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朝。
教室に入る前から、なんとなく空気がざらついてた。
ころん(……あれ)
廊下で、視線が一瞬だけ集まって、すぐ逸れる。
【ころん】「おはよー」
【クラスメイトA】「…おはよ」
声が軽い。
でも、どこかよそよそしい。
席に着くと、あっきぃはもう来ていた。
昨日と同じ制服なのに、雰囲気が違う。
ころん(……寝てない?)
【ころん】「おはよ」
【あっきぃ】「……おはよ」
返事はある。
でも、声が一段低い。
ホームルーム前。
【クラスメイトB】「ねえ、聞いた?」
【クラスメイトC】「昨日の夜の話でしょ」
【クラスメイトB】「やっぱり?」
ひそひそ声が、あっきぃのほうを向いてる。
ころん(……昨日の夜?)
【ころん】「なにそれ」
【クラスメイトB】「え、ころん知らないの?」
【クラスメイトC】「あっきぃ、家出したって」
一瞬、頭が真っ白になる。
ころん(……は?)
【ころん】「……誰から聞いたの」
【クラスメイトB】「兄弟の誰かが言ってたって聞いたけど」
【クラスメイトC】「やっぱ問題児なんだね」
胸の奥が、ぎゅっと縮む。
ころん(問題児、じゃない)
思わず、あっきぃのほうを見る。
机に手を置いて、前だけを見てる。
【ころん】「…ねぇ」
【あっきぃ】「……なに」
【ころん】「体調、大丈夫?」
【あっきぃ】「平気(即答」
ころん(これ、嘘だ)
授業中。
先生が当てても、返事が半拍遅れる。
【先生】「あっきぃ、答えは?」
【あっきぃ】「…えっと」
教室がざわつく。
【クラスメイトD】「大丈夫かよ」
【クラスメイトE】「昨日何してたんだろ」
ころん(やめろよ)
ノートを取るふりして、机を少し近づける。
【ころん】「……あとで、話そ(小 声」
【あっきぃ】「……うん」
昼休み。
あっきぃが、誰とも目を合わせずに席を立つ。
【ころん】「あっきぃ、待って!」
【あっきぃ】「……先に行っていいよ」
【ころん】「だめ」
言い切った自分に、少し驚いた。
【ころん】「一緒に行こ」
あっきぃは、一瞬だけ戸惑ってから頷く。
【あっきぃ】「…うん。…ありがとう」
その声が、昨日の夜と同じだった。
ころん(……やっぱ、家の問題だ)
廊下を歩きながら、周りの視線を感じる。
【クラスメイトF】「ころん、優しいね」
【クラスメイトG】「巻き込まれないほうがいいよ」
ころん(……何それ)
あっきぃの歩幅が、少し小さい。
ころん(昨ここまで追い詰められてたんだ)
昼食を前に、あっきぃがぽつりと呟く。
【あっきぃ】「……俺、迷惑?」
【ころん】「は?」
【あっきぃ】「……クラスに」
胸が、強く鳴った。
【ころん】「迷惑なわけないでしょ」
【あっきぃ】「……」
【ころん】「少なくとも、俺には」
あっきぃが、少しだけ目を見開く。
【あっきぃ】「…そっか、…うん」
ころん(……これ、簡単には終わらないな)
教室のざわめきが、遠くに聞こえた。