ。昨日、何があったか──説明しろ。」
シャルネ「えぇっと、かくかくじかじかでね〜〜」
セカイ「で、今の状況……というわけね。」
キィィィン……チャイムが鳴る。
ユユ「あっ……もう授業始まっちゃう!」
シャルネ「じゃあね〜〜!」
クラネイス「俺達は少し……話をしておく。」
終わり!