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それから、同窓会は先生が暇な日曜日にしよう、と決まったみたいだけど、
先生は、行く直前に 行けない と返信してくれたらしい。
「おっはよー」
『 おはようございます』
『 …今日は、雨ですね。』
「雨だねぇー、」
そう、今日は雨なの。
結構、強めの。
ピロン
「オレじゃないよ。」
『 …私か、』
驚いた。
まさかの、渡辺先生から連絡がきていた。
「今日、会えない?」
なにこの、カップルみたいな会話は。
「どーした?」
『 これ、』
「お!よかったじゃん」
『 …いや、』
そりゃあ、先生から会いたい なんて言われたら今までの私ならすぐに行ってたとおもう。
でも、雨だよ。
雨の日に、先生に会いたくない。
2つも嫌な思い出がある。
また、なんか怒ってしまうんじゃないかと不安にもなる。
「…行かないの?」
『 …どーしよ、』
手塚さんは、行きなよ と背中を押してくれるけど、正直迷う。
その場ですぐ決められなかったから、
返信をしなず、既読だけつけ、仕事に入った。
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午後3時。
ピロン
また、私のスマホがなった。
「忙しいなら大丈夫だけど」
「7時に、桜坂公園で待ってるわ。」
そう、連絡がきた。
あと、4時間。
私があと働くのは、1時間。
考える時間は充分にある。
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午後6時半。
「〇〇ちゃんごめんね !」
『 いえ!』
なんでか、今日はお客さんが多い。
店長が腰を痛めて仕事にきていないから
今日は手塚さんと2人だった。
帰ってもいい、と言われたけど
流石にこんな中に手塚さん1人を、置いておくことなんてできなかった。
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午後7時40分。
やっと仕事が落ちついた。
「〇〇ちゃん、ごめん。もう大丈夫。」
『 ありがとうございます』
「ねぇ、先生の約束、どーすんの?」
『 …』
『 もう、40分も過ぎてますよ。行けないです』
40分も過ぎていたら、きっと先生は待っていない。
短気だもん。あの人。
ピロン
「月が綺麗だぞ。」
先生から、そうLINEがきた。
『 …っ、失礼します!』
「うん。笑」
行っていいんだ。
雨とか、関係ない。
傘を持ってきていなかった私は、コンビニでビニール傘を買った。
全然、気にしていなかった。
だって、先生に会いに行くのに必死だったから
『 …先生っ!』
「…遅せぇよ、笑」