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こういうの凄く好きです💘
「──はぁ、まさかこんなことになるなんて思わなかった」
咫穏(シオン)はそっとため息を吐く。
(正直言って戦いづらいな……)
その瞬間──
目にも止まらぬ速さで移動し、鋭い爪が咫穏の首筋に向かって振り下ろされた。
「…………」
寸前で避ける。
「それ以上“鬼”になったら戻れなくなるよ」
紅紫色(こうししょく)の“鬼”はまるで獣のように歯を剥き出し咆哮を上げる。鋭い目付きで睨(ね)めつけた。
「……やるしかないか」
“鬼”と烏の戦いが幕を切って落とされようとしていた。